各塾の特徴と使い方(首都圏編)

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

大手塾別 成績の上げ方 関東

関東の中学受験は、サピックス・日能研・早稲田アカデミー・四谷大塚の合格者数が群を抜いています。
学習カリキュラムがしっかりしていること、多くの生徒数を抱えていること、受験情報が集まりやすいことなど、大手塾に通うメリットは無視できません。

ここでは、首都圏の大手塾に関して、その特徴と上手な使い方について考えたいと思います。

目次

【サピックス】
1.授業はハイレベル・ハイスピード
2.サピックスに通われている生徒の保護者からの相談 BEST3
3.サピックスの生徒の陥りやすい3つのポイント
 1)すべてのテキストをやろうとするとつぶれる。
 2)とにかく量をこなそうとし、理解することがおろそかになる。
 3)中・下位クラスの生徒には質量ともに過剰。
【日能研(関東)】
1.暗記だけに頼った勉強
2.カリテは良いのに公開模試になると点数が下がる。『学習=暗記』から『考える・理解する』へ
3.日能研関東に通われている生徒の保護者からの相談 BEST3
4.日能研の生徒の陥りやすい3つのポイント
 1)カリテは本科テキストと栄冠テキストの問題とそっくり。カリテが良いからと安心できない。
 2)次々と新しい単元に進み、次の週の勉強に追われてしまう。
 3)なかなかクラスを上げられない。
【四谷大塚】
1.多種類の問題集から、どれをメインとして使っていくかの目利き
2.四谷大塚に通われている生徒の保護者からの相談 BEST3
3.四谷大塚の生徒の陥りやすい3つのポイント
 1)準拠塾や直営校に通っていない場合は、親が関わることが前提。
 2)いろいろな問題集をすべてやろうとして自滅する。
 3)クラスが上がったのにすぐに元のクラスに下がってしまう。
【早稲田アカデミー】
1.大量演習・大量宿題の典型的な塾です。
2.寝る間も惜しんで宿題をしているのに成績が上がらない。
3.早稲田アカデミーに通われている生徒の保護者からの相談BEST3
4.早稲田アカデミーの生徒の陥りやすい3つのポイント
 1)宿題をこなすだけで1週間が過ぎてしまう。
 2)よく分かっている問題もそうでない問題も、同じように家庭学習をしてしまう。
 3)週例テストは悪くないのに、総合回や公開テストでは大幅に順位が下がる。

【サピックス】

受験生を持つお母様方はすでにご存じの通り、最難関中学受験者のための塾です。集まっている生徒たちの平均学力レベルは首都圏随一といえます。

1.授業はハイレベル・ハイスピード

麻布中のような、もともと賢い子が合格すると言われている(もう少し穏やかな言い方にすると「努力よりは能力の差が大きく出る入試問題」)中学校に、今年は183名も合格しています。
また、自己肯定感に裏打ちされたたくましい女子が合格できる桜蔭中には151名も合格しています。
アルファクラスには大人に近い感覚を身につけた、賢い子がひしめいていると考えて間違いありません。
他塾の生徒がサピックスの公開テストを受けると、偏差値が5、時には10も下がることからも母集団のレベルが推し量れます。
ですから必然的に授業はハイレベル・ハイスピードになっていきます。

2.サピックスに通われている生徒の保護者からの相談 BEST3

  1. デイリーチェックは良いのに、マンスリーや組分けになるとガクンと下がる。
  2. 塾で言われることを全部こなそうとすると、寝る時間がなくなる。
  3. 近頃、ミスが信じられないほど増えた。

3.サピックスの生徒の陥りやすい3つのポイント

1)すべてのテキストをやろうとするとつぶれる。

問題の取捨選択が一番重要です。
その子がその時期にやってはいけない問題、はっきり言って害になる問題が多数あります。でもその問題は別の子には、是非やらせたい問題だったりするのです。
講師によっては「必要な問題を選んでやらせて下さい」と言っているようですが、「そんなことを言われても…」というお母様方の声の通り、この判断が一番難しいのです。
ご家庭にこの難しい役割を押しつけるのは…。
でもこれが一斉塾の限界なのです。

