習い事

中学受験 【一科型】入試ってどうなの?

目次

1科型など特殊な入試が増え始めている
算数が得意な男子のために入試から採用が始まった
算数以外の1科型入試も
1科型入試で合格するために求められるもの

雨もようが続いていましたが、桜も咲き始め、ぐんと暖かくなってきました。

中学受験生の皆さんは体調に気をつけて、元気に4月を過ごしてくださいね。

1科型など特殊な入試が増え始めている

さて、先日、光塩女子学院中等科のホームページで、来年度(2025年)入試から算数の【1科型】入試を導入することが発表されました。

算数の筆記試験のみで合否判定をするこの試験は、これまで行っていた4科型・総合型に加えての新設試験で、来年度からは計4回、試験が実施されることになります。(公式サイトはこちら

このようないわゆる【特殊型】の入試選抜方式を導入する中学校は増加傾向にあり、中学受験の試験形態は年々多様化しています。

30年ほど前は2科から4科へ、などと、偏差値の上がってきた進学校がこぞって入試科目を増やしたものですが、現在はその逆で、首都圏の難関校でも(主に算数の)【1科型】入試や、科目横断型の【総合型】入試を新設しているのが特徴です。

たとえすべての能力・学力がまんべんなく長けているわけではなくとも、その人の突出した能力や学力を進んで評価しようという動きは社会でも広まっていますから、そのうちこのような試験も、特殊とも何とも言われなくなっていくのでしょうね。

今日は、そんな【特殊型】の中でも中学受験生の皆さんが比較的チャレンジしやすい【1科型】入試についてお話します。

算数が得意な男子のために入試から採用が始まった

中学受験生の中では、男子の方に算数で突出した好成績を叩き出す生徒が多い傾向があります。

【1科型】入試はそのような需要に応えた形もあり、男子校の算数【1科型】入試新設から人気が高まっていきました。

最初にこの方式を導入したのは1994年の攻玉社で、ここに拍車をかけたのが巣鴨や世田谷学園、高輪学園といえるでしょう。

このように難関男子校での【1科型】入試新設が火付け役となり、やがて啓明学園や栄東などの共学、女子校でも品川女子学院や大妻中野から始まり田園調布学園、富士見、湘南白百合学園、三田国際学園、普連土学園、開智日本橋、品川女子学院などと急速に広まっていきました。

算数以外の1科型入試も

【1科型】の対象科目は今も算数がメインですが、近年は山脇学園、東京女子学園のように国語や英語を選択できる学校も増えています。

また、英語では【1科型】入試といえば帰国子女のみが対象であることがほとんどでしたが、近年はこちらも多くの生徒に門戸が開かれており、英語にまつわる資格の取得が受験資格や得点と同等の扱いとなる場合もあります。

「これだけは誰にも負けない!」という際立った得意科目を持つ生徒さんにとって、【1科型】入試は、対策に必要な教科が絞れることで負担を軽減できるメリットはもちろん、併願校の合格手段として取り入れることで、本命校の対策に割ける時間を捻出できるメリットもありますし、栄東中学校や駒込中学校のように特待生枠として募集をかけているところでは合格後授業料が(一部ないしは全額)免除されるというメリットもあります。

ぜひ受験校検討の際にはひとつの選択肢として考えてみてください。

1科型入試で合格するために求められるもの

ただし、受験生が多くの恩恵を受けるのと同時に、もちろん学校側にも【1科型】入試によって既存の4科入試では取りこぼしかねない優秀な生徒が獲得できるという大きなメリットがあります。

そのような大目的があるわけですから、その分4科受験にくらべて【1科型】受験の試験内容は非常にレベルが高かったり、例えば試験科目名は「算数」であっても、長い文章を正確かつスピーディーに読み解く力、グラフなどを鋭く正確に分析する力など、総合力が求められるようなタイプもあります。

英語では試験方式も筆記の他に、ネイティブの試験監督との面接や英語による会話、生徒でチームを組んでのディスカッション、グループワークが課されるなど、学校の方針によって試験形態も多岐にわたります。

