【中学受験】5月病にならないために出来ること

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

五月病ってなに?
五月病のサインと仕組み
新五月病にも注意!
大人の力を借りよう
五月病にならないために
散歩や食事、就寝時間の工夫も効果アリ

街にはハナミズキやツツジが一気に花開き、緑の葉もツヤツヤと輝いていますね。

さて、そんな爽やかな陽気とは裏腹に、この時期はご存じ“五月病“に気をつけたい季節でもあります。

2月に塾の新年度が始まり3ヶ月、小学校では新学年に上がって1か月。
生活環境が大きく変化する中、新たな環境に対応するために中学受験生の皆さんは知らず知らずとても気を張っていたことと思います。

人によってはG.W.の長い連休を挟むことでその緊張の糸がぷつりと切れ、急に憂鬱になったり、体調が優れなくなったり、やたら眠い、イライラする、学校や塾に行きたくない、不安や焦りでなんだか落ち着かない……そんな不調に襲われてしまうことがあるかもしれません。

この時期に現れるこのような症状の大きな原因のひとつと考えられているのが、いわゆる“五月病“です。

五月病ってなに?

五月病は病名ではなく症状を表すもので、主に疲労やストレスが原因と言われている、軽い「適応障害」や「起立性調節障害」に近いものですが、ひどくなると頭痛、腹痛、動悸、眩暈、さらに進むとうつ病に移行してしまうこともあります。

ぜひ早めに気づき、対処したいものですね。

五月病のサインと仕組み

五月病の初期のサインは、朝いつもどおりに起きられなかったり、なんだかやる気が出なかったり、やたら疲れを感じたりすることです。

頑張り屋さんや真面目な人がなりやすいと言われているのですが、その仕組みとしては、2月や4月からスタートした新生活のストレスや不安に立ち向かい、戦闘モードで気を張りながら無理を続けてしまった結果、初めのうちは充実感や多幸感で何とか心と身体の疲れを誤魔化せていたものの、疲労とストレスが限界まで蓄積してしまい、ちょうど慌ただしさがひと段落するG.W.の連休明け頃に、頑張ろうとしてももう頑張ることができない状態に突如陥(おちい)ってしまう、ということです。

新五月病にも注意!

また、近年ではG.W.明けではなく、六月に入ってから調子を崩してしまう“新五月病“も増えています。

“新五月病“というのは、連休明けは本人も保護者の方も五月病を意識し、注意深く過ごすことでなんとか不調を避けられたものの、梅雨時の気候が不安定になってきた頃に、同様の症状が現れてしまうことを指します。

特に中学受験生の皆さんは、5月から一気に増える模試の影響で休日が減ってしまい、課題や宿題も増える上に梅雨のジメジメした気候や日照不足も重なって、6月は心と身体のバランスを崩しやすい時期です。

5月〜6月にかけては特に、ぜひ注意深く自分の心や身体に耳を傾けてあげてくださいね。

大人の力を借りよう

また、皆さんはまだ小学生なので、自分では自分の不調に気が付かず、頑張りすぎてしまうこともあります。

もしもこの記事を読んでいるのが皆さんご本人のみであれば、ぜひ保護者の方にも読んでいただき、

・子どもは大人と違い、「自分では自分の不調や疲れになかなか気づけない」こと。

・「これ以上は体調を崩す」というあらゆる場面での判断がつきにくく、そのために早めの睡眠や服装での体温調整などの対策を講じにくいこと。

・保護者の方など周囲の大人がお子さんを注意深く観察し、早めに不調に気づいてあげられると、五月病予防にとても効果的であること。

を伝えて差し上げてくださいね。

五月病にならないために

この時期に少し特別なケアをしたり、意識して休みを取ったりすることも大切ですが、普段からストレスを溜め込まないことはもっと大切です。

たとえば新学期が始まり、大きく生活環境やリズムが変わって未だうまく課題や宿題をこなせていない人は、具体的にどのようなスケジュールを組めば解決出来そうか、この機会に落ち着いて見直してみましょう。

一人でうまく計画が立てられなければ、塾や家庭教師の先生に相談してみるのもおすすめですよ。

また、すでに心や身体に不調を感じ始めていたら、ぜひ学習面だけでなく、新年度が始まってから、人間関係や生活リズムに何か支障や課題が生まれていないかどうか、振り返ってみましょう。

問題が見つかった場合は具体的に解決策を考えてみましょう。

一人で難しければ周りの人の力も借りて、改善のために行動を起こしてみると、すぐには解決せずとも、きっと気分が変わります。

ノートに書き出してみたり、友達や保護者の方に話してみたりするだけで気持ちが楽になる場合もありますから、いずれにせよ、辛いことは一人で心の中に抱え込まないようにしてくださいね。

散歩や食事、就寝時間の工夫も効果アリ

いわゆる“幸せホルモン“である「セロトニン」の脳内分泌が活発になるよう散歩をして日光を浴びたり、乳製品・バナナ・白米などを積極的にとることもオススメです。

少し思い切って休みをとり、気分転換になる楽しいことをしたり、体を動かしたりするのも良いですね。

連休中に就寝時間が後退することで体内時計が狂い、心身の不調が生じ始めるケースも多いので、連休中も早寝早起きを心がけ、夜更かしの悪習慣を作らないことも、休み明けに良い結果を生みますよ。

心身の調子を崩しがちなこの時期を、中学受験生の皆さんが、気負いすぎず、上手にメリハリをつけながら、健康で活き活き過ごせることを心から願っています。

       

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