2)とにかく量をこなそうとし、理解することがおろそかになる。

あれもこれもと、やるべきことが多いために、「たくさん問題を解く」事が目的になってしまっている生徒が多いのです。
まじめで、しかもある程度能力の高い生徒が要注意なのです。
学習への義務感が強く、「宿題をしなければ!」「暗記しなければ!」という気持ちを強く持っています。 そこに大量の宿題が覆い被さってきたらどうでしょう。
「とりあえず全部やってしまおう」と思ってしまうのは仕方がないことではないでしょうか。
本来の学力をつけるという目的から離れて、本当の解法理解をしないまま、「なんとなく当てはめて解く」ことが学習の全てになってしまいます。
サピックスオープンなんかでちょっと問題をひねられると一気に正答率が落ちていく訳です。
「家でやればできたのに、テストではできない。」 「テストで間違ったのに、家ですぐにやらせたらできる。」 このようなことが増えてきたら要注意です。
こういう症状が現れてきたら、ていねいな日々の学習が必要です。ときには解き方の親切ていねいな説明を聞くことが必要になることもあります。
「あぁ、なるほど!」「そうだったんだ!」と“はたと膝を打つ”ような体験を積み重ねていく必要があるのです。

3)中・下位クラスの生徒には質量ともに過剰。

授業の進度も速すぎる。
上位クラスと下位クラスがほぼ同じテキストをやっていること自体に無理があります。
しかも、解説が下位の子が自分で理解できるように作られていないのです。
基本事項の理解ができないまま、どんどんと問題演習をする羽目に陥ってしまいます。
中・下位クラスの生徒が学力を身につけ志望校に合格するためのシステムは、残念ながら持ち合わせていない塾だと考えています。
そのような子も、学力を飛躍的に高め、上位の志望校に合格する方法があるのです。
基本の概念導入のやり直しと、理解度に応じた問題演習をきっちりと順を追ってやることです。昨年も、一昨年もこのことは実証済みです。

【日能研(関東)】

言わずと知れた、日本最大の中学受験進学塾です。
難関校にも合格者を多数出していますが、中堅校合格者の層が厚いことが特徴です。
学校資料や公開模試のたびにもらえる 成績資料は豊富です。多すぎてとても読み切れないといわれるほどです。

1.暗記だけに頼った勉強

暗記だけに頼った勉強をして、自滅する生徒がなぜこんなに多いのか!
カリテの成績によって座席が入れ替わるためだと思いますが、小4生でもカリテのための勉強を一生懸命します。
そのカリテは、本科テキストや栄冠テキストの問題とそっくりなのです。
とりあえず、テキストの問題を繰り返し解いて覚えてしまえば点数はとれます。
これは、テキストが全面改定された後も変わりません。
小4・小5の学習内容が他塾に比べて易しいために、より暗記だけで点数がとりやすいのです。
日能研では、こんな勉強をしてしまっている子が本当に多いのです。

2.カリテは良いのに公開模試になると点数が下がる。
『学習=暗記』から『考える・理解する』へ

そのような子は「カリテは良いのに公開模試になると点数が下がる。」ことになります。
これが初期症状です。
これが、小6になって、内容が急に難しくなると、 「小4(5)年の時はできたのに、今はクラスも下がって…」 「睡眠時間を削って勉強しているのに、逆に成績が下がって…」 という重症になります。
対応は、早ければ早いほど良いのです。
というより、今すぐ対策を講じてください。
この、『学習=暗記』が染みついた子に、考える・理解するという学習習慣を身につけさせることに毎年本当に苦労していることを正直に申し上げておきます。