ですから、【1科型】受験を考える際には「算数が得意だから」「英語が得意だから」と安易に科目のみで判断せずに、学校説明会やホームページで過去の入試問題や情報を入手し、その内容や傾向をじっくり確かめることを忘れないようにしてください。

その上で自分(もしくはお子さん)にその試験が合っていそうか、4科と併願するのか2科と併願するのか、どのように対策していけば良さそうかなどをよく検討し、早いうちから合格に向けた戦略を練っていきましょう。

毎日がんばっている皆さんが、来年の今頃満開の笑顔で春を迎えられることを祈っています。

中学受験 合同説明会に足を運ぼう!

目次

よみうりGENKIフェスタ
私立女子中学校フェスタ
みらい子ども進学フェア 2024
第22回女子校アンサンブル
短時間でたくさんの情報が手に入るのが合同説明会

ようやく春らしい陽気になり、分厚い上着を手放せる日も増えてきましたね。

多くの中学校では新入生の入学式準備とともに、早くも2025年度入試の告知や説明会がスタートしています。

この時期から都内を中心に全国で学校説明会の合同イベントが次々に開催されていきますが、中学受験生の皆さんはどこかのイベントに予約をしてみましたか?

直近では、3月24日『よみうりGENKIフェスタ』、3月31日『私立女子中学校フェスタ』、4月14日『みらい子ども進学フェア 2024』、4月29日『女子校アンサンブル』などが予定されています。

先着順・抽選など選考方法は異なりますが、いずれの合同説明会も予約制で、毎年応募多数で参加がかなわない生徒さんが続出します。

興味のあるイベントがあったら、ぜひ早めに公式サイトをチェックしてくださいね。

よみうりGENKIフェスタ(首都圏を中心に中高約170校が参加)

日時:3月24日(日)
10:00~16:00
会場:東京国際フォーラム

参加校:東京/青山学院・麻布・桜蔭・鷗友学園女子・大妻・海城・学習院・学習院女子・吉祥女子・暁星・光塩女子学院・晃華学園・攻玉社・駒場東邦・芝・渋谷教育学園渋谷・頌栄女子学院・城北・白百合学園・巣鴨・成蹊・世田谷学園・桐朋・東洋英和女学院・豊島岡女子学園・広尾学園・雙葉・本郷・武蔵・明治大学付属明治・立教池袋など
神奈川県/浅野・神奈川大学附属・公文国際学園・慶應義塾普通部・サレジオ学院・逗子開成・洗足学園・桐蔭学園・日本女子大学附属・横浜雙葉など
千葉県/市川・渋谷教育学園幕張・昭和学院秀英・東邦大学付属東邦など
そのほか/浦和明の星女子・開智・栄東・立教新座、浦和明の星、江戸川学園取手、函館ラ・サールなど

ここから始まる学校選び──首都圏を中心とした約200校の中学校・高等学校が参加。
個別相談ブース、特別座談会、セミナーなどを予定。

予約制(多数の場合抽選)
公式ページ:https://yab.yomiuri.co.jp/adv/genki/

私立女子中学校フェスタ

3月31日(日)
09:00~16:30
東京家政大学 板橋キャンパス
〒173-0003 東京都板橋区加賀1丁目18−1

都心にある女子伝統校の生徒が一堂に集う。女子校あるある座談会・アトラクションなど企画多数。
予約制(3月23日23:59まで。午前の部(9:00~12:00)または午後の部(13:30~16:30)のどちらかのみ申し込み可。)

公式ページ: https://www.codia.co.jp/joshifes/

みらい子ども進学フェア 2024

4月14日(日)
10:00~16:00
会場:TKPガーデンシティ御茶ノ水(東京都千代田区神田駿河台三丁目11-1 三井住友海上駿河台新館 3F)※JR中央線、中央・総武線「御茶ノ水駅」聖橋出口 徒歩4分、都営新宿線・東京メトロ B3b番出口 直結「都営新宿線 小川町駅、東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅、 東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅」

