習い事

【中学受験】学年別 成果の出る夏後半の過ごし方

目次

【4年生】中学受験の助走期——「学習習慣」と「思考の因果関係」を育てる夏後半
【5年生】中学受験の天王山——「積み残しの解消」と秋のギアチェンジへの備え
【6年生】入試天王山の最終盤——「△をつぶす」作業とオプション講座の取捨選択

夏休みの後半戦は「アタフタ学習」から抜け出し、秋からの再スタートに向けた基盤を整える極めて重要な時期です。

私はこれまで、夏休みに力を出し尽くして疲弊し、秋調子を崩す子をたくさん見てきました。8月後半は宿題や講習の消化に追われる状態を脱し、自分の弱点を丁寧につぶす期間にすべきだと考えています。

今回は、4年生・5年生・6年生それぞれの「お盆休みの過ごし方」「お盆休み以降(8月後半)の過ごし方」、そして「8月末〜9月初頭のテスト結果の受け止め方」について考えてみたいと思います。

【4年生】中学受験の助走期——「学習習慣」と「思考の因果関係」を育てる夏後半

4年生の夏休みは、本格的な中学受験勉強における「助走期間」だと前回もお話ししました。
この時期に知識を詰め込みすぎて勉強嫌いにさせてしまっては、元も子もありません。
無理のないペース配分と「考える楽しさ」を実感してもらうことを第一目標にしましょう。

4年生のお盆休みの過ごし方

お盆休みは家族旅行や帰省、アウトドアなど、机の上では得られない実体験を積み重ねる絶好のチャンスです。
川遊びをしたり、星空を眺めたり、、博物館巡りといった体験は、将来の理科や社会の学力の土台となります。たっぷり経験させてあげてください。

とはいえ一方で、学習習慣をゼロにしないルーティンづくりも大切ですね。
完全に勉強を休んでしまうと、休み明けに塾のペースに戻すのが難しくなります。
朝の15〜30分程度で終わる「計算問題」「漢字」「一行問題」などの日課だけは、講習会のない日も継続させましょう。

4年生のお盆休み以降(8月後半)の過ごし方

「なぜそうなるのか」という因果関係や仕組みを理解する学習を心がけましょう。
夏期講習の復習をする際、答えや公式の丸暗記で終わらせてはいけません。
4年生の時期から「なぜこの式になるのか」「どうしてこの結論になるのか」といった因果関係や解法の仕組みを自分の言葉で説明する練習を重ねることが、高学年での思考力の伸びにつながります。

また新学期が始まる直前に慌てないよう、学校の宿題はお盆明けくらいには終わらせるスケジュールで動きましょう。
自由研究は「提出は必須ではない」という学校も多くなっているようですが、時間のある4年生はぜひ取り組んでみてください。

8月末テストの結果の受け止め方

どうしても親としては「夏のがんばりの結果を出してほしい」と思うものですが、偏差値や点数に振り回されないことが大切です。

4年生のうちから「テストは結果だけを見て一喜一憂するものではなく、今の自分に何ができていて、何ができていないのかを判断するためのもの」ということをお子さんに教えてあげてください。
そのために親はプロセスを見て褒め、間違え方の原因を分析する視点でお子さんのテストを見るようにしてください。

「最後まで解ききったこと」「夏期講習に通い切ったこと」をまずはしっかり評価してあげましょう。
その上で、間違えた問題が「単なる計算ミス」なのか「問題文の読み飛ばし」なのか「概念の理解不足」なのかなどを親子で一緒に整理するといいですね。

【5年生】中学受験の天王山——「積み残しの解消」と秋のギアチェンジへの備え

5年生の夏期講習は通塾日数も宿題の量も4年生にくらべると多くなり、1年で最も消化不良を起こしやすい時期です。
ここで発生した「穴(弱点)」をそのままにして秋を迎えると、成績低下の原因となります。

5年生のお盆休みの過ごし方

夏期講習前半で消化しきれなかった課題や、テストで間違えた問題のうち、前回お伝えした「△」(「△:難しいがわかった」)に絞って復習することがポイントです。
5年生とはいえ、終日勉強漬けでは集中力が持ちません。
家族で美味しいものを食べに行ったり、数日間の旅行やレジャーを挟むことで、後半戦へのモチベーションを再充電しましょう。

5年生のお盆休み以降(8月後半)の過ごし方

秋からの「カリキュラム激変」に備える必要があります。
各大手塾とも、9月以降はカリキュラムのレベルが一段上がります。

たとえばサピックスでは旅人算・通過算・流水算・時計算などの速さに関する特殊算や、比の絡んだ複雑な平面図形などが怒涛の勢いで押し寄せます。
日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーでもやはり「比」を使った実戦的な問題がたくさん出てきます。

とはいえ、新しい応用問題集に手を出したり、無理に難しい問題を解く必要はありません。
夏期講習後半で扱ったテキストの中の「△」をもう一度解き直し、秋からの高度な単元に耐えうる基礎体力を完成させるイメージで取り組みましょう。

8月末テストの結果の受け止め方

4年生同様、期待した結果出なかったとしても「夏の成果は秋〜冬に出る」と心得て、むやみに親が焦らないことが大切です。
「あんなに夏期講習で頑張ったのに成績が上がっていない」とショックを受ける保護者の方は非常に多いのですが、夏に蓄えた知識や思考力がテストの得点として表れるには、2〜3ヶ月タイムラグがあるケースも珍しくありません。

テストが返却されたら、まずは偏差値よりも「正答率50%以上の問題で落としていないか」を確認しましょう。
みんなが解けている基本問題での失点を発見できたこと自体をプラスに捉え、そこを重点的に解き直しましょう。
もちろん「△」を重点的に直しておくことも重要です。

【6年生】入試天王山の最終盤——「△をつぶす」作業とオプション講座の取捨選択

6年生の夏休み後半は、入試本番に向けた実戦力を磨く絶好の機会ですが、ここで親も子も焦ってキャパシティ以上の負荷をかけると、秋以降の不調や失速を招きます。

6年生のお盆休みの過ごし方

「睡眠時間の確保」と体調管理を最優先にしましょう。
6年生の夏休みで最も避けるべきは「睡眠時間を削って勉強すること」です。寝不足で頭が働かない状態で勉強しても効果は薄く、秋以降にバテてしまいます。
毎日7〜8時間の睡眠をしっかり確保しましょう。

講習前半の「△(あやふやな問題)」をピンポイントに補修しましょう。
お盆休みの数日間は、夏期講習前半で「△(解法は理解できるけれど一人では解けない問題)」や苦手な単元をピンポイントで潰す時間に当てることも検討してください。
お盆の時期にある特訓系の授業に参加すべきかどうかが見えてくるかと思います。

6年生のお盆休み以降(8月後半)の過ごし方

お盆や夏休み後半には大手塾で「上位校特訓」や「志望校別オプション講座」などが設定されることが多いですが、まだ基礎が定着していない子や消化不良を起こしている子が安易にオプション講座を受けると、自信をなくして逆効果になるケースが多いです。

下記を参考に、受講すべきかどうかを考えていただければと思います。

受けるべき子:夏期講習の基本・標準内容をすでに8割以上消化しており、余力がある子。
回避・キャンセルを検討すべき子:夏期講習の宿題や復習が終わっておらず、アタフタした状態で受講している子。

オプション講座をパスし、その時間を「夏期講習テキストの△の解き直し」に充てる決断が、9月からのSS特訓(サピックス)や日特(日能研)、志望校別コース(四谷・早アカ)で成果を出す鍵となるケースも多いです。

