【中学受験】春休みに意識したい学習テーマとは

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

新学年への助走としての春休み〜基礎の土台を徹底的に固め直す
算数と国語、「質」の学習への転換〜「なぜ?」を掘り下げる習慣をつける
親の「伴走者」としての在り方〜焦りを手放し、子どもの『やる気』を育てる

東京は今日にも桜が開花しそうです。

いよいよ春休みがやってきますね。

新6年生にとっては、文字通り「受験学年」としての本格的なスタートを切る時期ですし、新4年生や5年生にとっても、これまでの学習内容を一旦整理し、一歩上を目指すための絶好のチャンスです。

塾の春期講習が始まると、お父さん、お母さんの中には「もっとやらせなくては」「ここで遅れたら取り返しがつかない」と、焦りや不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。

前回は「春期講習を受けるかどうか」というテーマでお話ししましたが、今回は、春期講習を受ける、受けないに関わらず「春休みの学習のポイント」について、3つのテーマで考えたいと思います。

新学年への助走としての春休み〜基礎の土台を徹底的に固め直す

中学受験のカリキュラムは、学年が上がるごとに加速度的に難しく、そして忙しくなります。
特に新6年生は、これから夏にかけて
①これまで習ってきたことの総復習
②これまでに積み残してきたことの補充
が重なり、息をつく暇もなくなります。

だからこそ、この春休みに絶対にやっておかなければならないのが、①の部分、つまり「基礎の穴埋め」です。
春休みの間に、できるだけ「5年生までに習った基礎に、一つも穴がない状態」にするのです。(これは新5年生でも同じです)

これができれば、春休み後にやるべきことは上記の①のみになりますね。

●「わかったつもり」が一番怖い

これまでのテストなどを振り返り、特に下記の分野、単元に不安がないかをチェックしておきましょう。

・算数:比、割合、速さ、平面図形の基礎
・国語:語彙力、そして文種ごとの基本的な読解法

もし、これらの基礎に少しでもグラつきがあるなら、春期講習のテキストの応用部分ではなく、基本概念の理解に注目してください。
基本問題や標準的な問題(典型題)を、「なぜそのように整理するのか」「なぜその図にまとめるのか」「なぜその式になるのか」を説明してもらいながら、解き直すのです。

この「急がば回れ」の姿勢が、夏以降の爆発的な伸びを生みます。

●計算と漢字は「全問正解」が当たり前

地味に思えるかもしれませんが、計算力と漢字・語彙力は、受験における「体力」です。
毎日コンスタントに計算や漢字の練習をする時間がとれていないなら、春休み中、毎日決まった時間に、決まった分量をこなすルーチンを確立しましょう。

ここでは、スピードよりも正確性を重視するとよいでしょう。
「10問中9問正解」ではいけません。
常に全問正解を目指す、その緊張感こそが、本番の1点を手繰り寄せる力になります。

算数と国語、「質」の学習への転換〜「なぜ?」を掘り下げる習慣をつける

一方で春休みは、勉強時間が増える分、どうしても「こなすだけ」の勉強になりがちです。
ノートを埋めることが目的になり、頭が動いていない状態では、どんなに机に向かっても偏差値は上がりません。

●算数は解法のプロセスを言葉にする

算数が苦手な子の多くは、問題文を読んですぐに式を書こうとします。
そうではなく、まずは「何が問われているのか」「図や表に整理するとどう見えるか」を考える時間を取るようアドバイスしてあげてください。

私がよくおすすめするのは「家庭内ミニ授業」と呼んでいる、親に対して説明をさせることです。
「この問題、お父さん(お母さん)にわかるように説明してくれる?」と促してみてください。

自分の言葉で論理を組み立て直すプロセスこそが、思考力を養います。
春休みのゆとりがある時期だからこそ、1問に対して時間をかけてもいい。
一つの問題を深く理解する経験が、ただたくさんの問題をこなすよりも価値を持つことがあります。

●国語は「本文の中に根拠を探す」を徹底

国語の成績が安定しない子は、自分の「感覚」や「主観」で選択肢を選んでいる傾向があります。
しかし、中学受験の国語は「宝探し」と同じで、答えの根拠は必ず本文の中にあります。

春期講習の読解演習では、答え合わせの際に「なぜそれが正解か」だけでなく、「本文のどこに、そのヒントが書かれていたか」に線を引いて考えるようアドバイスしてあげてください。
この「客観的に文章を読む」訓練を、腰を据えてできるのが春休みという期間です。

親の「伴走者」としての在り方〜焦りを手放し、子どもの『やる気』を育てる

最後に、最も重要なことは、お父さん、お母さんの心の持ちようです。

春休み、長い時間家でお子さんと向き合っていると、どうしても欠点やできていないことばかりがが目に付きます。
「まだ始めていないの?」
「また同じ間違いをして!」
など、ついつい目についたこと、気になったことを言いたくなるものです。

しかし、親の焦りは必ず子どもに伝染し、子どものモチベーションは下がります。

●タイムスケジュールは子どもと一緒に作る

親が一方的に決めたスケジュールは、子どもにとって「ノルマ」となってしまいます。
「この春休み、何を頑張りたい?」と対話し、子ども自身に計画を立てさせてはどうでしょう?

ポイントは、「休憩時間」を先に決めることです。
「この時間はゲームをしていい」
「この時間は外で遊ぶ」
という楽しみを先に確保し、そのために学習をどう組み込むかを相談する。

自分で決めたという意識が、自走する力を育てます。

●できたことを見つけて、具体的に褒める

中学受験の勉強を続けていると、ついつい忘れがちなのですが、実は毎日机に向かっていること自体、実はものすごく立派なことなんです。
「今日も計算をちゃんとやれたね。」
「この図の書き方、すごく分かりやすくなったじゃない!」
と、小さな変化を具体的に褒めてあげてください。

短いようで、工夫のしようによってはいろんなことができる春休み。

皆様のお子さんの学習が順調に進み、大きな成果が得られることを祈っています。

       

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