参加校:市川中学校、大妻中学校、(仮称)開智所沢中等教育学校、共立女子中学校、京華中学校、京華女子中学校、小石川淑徳學園中學校、佼成学園女子中学校、駒込中学校、桜丘中学校、実践学園中学校、十文字中学校、淑徳巣鴨中学校、城西大学附属城西中学校、城北中学校、巣鴨中学校、聖学院中学校、専修大学松戸中学校、千代田国際中学校、貞静学園中学校、田園調布学園中等部、東海大学付属高輪台高等学校中等部、東京家政大学附属女子中学校、東京都市大学付属中学校、東邦大学付属東邦中学校、東洋大学京北中学校、獨協中学校、中村中学校、日本工業大学駒場中学校、日出学園中学校、不二聖心女子学院中学校、文京学院大学女子中学校、本郷中学校、三輪田学園中学校、武蔵野中学校、目黒学院中学校、目黒日本大学中学校、麗澤中学校、早稲田大学系属早稲田実業学校中等部、和洋九段女子中学校

「見つけよう!自分の可能性(みらい)、伸ばす学校(ばしょ)。」
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)を中心とした私立中学校・高等学校の進学相談会。

完全予約制(先着順)
公式ページ: https://shingakufair-mirai.com/

第22回女子校アンサンブル

4月29日(月・祝)
午前の部10:00~12:30、午後の部13:30~16:00
会場:学習院女子大学(2号館)東京都新宿区戸山3-20-1

参加校:跡見学園、学習院女子、共立女子、恵泉女学園、香蘭女学校、実践女子学園、東京女学館、三輪田学園、山脇学園の9校。

各校の代表(校長または生徒)が5分ずつ自身の学校について説明する学校別ミニ説明会あり。(午前が校長による学校紹介、午後が生徒による発表)
各校それぞれの教室で個別相談可。
※午前の校長による学校紹介は、後日録画したものの配信アリ

午前・午後は2部入れ替え制。
午前の部 10:00~12:30(説明会 10:00~10:45または11:30~12:15)
午後の部 13:30~16:00(説明会 13:30~14:15または15:00~15:45)

4月7日9時予約開始(上記2パターンから希望の時程でいずれかを予約)
定員各500組・1名の受験生に対して、予約は1枠のみ
公式ページ:https://www.gakushuin.ac.jp/girl/ensemble/

短時間でたくさんの情報が手に入るのが合同説明会

気になる学校が参加している説明会や、興味をそそられるイベントはありましたか?

2020・2021年はコロナ禍の影響で中止され、2022年から再開した『女子校アンサンブル』は特に人気のようです。
去年もあっという間に満員になってしまったので気をつけてくださいね。

また、『私立女子中学校フェスタ』では体験授業企画があり、一つまで参加が可能です。

ジュースからDNAを取り出す、自転車で発電する、模擬国連体験など各学校の生徒さんたちが楽しい授業を企画・準備してくれているので、ぜひ参加してみてくださいね(完全予約制)。

一つの学校についてじっくり知ることができる単独の説明会も良いものですが、まだ志望校や併願校が絞りきれていない段階では、短時間でたくさんの学校の情報が手に入るこのような合同説明会もおすすめです。

それぞれの学校の良さや生徒さんたちの雰囲気に触れて、イベント後は自分にはどの学校が合いそうか、どこの学校の生徒さんや校長先生のお話に興味を惹かれたかなど、ぜひご家族で話し合ってみてくださいね。

各学校のブースをたくさん回ると意外と体力も使うので、前日はよく寝て、当日個別相談を依頼する学校の優先順位や回る順序をよく考えておくと良いですよ。

皆さんに素敵な学校との出逢いがあるよう心から願っています。

中学受験 2025・2026サンデーショック、どうなる?

