目次
6年秋〜を乗り切るポイント1 ここから先の学習の優先順位を整理しよう
6年秋〜を乗り切るポイント2 過去問演習を行う目的と演習方法を明確にしよう
6年秋〜を乗り切るポイント3 直前期における保護者のメンタル、声掛けのポイント
入試本番まで残り約4ヶ月となる9月は、小6の中学受験生とそのご家庭にとって最大のターニングポイントとなります。
前回もとりあげましたが、この時期からは、平常授業の復習や宿題、日曜特訓、合否判定テストといったこれまでの学習リズムに加え、いよいよ志望校の過去問演習が本格的にスタートします。
そのため、やるべき課題が山のように積み上がり、時間的にも精神的にも子どもたちが「暴殺」されてしまいやすい状況に陥ります。
課題に追われてスケジュールが詰め詰めになると、どの学習も表面上の手順だけを確認する雑な取り組みに終わってしまい、努力のわりに成果が出ないという最悪の状況を招きかねません。
ここで最も重要になるのが、何をやり何を捨てるかという「課題の死者選択(優先順位付け)」です。
6年秋〜を乗り切るポイント1 ここから先の学習の優先順位を整理しよう
まず意識すべきは、大手塾の平常授業や特訓授業、そして自宅での過去問演習の優先順位を整理することです。
もし志望校単独の冠コース(特定の1校に特化したコース)に通っている場合は、その日曜特訓の授業や復習を最優先に位置付け、次いで過去問演習、平常授業、土曜特訓という順番で学習を組み立てます。
一方で、複数の学校をまとめた複合コースや一般的な対策講座である場合は、塾の講座よりも「自宅での過去問演習」を最優先にし、次に平常授業、その下に日曜特訓や土曜特訓を置くという思い切った切り替えが必要です。
平常授業に関しては、家庭に持ち帰ってから長い時間をかけて復習するのではなく、「授業内完結」を目指す意識が不可欠です。
授業中に集中して講師の説明を聞き、自分の知識の抜けやあやふやな部分をその場で発見して覚えきるという姿勢で臨み、持ち帰る課題の量を最小限に抑える工夫をしましょう。
過去問演習のためのまとまった時間がどうしても捻出できない場合は、土曜特訓の受講を取りやめたり、時には平常授業を休んで自宅で過去問演習に集中させたりするといった英断も視野に入れる必要があります。
限られた時間の中で最大の学習効果を生み出すためには、すべてを完璧にこなそうとするのではなく、志望校合格に直結する過去問演習と重要課題だけに絞り込んで取り組むという戦略的な割り切りが何よりも大切なのです。
次に、志望校の過去問演習における具体的な進め方と、得点力を飛躍的に高めるためのやり直しの技術について見ていきましょう。
6年秋〜を乗り切るポイント2 過去問演習を行う目的と演習方法を明確にしよう
過去問演習を行う最大の目的は、単に点数を算出して一喜一憂することではなく、志望校の出題傾向や特有の出題形式に慣れ、本番で合格点を勝ち取るための実戦力を養うことにあります。
第1志望校の過去問については、一般的な過去問題集(いわゆる声の教育社の5年分本など)に掲載されている5年分程度を基本とし、傾向が長年変わっていない学校であれば10年分から20年分に遡って取り組むことも効果的です。
また、過去問は一度解いて終わりにせず、約1ヶ月の間隔を空けて「2回解く」ことを前提としたスケジュールを組むことが重要になります。
解く際には、市販の書籍をそのまま見ながら解かせるのではなく、四谷大塚HPの「過去問データベース」などから本番の試験用紙や解答用紙をダウンロード・拡大コピーして使用することで、余白の広さや1行の文字数、問題の配置など本番特有の雰囲気に慣れさせることができます。
そして、過去問演習において合格の成否を分けるのが「やり直しの質」です。
入試における目標点は決して満点ではなく、多くの学校で合格者平均点は約7割、合格ボーダーラインは約6割前後に設定されています。
つまり、100点満点の試験であれば25点から30点分は間違えても合格できる計算になりますから、解けなかった問題全てをやり直す必要はありません。
過去問を解いた後は、解く必要のなかった超難問(バツ印の問題)は思い切って捨て、合格者平均点に届くために正解すべきだった「あと一歩で解けた問題(三角印の問題)」だけをピックアップして復習させましょう。
やり直しの際には、解説を読んだだけで理解した気になって終わらせるのが一番危険です。
解説をしっかり読んだ後は、必ず解説ページを閉じ、自分の手と頭を使ってノートに解き直すプロセスを徹底させてください。
模範解答や解法の手順を丸暗記するような形だけのやり直しでは、2回目に同じ問題を解いた際にも点数は上がりません。
なぜ間違えたのか、
計算の字が乱雑で読み間違えたのか
基礎的な単位換算を忘れていたのか
といった「失点となった根本原因」を親子で特定し、その原因を解消するための具体的な練習を重ねることこそが、過去問演習を合格へと繋げる唯一の道なのです。
6年秋〜を乗り切るポイント3 直前期における保護者のメンタル、声掛けのポイント
最後に、9月以降に本格化する合否判定テストや外部模試の捉え方と、直前期を迎える保護者の皆様のメンタル管理・声かけのポイントについて解説します。
9月から12月にかけて開催される合否判定テストでは、合格可能性のパーセンテージという数字が突きつけられ、保護者の方はどうしてもその結果に心が揺さぶられてしまいがちです。
しかし、合否判定テストは1本の共通テストで基礎クラスから最上位クラスまでを測定するため、志望校の難易度やお子さんの学力レベルによって見るべきポイントが全く異なります。
判定結果のパーセンテージそのものに過剰反応するのではなく、「本番前に自分の弱点が見つかって本当に良かった」というプラスの発想で受け止めることが大切です。
合否判定テストの振り返りも、過去問と同様に、正解すべきレベルの問題でなぜ間違えたのかという原因を探り、問題文の読み落としや落ち着きのなさからくるミスを防ぐ練習の機会として活用しましょう。
また、志望校の出題傾向に合わせた多流試合として他塾の公開模試を受けたり、午前と午後の連続受験に対する体力的な適性を確認するために模試を活用したりすることも有効な戦略となります。
そして、この時期に最も注意しなければならないのが、保護者の皆様の不安や焦りがお子さんに伝染してしまうことです。
入試まで残り4ヶ月となると親の表情や発言に焦りが表れやすく、
「そんな勉強のやり方では合格できないよ」
「今頃こんな基本問題も解けないの?」
といった否定的な言葉(NGワード)を投げかけてしまいがちですが、これは子どもの自信を喪失させ、精神的な不安定を招くだけです。
入試本番まで子どもたちは知識を忘れ続けますし、模試や過去問で課題が見つかるのは当然のことです。
テストへ送り出す際には「今日までしっかり勉強してきたから大丈夫」「いきなり焦って解くのではなく、まずは大問1の計算問題を落ち着いて丁寧にやろうね」といった具体的に安心感を与える声をかけてあげてください。
たくさんの解答欄を埋めようとして焦りから字が雑になったり空回りしたりしている場合は、「全部埋めなくても大丈夫だから、解ける問題を丁寧にやろう」と気持ちをなだめてあげることも必要です。
「今からでも十分に間に合う」
「正しくやり直せば必ず点数は伸びる」
というポジティブなメッセージを伝え続け、お子さんが落ち着いて実力を発揮できるよう、ご家庭が温かく確実な支えとなってあげましょう。
直前期に向け、お子さんの学習が充実したものになることを祈っています。
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