3.日能研関東に通われている生徒の保護者からの相談 BEST3

  1. 楽しく通っているのに成績が上がらない。
  2. カリテは良いのに公開模試がボロボロ。
  3. なかなかクラスを上がれない。

4.日能研の生徒の陥りやすい3つのポイント

1)カリテは本科テキストと栄冠テキストの問題とそっくり。
カリテが良いからと安心できない。

カリテの基礎と共通問題のほぼ70%は、テキストの問題とそっくりです。
カリテで成績を下げないためには、「とりあえず解き方を覚えておく」という学習で、点数を下げずにすむことを、子供なりに学習してしまっていることが多いのです。
ところが、公開模試ではテキストとは異なる問題が広い範囲から出題されます。そうなると、とりあえず覚えた知識はとっくに忘れ去られているために、こんなはずではなかったという点数になってしまうことになります。
覚える前に、まず理解すること。これが、日能研でスランプになっている子供たちの特効薬です。

2)次々と新しい単元に進み、次の週の勉強に追われてしまうために、カリテの復習ができず、苦手単元の克服ができない。

翌週には、もう新しい単元の授業が始まります。
そうなれば先週の復習をする余裕はありません。
また、半強制的に取らされる単科(選択・特別)講座や、小6の前期日曜特訓が、復習することをより難しくしています。
この単科講座は、必要なものだけを取ることを、是非心がけてください。
でも、サピックスなどのハードな塾に比べると、授業の拘束時間や授業日数は少ないのです。
その空き曜日や空き時間に、計画的に復習することは十分可能なのです。

3)なかなかクラスを上げられない。

一週間の授業時間数が、クラスによって異なるのです。
上位クラスの方が算数の授業時間が長く、演習問題も数多くこなしています。
クラス分けの基準となる公開模試やカリテの共通問題の後半の難問への対応力を強めていきます。
一方、基礎クラスの授業では、基礎的な問題を短い時間でこなしていくことになりますから、上位クラスとの得点力はますます開いていくことになるのです。
基礎クラスのお子さんがクラスを上げるには、授業で扱わなかった問題からも、大切な問題を選択して学習しておく必要があります。どの問題が大切なのかを見抜く目が大切になります。

【四谷大塚】

予習シリーズを全面改定して、復活を目指していると想像されます。
旧版に比べて約半年早いカリキュラム、問題レベルも最近の御三家を充分に意識されています。
一方、校舎によって宿題プリントの扱いが異なるなど、過渡期の混乱が垣間見えます。

1.多種類の問題集から、どれをメインとして使っていくかの目利き

改訂された予習シリーズ、演習問題集とその応用編、計算と一行、漢字。数々のテキストがあります。それぞれよく吟味された内容ですし、解説もよくできています。自分の学力や志望校に基づいて選択していくツールがそろっていることになります。
でもそれは、間違った選択を生みやすい環境だともいえます。どれをメインとして使っていくかの目利きが重要です。

2.四谷大塚に通われている生徒の保護者からの相談 BEST3

  1. 兄(姉)の頃の予習シリーズに比べて難しいような気がする。
  2. その週の学習が、日曜テストまでに間に合わない。
  3. どのテキストを使って勉強させれば良いですか。

3.四谷大塚の生徒の陥りやすい3つのポイント

1)準拠塾や直営校に通っていない場合は、親が関わることが前提。

子供任せでは成功しません。
「どのテキスト」の「どの部分」を「いつ」「どのように」勉強をさせていくのかのプラン作りは親御様の役割です。小学生には、残念ながら無理なことなのです。

  • 今の週テストのコースを基本にして、コースがひとつ上にあがっても大丈夫なように、宿題だけでなく一段上の問題もやらせておく。
  • 基礎訓練となる計算や漢字は毎日の学習の中に取り入れる。
  • ちゃんと理解しながら進んでいるかどうかは、日頃からチェックしてあげる。

このような関わりが必要になります。

2)いろいろな問題集をすべてやろうとして自滅する。

いろいろな学力の生徒に対応するために、多種類の問題集があります。
お子さんにとって、易しすぎる問題や難しすぎる問題を省いていくことが大切です。
また、今学期から始まった、毎日の計算プリントや漢字プリントは、ほとんどの生徒にとってこなすことができないと思われます。ここにも取捨選択が必要になります。