目次

サンデーショックとは
2015年のサンデーショックでは偏差値が跳ね上がった学校も
入試日程の変更を行わない学校も

桜も咲き始めいよいよ春かと思えば、小雨で冷え込む日が続いていますね。

少し気が早いですが、今日は来年度入試の「プチサンデーショック」、翌2026年度入試の「サンデーショック」についてお話しします。

サンデーショックとは

サンデーショックとは、2月1日が日曜日に重なった年に、プロテスタント系の私立中学校の一部が入試日程を変更することです。

これにより例年ある程度安定している中学受験のスケジュールに変動が生じるのですが、2月1日は関東圏の中学受験生にとって本命(第一志望校)受験日であるケースが非常に多く、一部の受験生に大きな影響が及ぶことから受験界隈で「サンデーショック」と呼ばれるようになりました。
(2月1日ではなく2日や3日が同様の状況になった場合は「プチサンデーショック」と呼ばれます。)

学校にとっても入試日程の変更は受験者数変動など影響が大きいため、このような事態は出来ることなら避けたいものだと思われますが、主に女子校でこのような日程変更が実施され続けてきた背景には、礼拝日や安息日など宗教上の理由から致し方ない部分があったのだと思われます。

2015年のサンデーショックでは偏差値が跳ね上がった学校も

ちなみに前回のサンデーショックは2015年で、その際は女子学院、東洋英和、立教女学院、横浜雙葉などが入試日程を変更し、大きな影響がありました。

というのは、例年ならばどちらかを選択して受験せざるを得ない「1日校」の女子学院と桜蔭が併願できる状況になったからです。
また、同様に女子学院と雙葉の併願も可能になったので、これらの学校ではこの年受験者数が増加し、難易度が跳ね上がりました。

もちろん、いわゆる「1日(ついたち)校」が翌日に移動したことにより、人気校である慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)の難易度が下がるなどラッキーと言える状況も場合によっては生じましたが、多くの受験生にとっては実質倍率や補欠の繰り上げ合格者数などが例年以上に読みにくく、あまり喜ばしくないものであったと言えるでしょう。

それゆえ、特にキリスト教系の女子人気校である女子学院や桜蔭、フェリス女学院志望の生徒にとっては、自分の受験年がサンデーショックであるかどうかは受験準備や併願校選定などにおけるひとつの注目ポイントとなっています。

入試日程の変更を行わない学校も

2025年の「プチサンデーショック」に関してはすでに青山学院が日程変更を発表しており(2月2日から2月3日へ)、他にも複数の学校が同様の発表をすることが見込まれていますが、実は先週、この流れを大きく変えるきっかけになるかもしれないニュースがありました。

プロテスタント系の女子校であるフェリス女学院が公式ホームページにて、
「これまで2月1日が日曜日となった年には、別日に入学試験を行って参りましたが、2026年度の入学試験は2月1日(日)に行います」
と発表したのです。

偏差値も人気も高いフェリス女学院がこのような発表を行ったことにより、2026年度入試では例年「サンデーショック」に日程変更を行ってきた他のキリスト教系の女子校も、同様の方針をとることを検討する可能性が高いでしょう。

2026年は中学受験界隈にとって一つの大きな変化をもたらす年になるかもしれませんね。

いずれにせよ、まだ先である2026年度入試日程について、2024年度入試を終えたばかりのこの時点で早くも告知したフェリス女学院の姿勢には、懸命に日々学習に取り組む中学受験生への温かい配慮とともに、新しい流れを作ろうとする先駆者の気概すら感じます。

2025年・2026年に受験を控えている皆さんは、気になる学校の公式ホームページやSNSをこまめにチェックし、しっかり受験本番までの作戦を練っていきましょうね。

皆さんの熱い想いや日々のがんばりが、来年、再来年、見事に花開くことを心から祈っています。

【2023年冬期】冬期講習までにしておきたい4年生・5年生の復習のポイント(理科・社会編)

目次

新学年を意識した復習を行う
学年別 理科の学習ポイント
学年別 社会の学習ポイント
理科・社会のおすすめ参考書・問題集

暖冬と言われた2023年ですが、年末になりちらほらと降雪予報も聞こえて来ました。今年も残すところあと少し、風邪など引かず元気に乗り切りましょうね。

さて、先日4.5年生が12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習ポイント、算数と国語についてお話ししましたので、今日は後半として理科と社会についてお話ししたいと思います。

