目次
サピックスが夏期入室テスト日程を発表
転塾のタイミングとリミットは
成績不振のたびに転塾するのはNG
「転塾先でうまくいく」イメージを
5月下旬になり、新年度の塾通いもあっという間に3ヶ月が経ちました。
中学受験生の皆さんは新学年の生活リズムにもすっかり慣れ、そろそろ一度、落ち着いて学習状況を振り返ってみるのにちょうどいい時期だと思います。
サピックスが夏期入室テスト日程を発表
先日、小学校1年〜5年生を対象としたSAPIX(サピックス)夏期入室テストの申込受付が5月19日am10時に開始されることが発表されました。
サピの夏期講習の受講希望者は受験必須で、費用は3,300円、日程は2025年6月8日、首都圏・関西圏の各校舎で開催されます。
(※テストの結果が入室基準に達した場合、保護者対象の入室オリエンテーションを経て、入室希望校舎にて手続き可。入室時期は1~3年生と5年生は夏期講習または6月下旬、4年生は夏期講習または7月上旬から選択可。6年生は同日実施の「志望校判定サピックスオープン」が入室テストを兼ねる。)
サピックスが気になっている人は、実力試しや校舎・先生の雰囲気を知るために気楽な気持ちで受けてみるのも良いでしょう。
転塾のタイミングとリミットは
4・5年生の夏期講習前は、塾との相性を見直すのにとても良いタイミングです。
もちろん塾を変えたからと言って必ずしも成績が上がるとは限りませんが、新学年が始まって一定期間が経過したこの時期になっても学習サイクルが全くうまく回っていないということであれば、いずれにせよその原因を突き止める必要があります。
塾の先生の解説が足りないように感じる、進度が早くてついていけない、宿題だけで手一杯になっている、体力的に学校と塾の両立が厳しいなど、学習サイクルがうまく回っていない理由は様々だと思いますが、解決方法の一つとして転塾という手段もあり得ることを頭の片隅に置いておくと良いでしょう。
塾側としても、夏期講習は外部からの入塾生を受け入れる大きな機会の一つと捉えているケースが多く、この時期は転塾のチャンスも多く、相談にもしっかり乗ってもらえることが多いです。
塾もビジネスですから、今通っている所の先生に相談すると、否応なく引き止められてしまうこともあります。
できれば現在担当している先生たちだけでなく、中学受験の指導経験が豊富な外部の先生(個人指導塾や家庭教師の先生など)にも助言を求め、成績不振の原因を丁寧に探りましょう。
その上でやはり塾と合わない、塾の授業スタイルやテンポと相性が良くなさそうだということであれば、ひとまず外部生として他塾の夏期講習を受講し、転塾の可能性を探ってみるのも一案です。
転塾のリミットは5年生の終わりで、できれば夏期講習前くらいまでがベストですが、もちろん6年生であっても、どうしても今の塾で成績が伸びない 、学習サイクルが全くうまく回らないということであれば、尻込みせず、一刻も早く転塾を検討してみるのが良いと思います。
成績不振のたびに転塾するのはNG
ただし、成績が伸び悩むたびに次々と転塾することはおすすめしません。
コロコロ転塾していては、成績は決して伸びないからです。
それぞれの塾のスタイルや学習環境に馴染むための時間も少なからず必要ですし、学習内容もうまく繋がらず、習ったことが身になりません。
「どこかに自分に完璧に合う塾があるはずだ!」
と、しあわせの青い鳥を探し求めて塾を渡り歩くのはやめましょう。
塾探しに「完璧」や「正解」はありません。
自分に合った塾にいても、成績が伸び悩んだり、ときに落ち込んだりするのはよくあることです。
すぐに塾のせいにするのではなく、その現状や失敗を冷静に受け止め、なぜその方法ではうまくいかなかったのかを分析し、原因を明確にしましょう。
その結果転塾がベストという考えに至ることもありますが、灯台下暗しで、案外原因はほんの些細なことや、実に身近なところにある場合も多いものです。
そして、失敗しても安易に逃げ出すのではなくそこから立て直す経験を積むことによって、忍耐力や、困難を乗り越える力もグングン鍛えられていきます。
「転塾先でうまくいく」イメージを
それでもやはり転塾を検討することになった場合は、転塾先でうまくいくイメージをしっかり持てるかどうか、よく考えてみることが大切です。
例えばサピの学習進度が早すぎてついていけない、という問題点を抱えているとします。
この場合、同様の進度であるグノーブルへの転塾では、問題は解決しませんよね。
進度がやや緩やかな日能研のカリキュラムを確かめてみれば、今度は学習サイクルがうまくいっているイメージを持ちやすいはずです。
もしくは、そもそも競争が苦手で切磋琢磨し合う環境が合わないようだということであれば、個別指導塾や家庭教師を検討するのが良いでしょう。
夏期講習や本格的な入試演習が始まる前のこのタイミングに、皆さんが一度落ち着いて今の学習状況を振り返り、学習サイクルが良好に回っていくきっかけをつかめるよう願っています。