8月末〜9月初頭テスト(サピックスオープン・合不合判定テストなど)の受け止め方

合格判定のパーセンテージに、パニックを起こさないことが重要です。

8月末から9月初頭にかけて行われる大手塾の模試(サピックスオープン、四谷大塚「合不合判定テスト」、日能研「全国公開模試」など)では、もちろん本格的な志望校合格判定(多くは20%〜80%)が出されます。

ここで想定より低い数字が出た場合に、親がパニックになって「このままじゃどこも受からない!」と子どもを責めたり、大量の復習や「苦手のしらみ潰し」に走ってしまうと、かえって調子を崩してしまいかねません。

親御さんはぜひ、お子さんのメンタルサポーターになってあげてください。

やはり「20%」といった数字を突きつけられると、親以上にお子さんもショックを受けているものです。
親が冷徹に「正答率が高いのに間違えた問題(弱点)」をあぶり出し、9月からの過去問演習や弱点補強のタスクリストに落とし込む姿勢を見せてあげましょう。

親がドッシリと構えることで、子どもは安心して秋からのラストスパートに向かうことができます。

中学受験の夏休み後半は、知識の量をただ増やす時期ではなく、これまで学んできた知識の「質を高め、穴を塞ぐ時期」です。
周りの進度や塾の過密スケジュールに流されて「ただ講習を消化するだけのアタフタ学習」になっていないか、一度立ち止まってお子さんの表情とノートを確認してみてください。

塾の課題をすべて完璧にこなす必要はありません。
我が子の現在の学力水準に合わせて「やるべきこと」と「捨ててもよいこと」をしっかり見極める「課題の取捨選択」を今一度意識していただきつつ、8月に臨んでいただければと思います。

成果の出る夏になることを祈っています。

【中学受験】夏休み完全攻略法 学年別「成果が出る過ごし方」

目次

全学年共通 夏休み成功の3大原則
【小学4年生】勉強を嫌いにさせない 体験と学習習慣を育む夏
【小学5年生】受験の天下分け目 苦手克服と選択・集中の夏
【小学6年生】天王山を制する 志望校からの逆算と基礎固めの夏
まとめ:家族で笑顔で秋を迎えるために

「いよいよ夏休み、周りの子はみんな朝から晩まで机に向かっているのかしら…」
「『夏は天王山』って言うけれど、うちの子、こんなダラダラしてて本当に大丈夫かしら?」

本格的な夏休みに入り、不安や焦りを抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。

夏休み、ただ勉強時間を増やせば成績が伸びるわけではありません。
むしろ、計画の立て方や親の関わり方を間違えると、秋以降にバテてしまったり、勉強嫌いになってしまうリスクが高まります。

では、どのような意識で夏休みに臨めば、秋以降にぐんぐん成績を伸ばすことができるのでしょうか?
今回は、私が考える夏休みの上手な過ごし方を、小学4年生・5年生・6年生の学年別にまとめてみました。

着実に成果を出すためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

全学年共通 夏休み成功の3大原則

学年別の具体的なアドバイスに入る前に、まずは全学年の保護者の方に知っておいていただきたい「夏休み成功の3大原則」についてお話しします。

生活リズムと「睡眠時間」を徹底死守する

「夏休みだから夜遅くまで勉強させる」は絶対にNGです。
小学生の脳が正常に働き、日中学んだ知識を記憶として定着させるためには、毎日8〜9時間の睡眠が必要です。

夏休み中も、学校がある時期と同じ時間に起き、同じ時間に寝る。
この規則正しい生活リズムこそが、集中力を維持する最大の土台となります。

「100%詰め込んだスケジュール」は作らない

夏休みの計画倒れの最大の原因は、「空白のないスケジュール」です。
急な体調不良や予期せぬ解き直し時間の増加など、予定通りに進まないのがお子さんの勉強です。

・週に1回(または半日×2本)の「調整日(予備日)」を作る
・1日のスケジュール内に30分〜1時間の「フリータイム」を組み込む

このように「余白」を作っておくことで、遅れを取り戻すことができ、お子さんも挫折せずに計画を継続できます。

親は監視役ではなく、共感する伴走者でいることを心がける

「まだ勉強してないの?」「計画通りやりなさい!」という小言は、お子さんのやる気を削ぐだけです。

親の役割は、お子さんを監視・管理することではなく、「環境調整(静かな学習空間、栄養のある食事、体調管理)」と「メンタルサポート」です。
「今日はここまで頑張ったね」「ここ、難しかったのに諦めずに解けたね」と、結果だけでなくプロセスを認めて共感してあげてほしいのです。

【小学4年生】勉強を嫌いにさせない 体験と学習習慣を育む夏

4年生の夏休みは、本格的な中学受験生活に向けた「ウォーミングアップ」の時期です。
この時期に最も避けるべきは、過度な詰め込みによって「勉強=苦痛なもの」というネガティブな意識を植え付けてしまうことです。

【4年生の夏休みテーマ】
★規則正しい学習習慣の定着(毎日決まった時間に机に向かう)
★実体験を通した「生きている知識」の獲得
★算数の計算力・国語の漢字・語彙力の基盤づくり

塾の夏期講習との付き合い方

4年生の夏期講習は、日数も拘束時間もまだそれほど長くありません。
しかし、初めて本格的な夏期講習を経験するお子さんにとっては、これだけでも十分な負担となります。

塾の宿題をすべて完璧にやらせようとしないでください。
基本問題・標準問題を確実に理解させることを優先し、難解な発展問題でつまずいて勉強が嫌になるくらいなら、思い切ってパスしましょう。

「体感を伴う学び」を日常に組み込む

理科や社会の知識は大切なのですが、テキストの内容を実体験と結びつけることが、先々の得点力につながります。

夏休みは昆虫採集や星空観察、家族旅行や博物館・美術館・科学館巡り、料理やキャンプなど、夏にしかできない体験の宝庫です。

「これ、塾のテキストで見たことある!」という体験、または逆に塾で習ったときに「これ知ってる!」という気づきは、5・6年生になった時に知識を爆発的に吸収する強力な武器になります。

基礎トレのルーティン化

もしもまだ朝学習の習慣がついていないのなら、夏休みはそのチャンスです。
計算ドリルや漢字・語彙の練習は、朝の涼しい時間帯に15〜20分程度でサクッと終わらせる習慣作りに挑戦してみましょう。
「朝起きて、歯を磨いたら計算をやる」というレベルまで日常に組み込めると、秋以降の学習が格段に楽になります。

親の声かけ・サポートのコツ

4年生はまだまだ「大好きな親に褒められたい」という気持ちが強い時期です。
「今日も朝の計算、パパッと終わらせてかっこよかったね!」「この科学館で見たこと、夏期講習のテキストに出てくるかもしれないね!」といった、ワクワクするような声かけを意識しましょう。

【小学5年生】受験の天下分け目 苦手克服と選択・集中の夏

5年生の夏休みは、中学受験において「最大の山場(天下分け目)」と言っても過言ではありません。
塾の授業スピードが上がり、内容も一気に難しく、抽象度の高いものが多くなります(算数の割合、速さ、平面・立体図形など)。

塾のカリキュラムに追われて消化不良を起こしやすい時期だからこそ、「選択と集中」が真価を発揮します。

【5年生の夏休みテーマ】
★これまでに習った分野の「穴(苦手)」の発見と補強
★算数の最重要単元(割合・比・速さ・図形)の基礎固め
★自分なりの学習ペース・時間感覚を身につける

塾の講習テキストを間引く勇気を持つ

5年生の夏期講習テキストは、分厚く膨大な量になります。
真面目なお子さんや親御さんほど「全部やらなきゃ」と焦りがちですが、5年生の夏のテキストを全ページ完璧にこなせる子はほんの一部です。
無理に全問やろうとすると、解き方が雑になり、結局何も身につかない消化不良に陥りやすくなります。