冬休みは一年間で学習した内容の復習に最適なタイミングですが、前回お伝えしたようにSAPIXの場合は特に冬期講習が復習内容ではなくどんどん進むカリキュラムになっているので、不安な単元は冬期講習前までにしっかり押さえておきましょう。

また四谷大塚・早稲アカもここ数年で講習内容が変化し予習内容の扱いが増えてきています。

「講習で復習出来るから良いや」と思わず、同じくできるだけ冬期講習前や年内に復習を済ませておきたいですね。

新学年を意識した復習を行う

まず4年生ですが、2月から新小5カリキュラムがスタートすると、多くの塾で授業が週3日になります。

また4年から5年になるときには各教科(特に算数と国語)の進度や難度が一気に上がり、理科でも物理分野の高度な計算が、社会でも詳しい歴史の学習が始まります。

これまでならった内容は今のうちによく復習しておきましょう。

次に5年生です。

4年から5年への移行期よりは緩やかであるものの、同様に新年度の授業進度や難度はグッと上がります。

また、特にSAPIXに通う5年生で、夏期講習直後のマンスリーテストがボロボロだった人は要注意です。

これは夏の学習が詰め込みや単なる作業になってしまい、内容が身についていなかったことの表れです。

このような場合は、冬休みは量を減らしてでも「考える」機会や時間を学習の中に増やしてください。

この時期が、「なぜ?」「どうして?」と思考・理解して内容を確実に身に付ける学習習慣を得られる最後のチャンスと言っても過言では有りません。

4年生も5年生も、新年度に備えて冬休みにしっかり苦手分野を克服し、理想の学習スタイルを獲得しておくことで、安心してスタートが切れると思います。

一年間の心と身体の疲れをゆっくり癒しつつ、上手に時間を作って取り組んでくださいね。

次に、科目ごとのお話です。

学年別 理科の学習ポイント

4年生

4年生では講習までに植物についてや、生物どうしのつながり、水溶液など幅広く新しいことを学習してきましたね。

前述の通り、新年度が始まるとこれからは物理分野の高度な計算問題を扱うようになります。

これまで習った基礎知識はなかなか復習の機会が無くなるので、今のうちによくさらっておきましょう。

5年生

5年生は今年習った内容のうち特に苦手だったところ、積み残しのあるところを中心に的を絞って復習するのがおすすめです。

植物や昆虫については今後なかなか復習の機会が無いので、今が最後のチャンスと思って取り組みましょう。

音と光や天体については多くの人が苦戦しがちですが、この頃は気象分野も苦手な人が多いようです。

天気の変化についてと併せて日本の特徴的な四季や天気についても確認し、気圧配置やそれに応じた画像の判別もできるようにしておけると良いですね。

冬休みに天気予報で天気の変化を日々チェックするのも面白いと思いますよ。

ちなみにSAPIXの2023年冬期講習では磁力と電気、電磁石についてを中心に学習が進みます。

電気・電流の性質でつまずいた人はよく復習しておきましょう。

学年別 社会の学習ポイント

4年生

4年生では多くの塾で地理分野を中心に学習してきましたね。

今後は歴史の本格的な学習が入ってきます。

地理分野もこれからはそれぞれの地方の産業や気候、工業など、より詳しい内容などを扱っていきますので、都道府県の名前や基礎知識、位置・形、川・平野・半島などの重要地名はこの冬休み中にもれなく復習しておきましょう。

その際、出来れば漢字で書けるようにしておくのが理想です。

また、歴史の学習に備えて自分に合いそうな歴史漫画本を読んでみたり、ちょっとしたスキマ時間を使って、重要な用語を少しずつ頭に入れたりしておくのも良いですね。

5年生

5年生はここまでに様々な時代を学習してきましたね。

苦手な時代はありますか?