3)クラスが上がったのにすぐに元のクラスに下がってしまう。

週テストのコースは、他塾と違い4つもあります。A、B、C、Sです。
それぞれ問題レベルが違います。普段の宿題はこの週テストのレベルに合わせて課されますから、その宿題を正しくこなしていくことで点数アップが図れます。その結果コースを上がることが出来た場合、いきなり問題のレベル差に直面することになります。
コースを早期に上げることも大切ですが、コースが上がってもまごつかないために、少しレベルを欲張った学習も大切です。

【早稲田アカデミー】

高校受験で確固たる地位を築いています。先生方も熱血漢揃い。
中堅の中学校だけではなく上位の学校の合格実績もぐんぐん伸びています。
多量の学習をさせるには良いのですが…。
でも、やってもやっても宿題が終わらない、成績も上がらないという子がなぜこんなに多いのでしょう。

1.大量演習・大量宿題の典型的な塾です。

精神的にたくましい子や、もともと処理スピードの速い子供は、負荷をかけることによってたくましくなりますし、学力もついてきます。
でも、そうでない多くの子供達は、予習シリーズとオリジナルテキストから出る大量の宿題をこなすことだけで精一杯という状態に陥るのです。
そして、スランプをきっかけに受験勉強にも疲れてしまう、もうやる気が起きない、と悪循環に陥ります。
何度も類似題を演習するために、やった問題についてはちゃんと得点できます。
これは大きなメリットです。
でも、各学習項目の最初の段階で、考え方をしっかりと納得してから解くだけの時間や気持ちの余裕が持てないために、本当の理解をしないで、問題をただ覚る勉強になりがちです。
そうなると、少し応用された問題になると、途端に鉛筆が止まってしまうことになります。
勉強のやり方を何とか変えなければと思っても、そこにはいつも大量の宿題が…。

2.寝る間も惜しんで宿題をしているのに成績が上がらない。
繰り返すべき問題と、そうしなくて良い問題をしっかりと線引き。

まじめで繊細な神経のお子さんの場合、体育会系の叱咤激励は強い強制力として働きます。
しかも、熱心な直情型の先生が宿題もしっかりチェックします。
お子さんの力だけでは、大量の宿題の海におぼれている状態から抜け出せるものではありません。

3.早稲田アカデミーに通われている生徒の保護者からの相談BEST3

  1. 机の前には長く座っているのに成績が上がらない。
  2. 近頃何となく元気が無くて、成績が下がり気味だ。
  3. NNコースの志望校対策を遠くの校舎で受け始めてから、勉強のペースを崩してしまった。

4.早稲田アカデミーの生徒の陥りやすい3つのポイント

1)宿題をこなすだけで1週間が過ぎてしまう。

宿題をこなすことは良いことなのですが、何のためにその宿題をしているのかという目的を見失いがちになります。
やっていかないと叱られるからと、しかたなくやっていませんか。

2)よく分かっている問題もそうでない問題も、同じように家庭学習をしてしまうために、時間の無駄が多い。

宿題の海でおぼれないためには、たくさんの宿題を

  1. 今できて当然の問題
  2. 今練習して出来るようにしておかなければいけない問題
  3. 今は出来なくても良い問題

ときっちり分類して、負担を軽くした上で、出来るようにしておかなければいけない問題にしっかりと時間をかけましょう。
宿題の取捨選択をするために、親御さんが早稲田アカデミーの先生方と充分にコミュニケーションをとるように心がけてください。

3)週例テストは悪くないのに、総合回や公開テストでは大幅に順位が下がる。

「習うより慣れろ!」は受験の本質ですが、一部でしかありません。
全てをこのようにやっていくと、負担過多になりますし、応用力がつきません。記憶が残っている間だけの得点力になってしまいます。
「これがこうなって、だからこうするとあれが出て、最後にこうするとこうなる。」というように、子供なりに自分の中にある言語に置き換えて理解していく学習を意識的に行う事が大切です。
しかも、大量演習の学習習慣に麻痺してしまう前に行うことが効果的です。

       

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