テキストの「間引き」実践ステップ

まず、塾の授業で解いた問題を「○:次も絶対に解ける」「△:難しいがわかった」「✕:手も足も出ない(難問)」に分類する(できるだけ塾で解いたときに印をつけます)。
そして宿題の前にまず、「△」の問題を解き直すのです。

「○」はサラッと確認する程度に留め、「✕」は最難関校を目指す場合を除き、一旦思い切って飛ばす。
解けるか解けないかギリギリの問題を丁寧におさらいすることこそが、最も効率良く学力を伸ばすコツです。

宿題を全部やる余裕がないときは、「△」の類題を中心に演習しましょう。

5年生のスケジュール管理

5年生からは、少しずつ「自分で時間をコントロールする感覚」をつけさせたい時期です。

ただし、親が一方的に作った時間割を押し付けるのではなく、「今日は塾の宿題がこれくらいあるから、何時から何時の予定でやる?」とお子さん自身に意見を出させます。
そのうえで実行してみて、目論見通りに終わったならOK。
時間が足りないなど問題がでたら、時間を伸ばすか内容を取捨選択するか、再度相談しましょう。

このようにして、徐々に時間を上手に使う力をつけさせてあげてください。

親の声かけ・サポートのコツ

成績が伸び悩んでいる場合、お子さん自身も焦りやイライラを感じやすい時期です。
「なんでこんな問題も解けないの!」と叱るのは厳禁。
「5年生の夏はみんな難しいところで苦しむ時期だから大丈夫。まずはこの計算のやり方から、一つずつ確認してみようか」と、冷静かつ温かく寄り添う姿勢を見せてあげてください。

【小学6年生】天王山を制する 志望校からの逆算と基礎固めの夏

6年生の夏休みは、言わずと知れた「受験の天王山」です。

夏休みが終わると、すぐに志望校の過去問演習や志望校別特訓が本格化します。
秋からの実践演習にスムーズに入るため、夏休みは「全範囲の総復習」と「弱点の穴埋め」を完了させる最後のチャンスとなります。

【6年生の夏休みテーマ】
★全教科の基礎〜標準レベルの知識の「穴」を完全に塞ぐ
★志望校の出題傾向に合わせた優先順位での復習
★長時間集中できる体力と、諦めずに考える粘り強さの育成

塾のスケジュールに飲まれない「マイ穴埋めタイム」の確保

6年生の夏は、塾の夏期講習、テスト、志望校別特訓などでスケジュールがびっしり埋まります。
しかし、「塾の授業を受けて、出された宿題をこなすだけ」で夏が終わってしまうと、お子さん独自の弱点は放置されたままになってしまいますね。

1日1時間は「自分の弱点補強の時間」を確保しましょう。
塾の宿題を少し削ってでも、自分が苦手な単元をじっくり復習する時間を意識的に確保してください。

6年生の夏は、すべての単元を完璧にする時間」はありません。志望校の出題傾向から逆算した優先順位をつけましょう。

教科別 夏休みに重点を置くべきポイント

算数では難問に手を出す前に、一行問題(小問集合)や基本・標準レベルの解法を徹底的に定着させることを意識しましょう。
合否を分けるのは「難問が解けたか」ではなく「取るべきレベルの基本・標準問題で失点しなかったか」です(この「標準」のレベルはもちろん、志望校によって変わります)。

国語では語彙力の完成、文章中の記述根拠を素早く見つける「読解の型の定着」を目指しましょう。
理科では暗記分野(植物、人体、地学など)の隙間を埋め、苦手な計算分野があれば解法パターンをおさらいしておく必要があります。
社会では地理・歴史・政治分野それぞれの知識の抜け漏れを総チェック(メモリーチェックやコアプラス等の活用)しておきたいですね。

親のメンタルサポート〜不動の基地であれ〜

6年生の夏以降は、お子さん自身も大きなプレッシャーと闘っています。
模試の結果に一喜一憂し、不安からイライラしたり落ち込んだりすることも増えるでしょう。

ここで親が不安な顔を見せると、お子さんはその何倍も不安になります。
親はどっしりと構えて、お子さんの頑張りを認め、合格を信じる『不動の基地』でいてあげてください。

「こんなに夏がんばったんだから、秋からの過去問演習で成果が出てくるよ」「しっかり食べて、早く寝て、明日も元気に塾へ行こう!」と、お子さんの健康面とメンタル面を支えることに徹しましょう。

まとめ:家族で笑顔で秋を迎えるために

中学受験の夏休みは、お子さんにとっても親にとっても試練の連続かもしれませんね。
しかし大切なのは常に「お子さんの心と体の健康、そして学びへの意欲を守ること」です。

最後に、各学年のポイントをもう一度復習しておきましょう。

【4年生】詰め込みすぎず、実体験と毎日の基礎習慣で学びの楽しさを育む
【5年生】テキストをかしこく間引き、苦手単元に絞った「選択と集中」で穴を塞ぐ
【6年生】志望校から逆算し、基本・標準問題を確実に取る精度と強いメンタルを維持する

「うちの子、予定通り進んでいないかも…」と焦った時こそ、一度立ち止まってしっかり睡眠をとり、スケジュールに「余白」を作ってみてください。

保護者の方が笑顔でどっしり構えているご家庭ほど、秋以降、お子さんは見違えるように大きく成長していきます。

この夏休みが、ご家族にとって実り多き素晴らしい時間になることを心より応援しています。

【中学受験】夏休みに「旅行」に行くのはアリ?ナシ?

目次

夏休みの「旅行」「遠出」は悪なのか?
学年ごとの学習とのバランス
「旅行」や「遠出」はいつ・どんなところがオススメ?
受験生なら『テーマ旅行』を楽しもう!

7月に入り、夏休みまであとわずかになりました。

「中学受験の天王山」とも呼ばれる夏休み。
中学受験生の皆さんはそれぞれに夏期講習や個別指導の予定をしっかり組み、中には1日の学習ルーティンもバッチリ検討済み!という人もいるかもしれません。

さて、そんなやる気満々の受験生の皆さん・親御さんでも、やはりチラリと気になるのが、夏休みならではの「旅行」や「遠出」のイベントではないでしょうか。

夏休みの「旅行」「遠出」は悪なのか?

「勉強はもちろん重要だけれど、夏休みは家族みんなで遠出できる貴重な機会でもあるのよね……」
「受験生の僕だって、たまには思いっきり息抜きしたい!」

そんな思いが、誰しもあるものです。

果たして中学受験生にとって、「旅行」や「遠出」は敵であり、悪なのでしょうか?

