目次
1学期の「割合(小数・分数)」から2学期の「比(整数)」への意識改革
比の計算における「2大アプローチ」の自由自在な使い分け
比例式中の未知数の計算と指導時の注意点
5年生の2学期(特に10月)は、中学受験の算数において最も大きなターニングポイントとなります。
1学期までとは学習の難易度や質が大きく変わり、この秋から冬(9月〜1月)にかけて習う単元は、実際の中学入試における算数配点の40%〜70%を占めると言われています。
そのすべての基盤となるのが「比」の考え方です。
単なる暗記ではなく「理解して使いこなす」勉強法へシフトし、志望校合格への揺るぎない基礎を築くための重要なポイントを、3回に分けて解説します。
1学期の「割合(小数・分数)」から2学期の「比(整数)」への意識改革
1学期に「割合」の単元で小数や分数を使って解いていた文章題(例えば、池に立てた棒と水深の関係を求める問題など)が、2学期になると全く同じ構造の問題として再登場します。
しかし、これは単なる復習ではありません。
2学期では、割合の小数・分数を「比(整数)」に置き換えて処理する新しい解き方を習得します。
例えば、全体の長さを「⑤」、水面から出ている部分を「②」、池の深さを「③」といった丸数字(整数の比)で整理することで、面倒な分数の計算を避け、格段に速く・楽に・正確に解くことができるようになります。
ここで多くの子どもが突き当たる壁が、「せっかく1学期に覚えた解き方で解けるのに、なぜ新しい方法を使わないといけないのか」という抵抗感です。
保護者の方は、「新しい比を使った解き方のほうがずっと便利で楽になるよ」と声をかけ、旧来の解き方に固執せず、新しい手法を進んで試す姿勢を引き出してあげることが大切です。
比の計算における「2大アプローチ」の自由自在な使い分け
比の計算をスムーズに行うためには、次の2つの見方を状況に応じて使い分けられるように練習する必要があります。
① 「内項の積 = 外項の積」を利用する計算:比例式の内側の掛け算と外側の掛け算の答えが等しくなるという基本的な公式。

②「前項・後項の倍率関係」に着目する計算:例えば「前項が何分の何倍になっているか」を見て、後項にも同じ倍率を掛けるアプローチ。

この2つを機械的に適用するだけでなく、問題の数値を見てどちらが計算しやすいかを直感的に判断し、自由自在に使い分けられる状態を目指しましょう。
比例式中の未知数の計算と指導時の注意点
理科の計算分野(中和や気体の発生)や、算数の倍数算などでは、比例式の中に未知数(③や⑤など)が含まれる計算が頻出します。
家庭でこの計算を教える際、多くの保護者が無意識に中学校で習う「移項(符号を変えて反対側に渡す)」を教えてしまいがちです。
しかし、小学生段階では移項という概念よりも、「両辺に同じ数を足しても、同じ数を引いても、イコールの関係は変わらない(等式の性質)」という考え方で説明してあげてください。

この直感的な理解を徹底することで、式の意味を正しく捉えながら正答率を上げることができます。
さて、今回は比の基本的な使い方について説明してきました。
次回は図形における比の使い方、つまり相似比や面積比、そして立体図形における比の使い方などについて説明していきたいと思います。
お子さんの2学期、算数の学習がスムーズに進むことを願っています。
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