新学年、スケジューリングはここに気をつけよう!

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える
スケジュールは親子で立てるのがおすすめ
スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

まだ寒さは続きそうですが、目を凝らせば桜の蕾もほころび、春の気配が感じられるようになりましたね。

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える

さて、新年度が始まり一ヶ月が経とうとしています。

新4年生の皆さんの中には、この2月から塾に通い始めたというお子さんも多いと思いますが、新しい生活には慣れてきましたか?

現時点で通塾に大きな違和感を覚えているお子さんやご家庭は、以前の記事も参考にしながら、あらためて塾との相性を確かめてみてくださいね。

もしも転塾することになったとしても、今ならまだ頑張り次第ですぐに新しい塾のペースに追いつくことも、学習法に慣れることもできる時期です。

そして、この時期、塾との相性の見極めとともに大切なのが「スケジューリング」です。

中学受験勉強の本格的なスタートに当たり、ここから入試本番までのスケジュールを考えることはもちろん重要ですが、新4年生のスタート時点ではまだこの先3年間のことなど漠然として分からない、というのがほとんどのご家庭の感覚だと思います。

ですので、まずはこれから4年生の1年間を過ごしていく上で、一週間をどのような家庭学習のサイクルで進めていけばうまくいくかを第一に考えましょう。

大手進学塾の標準的なカリキュラムでは、4年生の通塾日数は週2日です。

まだ土日に授業があるケースは稀で、多くの塾は確認テストや公開テストがある程度です。

それぞれの塾のスケジュールを確認して計画していってくださいね。

スケジュールは親子で立てるのがおすすめ

スケジュールを立てるときに時に気をつけたいのは「本人だけで作らせない」、かつ、「親御さんだけで作ってしまわない」ことです。

中学受験生には塾の予習・復習・テスト対策などに加え、学校の宿題や、場合によってはクラブ活動や習い事もありますね。

そんな中、どう日々を過ごせば学習サイクルがうまく回るか考え、そのために優先順位を決めたり課題の取捨選択をしたりするのは、受験を成功させるために非常に重要です。

しかし、小学生本人だけでそれを行うのは無理がありますから、ここではぜひ親御さんが力を貸してあげてください。

ただし、「親が組んだスケジュール」というのは、往々にして本人のやる気を削いでしまうものです。

あくまでも計画はまず子ども自身に考えさせ、本人が「私(僕)が作ったスケジュール」と思えるようにサポートしてあげてくださいね。

その上で本人が見落としている内容や、効率的でない部分など気になる点があれば、

「国語の漢字と言葉のテストは火曜日にあるよね。それならいつ、その勉強をするのが良いかな?」
「水曜日はピアノがあるね。他の曜日と同じ量のドリルができるかな?」

というような具合で声がけしつつ、一緒にスケジュールを作り上げていきましょう。

このようなやり方を繰り返すことで、やがて本人自身が自らスケジュールを考えられるようになっていきますよ。

スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

スケジュールを組む際、具体的な中身については、次の2つのことを意識しましょう。

ひとつは「逆算すること」です。

漢字と言葉のテストが火曜日、計算テストが木曜日、隔週に確認テスト……などというように各塾の固定した予定をリストアップし、「いつまでに何を済ませれば良いか」を考えて組み立てていくのがポイントです。

もうひとつは「欲張り過ぎない」ことです。

やる気満々のこの時期に組むスケジュールは、ついつい張り切って詰め込みがちです。

学校の宿題や突発的なイベント・体調不良など、少々負荷が増えたときにも無理なくこなしていけるよう、余裕を持って組むことがうまくいくコツです。

また、一度組んだら絶対にそれを守らなければならないわけではありません。

塾に入ったら最後までそこに通わなくてはならない訳では無いのと同様、初めに作ったスケジューリングで家庭学習がうまく回らない場合は適宜見直し、より良いものに作り変えていきましょう。

また、わたしたち大人も決めたことがうまくやりきれない日があるように、まだ小学生である本人たちには、なおさらそんな一日がたくさんあるでしょう。

親御さんは、お子さんがうまくいかなかった日にも、就寝前にはぜひ「よく頑張ったね」「明日はもっとうまくいくよ」などと笑顔で励まし、労ってあげてください。

叱咤激励もときには必要ですが、親御さんの笑顔こそが、長く険しい受験勉強に挑む子どもたちにとって何よりの心の支えになるはずです。

       

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