「夏休みの半ばに旅行に行ったことで、後半は気持ちが浮ついてしまった」
「あの旅行での数日がなければ受かっていたのに」

……実は、そんな言葉は長年指導をしていて聞いたことがありません。

むしろ、最後に合格を勝ち取った生徒さんと当時を振り返っていると、

「実はあの時も、毎年行っている田舎の祖父母の家だけは行ったんです」
「日帰りだったけれど、皆で大きな花火を見に行ったのは楽しかったなぁ」

などと、旅行やちょっとした遠出の話がちらほら出てくるのです。

学年ごとの学習とのバランス

ただでさえ気力も体力も著しく消耗する真夏に、朝から晩まで夏期講習に通う受験生の日々は過酷なものです。
日々の勉強の合間にちょっとしたリラックスタイムを取り入れることはもちろん、時には思い切った息抜きも大切。

1日や2日、思い切ったリフレッシュを挟むことで、その後の日々を元気に乗り切れた、というのもよく聞く話です。

そこで、学年ごとに学習とのバランスを考えてみましょう。

◆4年生以下

まだ余裕のある時期。体験学習やリフレッシュのために、ぜひ旅行や遠出をしましょう。
お子さんが好きなものや漫画・本などの作品にまつわる場所もおすすめです。

◆5年生

ややタイトなスケジュールですが、短めの日程でぜひいきましょう。
社会勉強にも役立つ経験ができる目的地をチョイスするとなお良いですね。

◆6年生

塾の予習復習や宿題、過去問演習など決められた課題だけでも、日々が回らないほどの時期です。
余裕はないので、状況をよく鑑み、第三者にも相談しましょう。
日帰りで行けるイベントに参加したり、旅行なら1〜2泊程度にとどめておいたりすると、体力的にも無理がないでしょう。
ドッと疲れが出ないよう、行き慣れた田舎に行ったり、イベントならば短時間で終わる花火やお祭りに参加したりするのもおすすめです。

「旅行」や「遠出」はいつ・どんなところがオススメ?

少し長く日程が取れるのは、サピックスなど大手塾の場合、お盆休み(8月中旬の約5〜6日間)です。
塾の授業が一切無く学習が進まない期間なので、混んではいますがここがベストタイミングといえるでしょう。

ただし休み明けには復習テストがありますから、旅行の前にはお楽しみに向けて、少し集中して勉強できる準備を計画しましょう。

また、日帰りや一泊のみの旅行をする場合、サピックスなど大手塾であれば数日ある休講日を利用するのも一つの方法ですが、それらは本来、そこまでの講習内容の復習や、溜まってしまった課題を消化するための予備日のようなものなので、普段から日々の課題をその日のうちにしっかり終えられている場合のみ、日程の候補にするのが良いでしょう。

受験生なら『テーマ旅行』を楽しもう!

私がときどきお話ししているのは、中学受験を志す皆さんが旅行に行くのならば、ぜひとも「ただの旅行」ではなく、目的を持った『テーマ旅行』を楽しんで欲しいということです。

旅行先で「体験」として得た記憶(エピソードを伴った記憶)は、テキストでの暗記よりも強く定着します。
テキストで学ぶ地理や歴史の知識と、実際の体験を結びつける「エピソード記憶」は、受験にも大いに役立つことでしょう。

事前に行く場所やそこにあるもの(お城でも、特産物でも)についてよく調べ、明確なテーマや確かめたいことを持って現地を訪れることで、忘れられないエピソード記憶として脳に定着しやすくなるので、ぜひ試してみてくださいね。

中学受験生の皆さんが学びと息抜きのバランスを上手に取り、心も身体も元気いっぱいな夏を過ごせるよう願っています。

【中学受験】夏を前に、あらためてテスト直しについて考えてみましょう(理科・社会編)

目次

【理科】「知識の抜け」か「問題文の読み落とし」かを見極める
【社会】点と点をつなげて「ストーリー(因果関係)」で覚え直す
親御さんは「一緒に原因を探るカウンセラー」に

あとひと月あまりで夏休みを迎える時期になってきました。

気温も湿度も高い日々が続いていますが、お子さん達は体調を崩さず過ごされているでしょうか。

前回は国語と算数のテスト直しについてお話ししましたが、今回は理科と社会についてお伝えしたいと思います。

【理科】「知識の抜け」か「問題文の読み落とし」かを見極める

理科のテスト直しは、問題の性質が「知識分野(生物・地学など)」なのか、それとも「計算・思考分野(力学・電流・化学計算など)」なのかによって、直しのやり方を明確に変える必要があります。

知識問題は「周辺知識」も巻き込んで覚え直す

暗記不足で間違えた問題は、その一問の答えだけを覚え直してもあまり意味がありません。

例えば「アブラナの花びらの数」を間違えたとしたら、塾のテキストやコアプラスなどの知識問題集に戻り、アブラナ科の植物の特徴(おしべの数や花の形など)、さらにどのような植物がアブラナ科のなかまか(ナズナやダイコンなど)、さらには合弁花と離弁花の違いまで、「周辺の表や図」をみながら視覚的に確認し直すのです。

点ではなく「面」で覚え直すことが、理科の知識を強固にするポイントです。

計算・思考問題は「リード文」の読み込みが命

理科の実験・観察などの問題で大きく失点する子の多くは、最初の長い説明文(リード文)を斜め読みしています。

理科の実験問題のヒントは、すべてリード文の中にある条件や、グラフの数値に隠されています。

間違った問題の直しをするときは、いきなり解説を読むのではなく、「問題文の中のどの条件を見落としていたから解けなかったのか」をお子さんに探させるようにするとよいでしょう。

「あ、ここに『温度を40℃に保ち』って書いてあったのを見落としてた!」と、自分で敗因に気づくことができれば、次のテストでは問題文を丁寧に読むようになります。

計算ミスであれば、算数と同様に式を立てるプロセスをノートに再現させましょう。

【社会】点と点をつなげて「ストーリー(因果関係)」で覚え直す

社会は「暗記教科だから、間違えた言葉を暗記カードに書いて覚え直せばいい」と思われがちですが、それは大きな間違いです。

近年の私立中学の入試問題では、単一の知識を問う一問一答的な問題は減っており、歴史の背景から考えさせる問題や地理のデータ読み取りが主流になっています。

歴史は「なぜ起きたか(原因)」と「どうなったか(結果)」

歴史のテスト直しでは、出来事の名称や年号だけでなく、必ずその「因果関係」を確認することが大切です。

例えば、「白河上皇が院政を始めた」という答えを間違えたなら、「なぜ院政を始める必要があったのか(藤原氏の摂関政治を抑えるため)」「その結果、社会はどう変わったのか(武士が中央に進出するきっかけになった)」というストーリーを、テキストの本文を読み返して確認します。

歴史は流れ(ストーリー)で頭に入っていなければ、形を変えて出題されたときにまた間違えてしまいます。

地理は「データ」と「理由」を結びつけ、資料集を横に置く

地理の雨温図や農産物・工業製品のグラフ問題で間違えたときは、単に「1位は高知県」と覚えるのではなく、「なぜ高知県でピーマンやナスの促成栽培が盛んなのか(黒潮の影響で温暖だから)」という「理由」まで戻って直します。

このとき、必ず地図帳や資料集を横に置いて、実際の場所や地形を視覚的に確認しながら直す習慣をつけてください。

「あ、やませ吹くからこの地域は冷害に強い作物を育てているんだな」と、視覚と論理を結びつける習慣をつけさせましょう。

このひと手間を惜しまない子が、秋以降に社会で圧倒的な強さを発揮します。

親御さんは「一緒に原因を探るカウンセラー」に

4教科すべてのテスト直しに共通して言えるのは、「習慣化するまでは、子どもに一人でやらせず親がかかわる」ということです。

子どもにとって、自分のバツと向き合うテスト直しはあまり乗り気なものではありません。

親御さんは、採点官ではなく「一緒に原因を探るカウンセラー」になってあげてください。

「どこで勘違いしたのかな?」「この問題、本当は解けたんじゃない?」といった声かけ、また取捨選択を手伝ってあげるなどの温かいサポートが、お子さんの「次こそは!」というモチベーションになります。

夏への準備、少しずつ進めていきましょう。

【中学受験】夏を前に、あらためてテスト直しについて考えてみましょう(算数・国語編)

