【中学受験】5年生ラスト3ヶ月の科目別攻略法と学習プラン|新6年生へ向けた家庭学習のポイント〜親の声かけと算数・国語編〜

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

ラスト3ヶ月を乗り切る親の声かけと「家庭学習の基本原則」
【算数】図を自分で描き起こし、塾で習った解き方を再現することで応用力をつける
【国語】「説明文の解き方」の復習を軸に、文章の種類別に読解法を再確認

5年生の秋から冬にかけてのラスト3ヶ月は、中学受験で「新6年生(受験の天王山)」を迎える大切な準備期間ですね。

全科目で入試直結の重要単元が集中し、「宿題が終わらない」「成績が伸び悩む」とお悩みの保護者様も多い時期ですが、ここで表面的な丸暗記に頼ると1年後の過去問演習期に大きな壁にぶつかります。

今必要なのは、入試本番で通用する「本質の理解」と、学力を点数に結びつける「得点力」の向上です。

この記事では、5年生ラスト3ヶ月の科目別学習ポイントと家庭での学習戦略についてお話しします。

ラスト3ヶ月を乗り切る親の声かけと「家庭学習の基本原則」

①「手順の丸暗記」から「理由の納得(理解型学習)」へシフト

5年生後半に習う単元は、どれも入試によく出る重要な分野ばかりです。

公式や手順を機械的に丸暗記して一時的なテストを乗り切っても、ひねりのある入試本番では対応できません。

「なぜその式が成り立つのか」という理由に納得して解く「理解型学習」へ切り替えることを心がけましょう。

② 自己肯定感を上げる声かけを徹底

「これもしなさい」「なぜできていないの?」といった否定的な言葉かけは自負心を下げ、意欲を奪います。

子どもは「自分は頑張れている」「やればできる」という自己肯定感があってこそ伸びます。

努力の形跡を見つけたら惜しまず褒めましょう。

結果ではなく、その過程をしっかり見て認めてあげることが大切です。

③「◯△✕学習法」で課題を適切に間引く

塾のテキストは上位生に合わせて作られているため、全問消化はオーバーワークになります。

授業で解いた問題に、お子さん自身に以下の3つの印をつけさせましょう。

◯:一人で確実に解ける問題(復習優先度は低い)
△ :解説を聞けばわかるが一人だと不安な問題( 最優先で復習しましょう )
✕:現時点では歯が立たない難問(思い切って間引く)

成績を効率よく伸ばす鍵は、解けるか微妙な「△の問題」を集中的に補強することです。

④ 忘れる前提のスケジュールと「3つの感覚タイプ別暗記法」

覚えたことは必ず忘れます。

テストのたびに「また忘れたの?」と感じてしまいがちですが、何度も反復して定着させるスケジュールを組みましょう。

また、子どもの特性に合わせた暗記法も効果的です。

視覚優位:目からの情報に強いお子さん。漢字や白地図・年表を自分で書き、トイレの壁などに貼り何度も見る。

聴覚優位:耳からの情報に強いお子さん。声に出して音読する、替え歌や語呂合わせ、親が口頭で1問1答を出す。

体感覚優位:手や体を動かすことに強いお子さん。見るだけでなく、実際に手を使って紙に書きながら覚える。

実際には、1つの感覚だけを頼りに学習しているお子さんはいないので、これらのことを組み合わせて学習に活かしてみてください。

【算数】図を自分で描き起こし、塾で習った解き方を再現することで応用力をつける

算数は5年生ラスト3ヶ月で最も差がつく科目であり、受験学年のスタートへの架け橋となる重要分野が集中します。

① テキストの図に頼らず自分の手で大きく描き起こす

テキストの小さな図に書き込むだけで済ませる子は、伸び悩みます。

問題文を1文ずつ丁寧に読みながら、 自分のノートに図を大きく描き起こす練習をしてみてください。

図を自分で描くプロセスそのものが、問題の構造や変化を捉えるトレーニングになります。

② 単元別・算数の学習の要点

動く図形・進行グラフ :面積や長さが変化する「折れ目(変化の境界点)」の瞬間を捉えて図を描きます。条件が変わったら元の図を消さず、隣に新しい図を描き並べましょう。 図形どうしが重なった部分の形や面積を把握するのに役立ちます。

円の転がり・回転体 :円の転がりは図形の角(長方形や正方形のまわりを回る問題なら、90度の直角部分)がポイントです。角の場所に円を描き、できるおうぎ形の形や半径を把握します。回転体はまず左右対称の図形を描いてから見取り図を完成させます。

立体切断の切断 :イメージできない場合は、サイコロ状に切った大根を実際に包丁で切ってみる体験が切断面の理解に効果を発揮します。

文章題(流水算・通過算・水深・比) :流水算は「上りの速さ・下りの速さ・流速・静水上の速さ」の4要素を線分図に明記。通過算は電車の「先頭」か「お尻」に注目して移動距離を矢印で書き込む。水そうの水深変化に関する問題は正面からの「平面図」を描いて考えます。自分のやり方に固執せず、塾の先生が板書した図や解法を忠実に真似ることが近道です。

【国語】「説明文の解き方」の復習を軸に、文章の種類別に読解法を再確認

5年生後半の国語では随筆文の出題が増えますが、攻略の土台は「説明文の読解メソッド」にあります。

① 「説明文の解き方」を再確認しよう

随筆文は「筆者の体験(具体例)」と「筆者の感想・意見(主張)」が混ざり合った文章です。

随筆文が苦手な子の多くは、エピソードに引きずられて筆者の主張を見失っています。

まずは説明文の基本的な読解法を復習しましょう。

接続語の確認 :「しかし」などの逆説の直後に筆者の主張がある。

具体例と意見の切り分け :具体例に惑わされず、中心文(筆者の意見・感想)を見極める。

対比構造の把握 :一般論と筆者の持論などの対比の関係を整理する。

② 文章の種類別 読解法のポイントとテスト直しについて

物語文 :「楽しい」「悲しい」等の心情語がない場合(実際、このように直接的な表現があることのほうが稀です)、【情景の変化】【時間の経過】【出来事(きっかけ)】から心情変化を推測します。

詩・短歌・俳句 :音読でリズムを感じ、題名や作者の意図、表現技法を確認して場面を頭の中で映像や絵に浮かべます。

語彙・漢字とテスト直し :部首(偏とつくり)の役割を理解しながらの漢字学習を朝の習慣にします。読解力の強化には「テスト直し」が最適であり、「なぜこの選択肢が正解・不正解なのか」を本文と照らし合わせて検証しましょう。

今回は5年生の残り3ヶ月の学習のポイントを算数・国語の2教科について見てきました。

今回の記事を参考にここから受験学年までの学習をぜひ充実したものにしていただければと思います。

次回は理科・社会についてお話ししようと思います。

       

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