【中学受験】学ぶことが好きになる おうち学習を考える

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

机や椅子の高さ、照明に注意して勉強できる空間づくりをしよう
少しの工夫で気分転換
お母さんのお手伝いで賢くなる

私は、子どもには子ども部屋で学習させるよりも、リビング学習を推奨しています。

では、どんな環境を整えると、お子さんに学びの多い空間になるでしょうか。。

今回は、リビング学習で学ぶことが好きになるポイントや空間づくり、家庭学習のポイントについて考えてみたいと思います。

机や椅子の高さ、照明に注意して勉強できる空間づくりをしよう

勉強机も同じではありますが、リビング学習でも、机や椅子の高さをお子さんに合わせてあげる必要があります。
間違った姿勢を続けていると、学習の効率を下げてしまいます。

椅子の下に何かをしいたり、椅子にクッションを置いたり、足が宙ぶらりんにならないように踏み台をおいてあげたりと工夫が必要です。

姿勢が良くなると身体が疲れにくく、集中力の持続が期待できます。

正しい姿勢は呼吸がしやすく、イライラしたり眠くなりにくくなる利点もあるのです。

リビング学習をする際には、ぜひ姿勢が安定する机と椅子の高さを見直してあげてください。

姿勢と同じくらい大切なのが、照明です。
ご家庭によってはオシャレで落ち着いた明るさにしているというケースもありますが、勉強には適していません。
リラックスできる空間でありすぎると、勉強に集中しにくく眠たくなります。

勉強にオススメの照明あの色は昼光色です。
今ではボタン1つで様々な色に変えられるLED照明もありますから、勉強、食事、リラックスタイムと、用途に合わせて色を変えてもいいですね。

少しの工夫で気分転換

長時間、勉強に集中してくれるのは良いことですが、気分転換も必要です。
リビングの空気を入れ替えたり、温度を変えてみたりと少し変化をつけるだけでも気分転換になります。

変化がない空間に長い時間いると、身体感覚が育ちにくくなるだけでなく、精神的な疲れ方も変わってきます。

窓を開けて風を感じたり、空気を入れ替えたり、時には散歩に出かけたり、自然を感じながらの気分転換もいいですね。

また、リビングにはさまざまな学びポイントを作ってあげると、日常生活が学びにつながりやすくなります。

オススメのポイントは6つ。

1. 本棚に、家族みんなの色々な分野の本が乱雑にならんで、いつでも気になった時に手に取れるようにする。

2. 壁に子どもの書いた絵が飾られていて、家族の話題にあがったり、常に新しい作品を飾ることで、お子さんの自己肯定感を上げるだけでなく、表現力への興味を高める効果があります。

3. 世界地図や地球儀を、テレビの近くなどに飾って、テレビやニュースで見た国や場所をすぐに調べられるようにする。「この国に行ってみたい!」「世界は広いな」と、好奇心を高めます。

4. ホワイトボードを飾って、家族の予定を書き込んだり、子どもの勉強に活用してみましょう。子どもが習ってきた事を、お母さんが生徒になって、先生役のお子さんの授業を受けてみる事も、楽しみながら復習できる

5. ダイニングテーブルは広さもあり、生活音を感じたり、家族がいたりする中で学習することオススメしていますが、他の家族が使うこともある為、子どもの机をリビングに持ってきてもいいでしょう。

6. 水槽や飼育ケースを置いて生き物を飼うことは、情操教育の面でもとてもいいと思います。生物の体のしくみや生活を知ることができるだけでなく、命の大切さや飼うことの責任についても学び、感じることができます。

ぜひとり入れてみてください。

お母さんのお手伝いで賢くなる

キッチンにはお子さんにとってたくさんの学びがあります。

キッチンでは火や包丁を使うため、安全に気をつけることは大切ですが、お子さんをキッチンから遠ざけてしまっては勿体無いと思います。

今では子ども用包丁などもあるため、野菜や果物を実際に切らせてみるのもいいでしょう。
お母さんのお手伝いをさせることで、たくさんの発見や驚きを経験させられます。

お料理のお手伝いをする時、子どもは無意識にさまざまな単位を目にし、自然と学びにつながっていきます。
「お鍋に水を500ml入れてもらえるかな?」
「砂糖大さじ2杯」「鶏肉200g」など、意識せずたくさんの単位と関わっていることがわかります。
意識しなくても、日々の行動そのものが自然に学びになっているというのもいいですね。

火を使う料理のお手伝いは、小学生になってからがいいでしょう。もちろん安全のために親御さんと一緒の時に火を使うようにしてください。

きゅうりに塩をかけると水がでてきたり、りんごは切ってからレモン汁をかけないと色がみるみるうちに黒くなります。
さらに火を使うと、茹でたら卵が固まったり、炒めたら野菜はしんなりと、野菜やお肉、魚も様々に変化します。
なんとなく知っていたことも、実際に自分の手で触ったり目で見ることが大切なのです。
経験は何にも代え難い学習です。

近年の中学受験の入試でも、野菜や魚な断面図や、料理に関係する問題はたくさん出題されています。
身近な物事に興味、関心はあるのか、おうちでお手伝いをしているかを問われているような問題です。

料理は科学です。
お母さんと一緒に旬の野菜や果物、産地、値段を見ながら買い物したり、献立を考えたり…
下ごしらえのために野菜を切ったり洗ったり…
味付けをしたり煮込んだり…
完成するまでのそれぞれの過程には、すべて科学的な根拠があります。

料理は親子のコミュニケーションにも良いですね。学校の話や最近はまっていることなど、お母さんと仲良く楽しく話をするだけでもお子さんの心は満たされていきます。
心が満たされているお子さんは、安心して学べる状態にあります。

いつもは難しいかもしれませんが、たまには楽しく一緒にご飯を作ることもオススメです。

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