目次

【算数】「ミスの原因」を3つに仕分けし、次への具体的行動を決める
【国語】「なんとなく」を排除し、本文と選択肢の「根拠」を突き合わせる

みなさんは、お子さんのテストが返ってきたとき、みなさんはまずどこを見ますか?
点数や偏差値、順位はもちろん気になりますね。

もちろん大事なのは点数や偏差値だけでなくその内容ですから、いっしょに見直しているという方も多いと思います。

そこで今回から2回、4教科それぞれの具体的なテスト直しのポイントを、あらためてお伝えしたいと思います。

今回は算数と国語編です。

【算数】「ミスの原因」を3つに仕分けし、次への具体的行動を決める

算数のテスト直しで最もやってはいけないのは、「解説を読んで納得し、式をノートに写して終わり」にすることです。
これでは「分かった気」になっただけで、次に同じ問題が出たときにまた解けません。

算数で大切なのは、「なぜ間違えたのか」の原因を徹底的にあぶり出すことです。

まずは、間違えた問題を次の3つのパターンに仕分けましょう。

・パターン①:計算ミスや問題文の条件の読み落とし(ケアレスミス)
・パターン②:途中で解き方が分からなくなった(知識・定着の不足)
・パターン③:問題の意味すら全く分からなかった(難問・思考力不足)

親御さんが「またケアレスミスして!」と怒ってもミスは減りません。
ミスをなくすには、「次はどんな行動をするか」という具体的なルールを決めることです。

たとえば

「問題文の『1人に5個ずつ配ると3個余る』といった条件に必ず丸をつける」
「式は2行にまとめず、1行ずつ丁寧に書く」
「ひっ算は問題用紙の余白や計算スペースに大きく書く」

といった行動ルールを、お子さん自身に決めさせるのです。

パターン②のように途中で手が止まってしまった問題は、根本的な理解が不足しています。
解説を読んで「あぁ、そうか」で終わらせず、塾のテキストの該当単元に戻り、基本問題や数値替えの類題をもう一度解き直すことが必要ですね。
「解き方のプロセス」を自分の言葉で説明できるようになるまで落とし込むことが、算数の正しいテスト直しです。

パターン③の難問は、今の段階では「バッサリ捨てる」という勇気も必要です。

【国語】「なんとなく」を排除し、本文と選択肢の「根拠」を突き合わせる

国語のテスト直しで、「間違えた記号の横に、赤ペンで正しい記号の『ウ』とだけ書いて終わり」にしているケースを本当によく見かけます。
これではテスト直しではなく、ただの「作業」になってしまいます。

国語のテスト直しとは、解答に至るまでの「思考の軌道修正」をすることなんですね。

国語が得意ではない子の多くは、選択肢を「なんとなくの雰囲気」で選んでいます。

テスト直しでは、正しい消去法を実行するようにしましょう。

自分が選んで間違えた選択肢と正解の選択肢の文だけでなく、すべての選択肢に関して、読点(、)ごとにスラッシュ(/)で2〜3のパーツに区切ってみましょう。
そして、「このパーツは本文の〇行目と一致するからマル」「このパーツは本文の内容に合致していないからバツ」というように、本文の記述と1対1で突き合わせる作業をします。

大事なのは「本文にそのままの表現で書かれていないからバツ」ではなく「本文の内容に合致していないからバツ」ということです。
難しい問題になるほど「同じ意味だが本文とは別の言葉で表現されている」といったことが多くなるのは言うまでもありません。

記述問題でバツや減点になった問題については、模範解答を丸写ししてもあまり効果はありません。
塾の解説に載っている「部分点の基準(要素)」を確認しましょう。

「原因の記述で2点」「心情の記述で3点」というように、記述は要素の組み合わせです。お子さんの答案と見比べて、「どの要素が足りなかったのか」、そして「その要素は本文のどこに隠れていたのか」を引き算のように確認していく。
この地道な作業が、国語の記述力を確実に引き上げます。

いかがでしょうか。

テスト直しをお子さん任せにしているというご家庭は特に、親御さんが協力してあげることでテスト直しがぐんと成績を押し上げるケースが多いので、ぜひ参考にしていただければと思います。

次回は理科・社会について考えてみたいと思います。

【中学受験】夏を制するものは⋯

目次

【4年生】「塾のある生活」を軌道に乗せ、学習の「型」を作る
【5年生】中学受験の「正念場」。未消化を作らない仕組みづくり
【6年生】天王山を迎える前の「弱点あぶり出し」と「基礎の総総ざらい」

まるで夏のような気温の日が続いています。

からだがまだ暑さに慣れていないこの時期、お子さんは体調を崩していないでしょうか。

5月下旬から夏休み前までのこの時期、実は中学受験の合否を分けると言っても過言ではない、非常に重要な「仕込みの時期」なんです。

新学年のバタバタが少し落ち着いた一方で、梅雨のジメジメや夏の暑さで子どもの集中力が切れやすくなる。ここでどう過ごすかで、夏期講習の成果、ひいては秋以降の伸びがまったく変わってきます。

今回は、4年生、5年生、6年生のそれぞれのステージに合わせて、今やるべきこと、親御さんが心掛けるべきポイントを、具体的にお話しします。

【4年生】「塾のある生活」を軌道に乗せ、学習の「型」を作る

4年生の皆さん、そして親御さん。2月から始まった塾の生活にはもう慣れましたか?
学校の宿題に加えて塾の宿題がドサッと降ってきて、最初は本当に大変だったと思います。
この5月下旬から夏休み前までのテーマは、「我が家なりの学習リズムの確立」と「丁寧な学習の型作り」です。

4年生のこの時期は、まだ学習内容自体の難易度はそれほど高くありません。だからこそ、「内容の理解」よりも「勉強のやり方」に目を向けてほしいのです。

スケジュールを「見える化」する

まずやっていただきたいのは、1週間のスケジュールの固定化です。
「火曜日の17時〜18時は算数の宿題」「木曜日は国語の音読」というように、いつ・何をやるかは決まっているでしょうか。

もしもまだなら、お子さんと一緒に決めてホワイトボードなどに書き出してみましょう。
4年生の段階で「言われなくても、この時間だから机に向かう」というリズムができれば、この先の受験生活が本当に楽になります。

「解き直しの型」を身につける

そしてもう一つ大事なのが、宿題やテストへの取り組み方です。
丸付けをして、間違えた問題はどうしているでしょうか。
「答えを赤ペンで写して終わり」にしていませんか?

4年生のうちに身につけてほしいのは、「なぜ間違えたのか」を自分で考える習慣です。

・計算ミス
・問題の読み落とし
・やり方が分からなかった

など、原因を特定する習慣をつけることが大切です。

親御さんは「お、惜しかったね。どこで勘違いしちゃったかな?」といったトーンで、一緒に謎解きをするように声をかけてあげてください。
ノートに式を丁寧に書く、図を大きく描く、といった基本的な「作業」をサボらないように見守ることも、この時期の親御さんの大切な役目です。

夏の講習会は、4年生にとっては初めての長丁場になります。そこに向けて、まずは「生活のリズム」と「ノートを丁寧に書く習慣」という強力な武器を、この1〜2ヶ月でしっかり身につけていきましょう。

【5年生】中学受験の「正念場」。未消化を作らない仕組みづくり

5年生の皆さん。毎日の塾、本当にしんどくなってきていませんか?それもそのはず、5年生のカリキュラムは、中学受験の3年間の中で、最も難度が高い「山場」を迎えているからです。
算数で言えば割合や比、速さ、平面図形。理科や社会も暗記だけでなく、論理的な思考が必要な単元が目白押しです。

この5月下旬から夏前にかけて、多くの受験生が「塾のスピードについていけない」「宿題が終わりきらない」という壁に当たります。
ここで絶対にやってはいけないのは、終わらない宿題をただこなすために、答えを写したり、夜おそくまで勉強したりすることです。

「引き算」の視点を持つ

今、親御さんに求められるのは、宿題の「取捨選択(間引き)」です。
塾から出された宿題をすべて完璧にこなそうとすると、子どもは潰れてしまいます。

例えば算数なら、基本問題と練習問題のステップ1までは確実にやり、難問(応用問題)はあえて手をつけない。
まずは「基本を確実に定着させること」を最優先にしてください。塾の先生に「うちの子は今、どの問題を優先すべきですか?」と相談するのも大いにアリです。

「わからない」を夏休みに持ち越さない

5年生の夏期講習は、ものすごいスピードでこれまでの復習と新しい単元の学習が進みます。
もし、この5月・6月の段階で「割合がさっぱり分からない」「歴史の流れがつかめない」といった大きな穴が開いたまま夏に突入すると、夏期講習の授業が右から左へ聞き流すだけの「お客様状態」になりかねません。

毎月のマンスリーテストや公開模試の結果を見て、偏差値に一喜一憂するのではなく、「どの単元に穴が空いているか」のチェックリストを作ることが重要です。
そして、週末の少し空いた時間などを利用して、その穴を1つずつ埋めていく。

5年生のこの時期は、「攻め」の勉強よりも、取りこぼしを作らない「守り」の勉強、つまりメンテナンスが何より重要になってきます。
一歩一歩、着実に進んでいきましょう。

【6年生】天王山を迎える前の「弱点あぶり出し」と「基礎の総総ざらい」

6年生の皆さん。いよいよ受験学年としての緊張感が高まってきたことと思います。

よく「夏は受験の天王山」と言われますが、プロの目から言わせれば、「夏休みを制する者は、5月・6月に正しい準備をした者」です。
夏休みが始まってから「さあ、何をやろうか」と考えているようでは、完全に手遅れです。

夏休みに入ると、朝から晩まで塾の授業や膨大な宿題に追われ、自習の時間、つまり「自分の弱点をじっくり補強する時間」は驚くほど取れなくなります。
ですから、この5月下旬から7月上旬までの期間こそが、自分の意志で弱点を克服できる「最後のチャンス」だと考えてください。

模試を「弱点発見器」として使い倒す

この時期、サピックスオープンや志望校判定模試など、重要なテストが続きますね。
結果の点数や判定を見て、一喜一憂して落ち込んでいる時間はありません。
模試は「今の自分に足りないものを教えてくれる宝の地図」です。

算数であれば、正答率が50%以上なのに自分が落としてしまった問題を徹底的に洗い出しましょう。
それが、夏までに絶対に修復しなければならない「壁のひび割れ」です。

分野別に「時計算」「図形の転がり」「立体図形の切断」など、自分の弱点をノートにリストアップし、塾のテキストの該当ページに戻って解き直しましょう。

基礎知識の「完全自動化」を目指す

理科の知識事項や社会の地理・歴史、国語の漢字や語彙、算数の特殊算の基本公式。
これらは、夏休み前までに「見れば1秒で脳内から引き出せるレベル(完全自動化)」にしておく必要があります。

夏以降は、これらの知識を使って「どう記述するか」「どう応用するか」という過去問演習に入ります。
前提となる知識がグラグラしていては、過去問と戦うことはできません。

親御さんには、お子さんに明るい見通しを感じさせる声かけ、そして「体調管理」と「環境作り」をお願いしたいと思います。

「この5月・6月で基礎の穴を埋めきれば、夏休みに一気に化けることができる」。その希望を持って、親子でこの踏ん張りどころを駆け抜けていきましょう。

応援しています!

【中学受験】G.W.は読書もしよう!〜本屋大賞2026発表〜

目次

中学入試の国語は、新刊に注目!
「本屋大賞」をチェックしよう
近年の受賞作はどんな作品?

時おり、初夏を思わせる陽気の日も増えてきましたね。

4月は合同説明会シーズン

さて、中学入試の国語では、過去1年間で話題になった作品がよく扱われるのをご存知ですか?

もちろん宮沢賢治や太宰治、武者小路実篤など古い作家の作品も扱われますが、多くの入試で新作・新刊本が好まれるのには理由があります。

それは、中学受験生がテキストやテストで出会って学習済みではない「初見」の文章の方が、その実力をしっかり測ることが出来るからです。

皆さんも国語のテストやテキストにおいて、そこに出題された作品が既読であるかないかで、読解スピードや理解度がまるで変わる経験をしたことがないでしょうか。

さらに、塾の授業内で扱った題材ともなると、その講義を受けた人にとっては、題材のテーマや会話内容についてもすでに深く掘り下げられ、噛み砕いた解説まで受けたことのある文章、ということになってしまいます。

そこで、入試では出来るだけ多くの生徒が初見である(もしくは塾で学習済みでない可能性が高い)作品を選び、平等・正確に生徒を評価しようというわけです。

もちろん塾側もそれを踏まえて、名作と呼ばれる過去の作品をしっかり押さえつつ毎年新作をテキストやテストで扱うようにしています。
しかし、それらの作成にはある程度の時間を要するため、予想問題や対策がその年度の入試に間に合わないこともしばしばです。

そこで、中学受験生の皆さんにはぜひ、今月末に迫るG.W.や夏休みなど、時間が取れるタイミングに本屋へ足を運び、話題の新刊をチェックしてみて欲しいのです。

特におすすめしたいのは、皆さんと同じ10代の少年少女が主人公の小説や、皆さん〜高校生くらいの世代に向けて書かれた論説文などです。
それらは読みやすい上にテストに大変よく出るので、ぜひ参考にしてくださいね。

「本屋大賞」をチェックしよう

「話題の新刊」と言いましたが、具体的な探し方としてはAmazonなどでランキングをチェックしても良いですし、本屋で平積みになっているものを確認したり、各賞を受賞した作品を手に取ってみたりすると良いでしょう。

ちなみに4月9日には、書店員が売りたい本を選出する『本屋大賞2026』の発表がありました。
2004年に始まったこちらの文学賞は幅広い層に支持されており、受賞作はほとんどと言っていいほど映像化され、ますます注目されています。

本屋大賞の確定よりも中学受験で扱われるタイミングの方が早いことも多く、これらの作品が必ずしも次の入試にドシドシ出るということではありません。

しかし、これらの作品により話題になった作家の別の作品が入試に出題されることは実に多いので、ぜひとも以下の作品群や、それらの作家の別作品をいくつか読んでみてもらえたらと思います。

近年の受賞作はどんな作品?

ここで参考までに、ここ3年の受賞作をご紹介します。
◎本屋大賞2026
第一位(大賞)
『イン・ザ・メガチャーチ』
朝井リョウ

*あらすじ
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側。世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。

◎本屋大賞2025
第一位(大賞)
『カフネ』
阿部暁子

*あらすじ
法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていたが、弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことになった。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつなの二人の距離は、食べることを通じて次第に縮まっていく。

◎本屋大賞2024
第一位(大賞)
『成瀬は天下を取りにいく』
宮島未奈

*あらすじ
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。

──以上、気になるものはありましたか?

各塾のG.W.講習は、その先に待ち受ける夏期講習よりも授業や課題のボリュームが比較的少なめです。
ぜひこの機会を利用して読書も大いに楽しみ、読む力をメキメキと育てていただけたら嬉しいです。

中学受験生の皆さんが心も身体も健やかに、充実した日々を過ごせるよう願っています。

【中学受験】合同説明会に足を運ぼう!

目次

4月は合同説明会シーズン
短時間で得られる情報量が多いのがメリット

ここ数日は、雨が降って肌寒かったり、20℃を超える晴れの日があったりと、天気が短期間で驚くほど変わっていますね。

朝晩の温度差も大きいので、中学受験生の皆さんは体調管理によく気をつけてくださいね。

具体的には、薄手のものを重ね着する調節しやすい服装や、こまめな水分補給、十分な睡眠を意識しながら過ごすと良いと思います。

4月は合同説明会シーズン

さて、多くの中学校では新入生の入学式を終え、早くも2027年度入試に関する告知や説明会がスタートしています。

この時期から、都内を中心に全国で学校説明会や合同イベントが次々開催されていくので、中学受験生の皆さんはぜひ足を運んでみてくださいね。

例えば、今年の4月は以下の進学相談会・合同学校説明会が予定されています。

みらい子ども進学フェア(池袋会場)


2026年4月12日開催|学校説明会・進学相談会
立教大学池袋キャンパス「5号館」 [東京都豊島区]

みらい子ども進学フェア(御茶ノ水会場)


2026年4月19日開催|学校説明会・進学相談会
TKPガーデンシティ御茶ノ水 [東京都千代田区]

夢限大 | 私立中高一貫教育 私立中学合同相談会


2026年4月19日開催|学校説明会・進学相談会
立正大学 品川キャンパス 9号館 [東京都品川区]

子どもまなびフェスタ in 渋谷


2026年4月25日開催|学校説明会・進学相談会
ベルサール渋谷ガーデン [東京都渋谷区]

私立中学入試 春一番!合同相談会


2026年4月26日開催|学校説明会・進学相談会
ホテルエミシア東京立川 [東京都立川市]

女子校アンサンブル私立中学・合同説明会


2026年4月29日開催|学校説明会・進学相談会
山脇学園中学校 [東京都港区]

みらい子ども進学フェア(錦糸町会場)


2026年4月29日開催|学校説明会・進学相談会
すみだ産業会館 [東京都墨田区]

進学フェア 2026 春


2026年4月29日開催|学校説明会・進学相談会
練馬区立区民・産業プラザ ココネリホール [東京都練馬区]

神奈川私立中学展


2026年4月29日開催|学校説明会・進学相談会
パシフィコ横浜 [神奈川県横浜市西区]

埼玉西部私立中高一貫13校フェスタ


2026年4月29日開催|学校説明会・進学相談会
ウェスタ川越 [埼玉県川越市]

以上、直近で開催予定のイベントをあげてみましたが、興味が湧いたものはありましたか?
ぜひ、それぞれの公式ページで最新情報・詳細をチェックしてみてくださいね。

予約が必要となるものもあるので、気になるものがあれば、ぜひ早めに具体的な情報を確認しましょう。

特に、コロナ禍から中止となった『女子校アンサンブル』は、2022年の再開以降、毎年とても人気があります。
去年もすぐに満員になってしまったので気をつけてくださいね。

短時間で得られる情報量が多いのがメリット

一つの学校についてじっくり知り、感じることができる単独の説明会ももちろん良いものですが、まだ志望校や併願校が絞りきれていない段階では、短時間でたくさんの学校の情報が手に入る合同説明会もおすすめです。

それぞれの学校の良さや生徒さんたちの雰囲気に触れて、自分にはどの学校が合いそうか、どこの学校の紹介内容や校長先生のお話に興味を惹かれたかなど、イベント後はぜひご家族で話し合ってみてくださいね。

各学校のブースをたくさん回ると意外と体力も使うので、前日はよく寝て、当日個別相談を依頼する学校の優先順位や回る順序をよく考えておくと良いですよ。

中学受験生の皆さんが、イベントを通じて憧れや目標となる素敵な学校と出逢えることを心から願っています。

【中学受験】夏までにできる苦手克服勉強法とは

目次

欲張らず、基本問題だけに絞り込む勇気
15分の接触を積み上げる〜ハードルを下げて身につける習慣術
「管理者の顔」を徹底する〜教えないことが合格への近道

新学年がスタートして数ヶ月、いよいよ4月から夏休み前までの「少し長い距離のランニングのスタート位置」に立っていますね。
この時期、特にお父様・お母様を悩ませるのが、学習スタイルが固まっていない科目や、これまで後回しにしてきた、未消化部分が多い、つまり苦手科目の学習ではないでしょうか。

「周りの子はもうあんなに解けているのに」
「夏休みまでに追いつかないと手遅れになる」

そんな焦りを感じる方も多いかもしれませんが、ここではひとつ視点を変えてみましょう。

今回は、私が提言する、夏休み前までの苦手科目の学習ポイントを、3つの柱でお話ししたいと思います。

欲張らず、基本問題だけに絞り込む勇気

まず心得ていただきたいのは、「全部やろうとすると、何もやらないのとあまり変わらない結果になることが多い」ということです。

苦手科目に着手するとき、真面目な親御さんほど、塾のテキストを1ページ目から完璧にこなそうとします。しかし、塾のテキストというのは、御三家を狙う子、中堅校などを目指す子など、あらゆる層をカバーするように作られています。中には、今の段階では誰も解く必要のない「捨て問」も混ざっているのです。

「基礎の骨組み」だけを作る

苦手科目において、この時期に目指すべきは、偏差値を上げることではありません。その科目(単元)の全体像、つまり骨組みを理解すること」です。

例えば、理科の電流が苦手なら、まずは複雑な回路図ではなく「直列と並列で何が違うのか」という根本原理だけを、徹底的に叩き込む。社会なら、細かい年号の暗記ではなく、「なぜこの時代にこの事件が起きたのか」という歴史の因果関係だけを追う。

親の仕事は「テキストにバツをつけること」

私はよく「親は教えなくていい、選別してください」と言います。
塾の課題の中で、テストで正答率が50%を超えるような基本問題だけに絞ってください。
応用問題には、思い切って大きく×印をつけて「今はやらなくていい」と宣言してあげる。

苦手な子に適切なレベルの問題に絞って掲載されている、市販のテキストを使用するのもよい方法です。

15分の接触を積み上げる〜ハードルを下げて身につける習慣術

苦手科目というのは、お子さんにとっては「知らない言語」を学んでいるようなものです。
一度に2時間勉強しても、翌日には8割忘れています。大切なのは「長さ」ではなく頻度です。

脳に「これは大事な情報なんだな」と思わせる戦略が必要です。

「スキマ時間」が最強の武器になる

苦手科目を乗り越える学習法として「15分1ユニット」の学習法はどうでしょう。
机に向かって「さあ、理科をやるぞ!」と気合を入れる必要はありません。

朝、学校に行く前の15分で用語を10個見る。
塾に行く前の15分で、前日解いた基本問題を1問だけ解き直す。
寝る前の15分で、知識の確認をする。

この合計45分は、週末にまとめて行う3時間の猛勉強よりも、ときには記憶に定着します。
特に苦手科目に対してはは、心理的な拒否反応が出やすいものです。

「15分だけがんばろう」という魔法の言葉で、学習のハードルを下げてあげましょう。

「解き直し」こそが学習の本質

新しい知識を入れることばかりに意識がいきがちですが、苦手科目こそ「一度やったことを完璧にする」のが近道です。

15分のスキマ時間を使って、これまでのテストで間違った問題(もちろん正答率が高いもの)をもう一度じっくり考え、解き直してみる。
4月から夏休み前までに、この「繰り返しのリズム」を作ることができた子が、夏休みの膨大な演習量に耐えられる「合格する体質」になれるのです。

「管理者の顔」を徹底する〜教えないことが合格への近道

最後にお伝えしたいのは、お父様・お母様の立ち位置です。

苦手科目を前にして親が教えようとすると、十中八九、喧嘩になります。
「なんでこんなこともわからないの!」「さっき教えたでしょ!」……この言葉が出たら、その日の学習は終了だと思ってください。
お子さんの脳はシャットダウンし、学習効果はゼロになります。

親御さんがやるべきことは、勉強を教えることではありません。
お子さんが、迷わず勉強に取り掛かれる環境を作ることです。

丸つけを代行する

苦手科目は自分で丸つけをすると時間がかかるし、間違えた問題の数が多いと嫌になります。
親御さんがサッと丸つけをし、「ここはできているね」「これは寝る前の15分でもう一回やってみようか。解説を読んでおいて」と交通整理をしてあげるだけで、お子さんのスピードは上がります。

スケジュールの見える化

たとえば、今日やるべきことを付箋に書き出し、終わったら剥がしていく。
この「達成感の演出」こそが、親御さんの腕の見せどころです。

「できた」という実感を少しずつでも与える

苦手科目は、お子さんにとって自信を失いやすい場所です。
だからこそ、親御さんは「小さな成長」を見逃さないでください。

「昨日より5分長く机に座れたね」
「計算のミスが1つ減ったね」

そんな些細なことでいいのです。4月から6月にかけて、お子さんに「自分はこの科目もやればできるんだ」という小さな経験をたくさんさせてあげてください。
そのポジティブな経験が、夏休みのを乗り越える最大の原動力になります。

ぜひ、4月から6月までの間に基礎という土台と、学習の習慣を完成させてあげてください。

苦手な食材も毎日食べ続けると、いつのまにか「おいしい」と思いながら食べている自分に気づくことがあるように、苦手科目も毎日コツコツ短時間ずつ続けていくと、抵抗なく取り組めるようになっていきます。

ぜひお子さんに、そんな経験をさせてあげてください。

もしもご家庭だけでうまくいかないなどありましたら、ご相談いただければと思います。

【中学受験】春休みに意識したい学習テーマとは

目次

新学年への助走としての春休み〜基礎の土台を徹底的に固め直す
算数と国語、「質」の学習への転換〜「なぜ?」を掘り下げる習慣をつける
親の「伴走者」としての在り方〜焦りを手放し、子どもの『やる気』を育てる

東京は今日にも桜が開花しそうです。

いよいよ春休みがやってきますね。

新6年生にとっては、文字通り「受験学年」としての本格的なスタートを切る時期ですし、新4年生や5年生にとっても、これまでの学習内容を一旦整理し、一歩上を目指すための絶好のチャンスです。

塾の春期講習が始まると、お父さん、お母さんの中には「もっとやらせなくては」「ここで遅れたら取り返しがつかない」と、焦りや不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。

前回は「春期講習を受けるかどうか」というテーマでお話ししましたが、今回は、春期講習を受ける、受けないに関わらず「春休みの学習のポイント」について、3つのテーマで考えたいと思います。

新学年への助走としての春休み〜基礎の土台を徹底的に固め直す

中学受験のカリキュラムは、学年が上がるごとに加速度的に難しく、そして忙しくなります。
特に新6年生は、これから夏にかけて
①これまで習ってきたことの総復習
②これまでに積み残してきたことの補充
が重なり、息をつく暇もなくなります。

だからこそ、この春休みに絶対にやっておかなければならないのが、①の部分、つまり「基礎の穴埋め」です。
春休みの間に、できるだけ「5年生までに習った基礎に、一つも穴がない状態」にするのです。(これは新5年生でも同じです)

これができれば、春休み後にやるべきことは上記の①のみになりますね。

●「わかったつもり」が一番怖い

これまでのテストなどを振り返り、特に下記の分野、単元に不安がないかをチェックしておきましょう。

・算数:比、割合、速さ、平面図形の基礎
・国語:語彙力、そして文種ごとの基本的な読解法

もし、これらの基礎に少しでもグラつきがあるなら、春期講習のテキストの応用部分ではなく、基本概念の理解に注目してください。
基本問題や標準的な問題(典型題)を、「なぜそのように整理するのか」「なぜその図にまとめるのか」「なぜその式になるのか」を説明してもらいながら、解き直すのです。

この「急がば回れ」の姿勢が、夏以降の爆発的な伸びを生みます。

●計算と漢字は「全問正解」が当たり前

地味に思えるかもしれませんが、計算力と漢字・語彙力は、受験における「体力」です。
毎日コンスタントに計算や漢字の練習をする時間がとれていないなら、春休み中、毎日決まった時間に、決まった分量をこなすルーチンを確立しましょう。

ここでは、スピードよりも正確性を重視するとよいでしょう。
「10問中9問正解」ではいけません。
常に全問正解を目指す、その緊張感こそが、本番の1点を手繰り寄せる力になります。

算数と国語、「質」の学習への転換〜「なぜ?」を掘り下げる習慣をつける

一方で春休みは、勉強時間が増える分、どうしても「こなすだけ」の勉強になりがちです。
ノートを埋めることが目的になり、頭が動いていない状態では、どんなに机に向かっても偏差値は上がりません。

●算数は解法のプロセスを言葉にする

算数が苦手な子の多くは、問題文を読んですぐに式を書こうとします。
そうではなく、まずは「何が問われているのか」「図や表に整理するとどう見えるか」を考える時間を取るようアドバイスしてあげてください。

私がよくおすすめするのは「家庭内ミニ授業」と呼んでいる、親に対して説明をさせることです。
「この問題、お父さん(お母さん)にわかるように説明してくれる?」と促してみてください。

自分の言葉で論理を組み立て直すプロセスこそが、思考力を養います。
春休みのゆとりがある時期だからこそ、1問に対して時間をかけてもいい。
一つの問題を深く理解する経験が、ただたくさんの問題をこなすよりも価値を持つことがあります。

●国語は「本文の中に根拠を探す」を徹底

国語の成績が安定しない子は、自分の「感覚」や「主観」で選択肢を選んでいる傾向があります。
しかし、中学受験の国語は「宝探し」と同じで、答えの根拠は必ず本文の中にあります。

春期講習の読解演習では、答え合わせの際に「なぜそれが正解か」だけでなく、「本文のどこに、そのヒントが書かれていたか」に線を引いて考えるようアドバイスしてあげてください。
この「客観的に文章を読む」訓練を、腰を据えてできるのが春休みという期間です。

親の「伴走者」としての在り方〜焦りを手放し、子どもの『やる気』を育てる

最後に、最も重要なことは、お父さん、お母さんの心の持ちようです。

春休み、長い時間家でお子さんと向き合っていると、どうしても欠点やできていないことばかりがが目に付きます。
「まだ始めていないの?」
「また同じ間違いをして!」
など、ついつい目についたこと、気になったことを言いたくなるものです。

しかし、親の焦りは必ず子どもに伝染し、子どものモチベーションは下がります。

●タイムスケジュールは子どもと一緒に作る

親が一方的に決めたスケジュールは、子どもにとって「ノルマ」となってしまいます。
「この春休み、何を頑張りたい?」と対話し、子ども自身に計画を立てさせてはどうでしょう?

ポイントは、「休憩時間」を先に決めることです。
「この時間はゲームをしていい」
「この時間は外で遊ぶ」
という楽しみを先に確保し、そのために学習をどう組み込むかを相談する。

自分で決めたという意識が、自走する力を育てます。

●できたことを見つけて、具体的に褒める

中学受験の勉強を続けていると、ついつい忘れがちなのですが、実は毎日机に向かっていること自体、実はものすごく立派なことなんです。
「今日も計算をちゃんとやれたね。」
「この図の書き方、すごく分かりやすくなったじゃない!」
と、小さな変化を具体的に褒めてあげてください。

短いようで、工夫のしようによってはいろんなことができる春休み。

皆様のお子さんの学習が順調に進み、大きな成果が得られることを祈っています。