特に苦手な人が多く入試にも頻出の幕末や応仁の乱の頃に関しては、しっかり流れを理解し、重要事項・語句は暗記し直しておきましょう。

冬期講習では塾によって扱うテーマが大きく異なりますが、SAPIXでは戦争の時代を扱いますので、それ以前の流れをよく復習しておきましょう。

理科・社会のおすすめ参考書・問題集

最後に、理科・社会の復習・スキマ時間の学習におすすめの書籍を紹介します。


「楽しくおぼえてアタマに残る 謎解き理科用語」


「楽しくおぼえてアタマに残る 謎解き社会用語」

理科・社会で構成は違いますが、どちらも受験で必須になる重要用語に関して、受験生である小学生が自然と興味を持てるように工夫されています。

ただの丸暗記ものではなく、頭の中で「思考する」ことを意識して進められるように作られているので、勉強の仕方を改善したい人にもおすすめですよ。


「改訂版 頭がよくなる謎解き理科ドリル」

中学受験のやさしい問題から応用レベルまで身につくドリルです。

理科が楽しく、好きになるしかけが満載で、冬休みに親子で楽しむのにもってこいです。「ヒント」と「謎解きツール」を有効に活用しながらじっくり考えて、ひとつひとつていねいに解いてみてくださいね。

以下のシリーズは4年生にはまだ早いですが、理科が得意、大好き!という人は思い切ってチャレンジしてみても良いでしょう。


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・知識思考問題」


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題」


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・表とグラフ問題」

合否の決め手となる知識を網羅しているので、塾内テスト対策や総復習はもちろん、入試直前の総まとめまで使えますよ。

また、思考力アップというより暗記がメインですが、SAPIXのコアプラスシリーズ・四谷大塚の「四科のまとめ」も、復習教材としては非常に頼もしく、よくまとまっています。
※「四科のまとめ」はネット書店でも購入できますが、ボールペン付きで割高になっています。
ボールペンがいらないという方は、四谷大塚のホームページで購入するとよいでしょう。

まだ習っていない部分も多いと思いますが、これまで習った部分についてはこの冬にぜひトライしてみてくださいね。

以上、今回は4.5年生が12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習ポイントの後半として、理科と社会についてお話ししました。

寒さにも負けず、中学受験合格を目指してがんばっている皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

新学年、スケジューリングはここに気をつけよう!

目次

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える
スケジュールは親子で立てるのがおすすめ
スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

まだ寒さは続きそうですが、目を凝らせば桜の蕾もほころび、春の気配が感じられるようになりましたね。

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える

さて、新年度が始まり一ヶ月が経とうとしています。

新4年生の皆さんの中には、この2月から塾に通い始めたというお子さんも多いと思いますが、新しい生活には慣れてきましたか?

現時点で通塾に大きな違和感を覚えているお子さんやご家庭は、以前の記事も参考にしながら、あらためて塾との相性を確かめてみてくださいね。

もしも転塾することになったとしても、今ならまだ頑張り次第ですぐに新しい塾のペースに追いつくことも、学習法に慣れることもできる時期です。

そして、この時期、塾との相性の見極めとともに大切なのが「スケジューリング」です。

中学受験勉強の本格的なスタートに当たり、ここから入試本番までのスケジュールを考えることはもちろん重要ですが、新4年生のスタート時点ではまだこの先3年間のことなど漠然として分からない、というのがほとんどのご家庭の感覚だと思います。

ですので、まずはこれから4年生の1年間を過ごしていく上で、一週間をどのような家庭学習のサイクルで進めていけばうまくいくかを第一に考えましょう。

大手進学塾の標準的なカリキュラムでは、4年生の通塾日数は週2日です。

まだ土日に授業があるケースは稀で、多くの塾は確認テストや公開テストがある程度です。

それぞれの塾のスケジュールを確認して計画していってくださいね。

スケジュールは親子で立てるのがおすすめ

スケジュールを立てるときに時に気をつけたいのは「本人だけで作らせない」、かつ、「親御さんだけで作ってしまわない」ことです。

中学受験生には塾の予習・復習・テスト対策などに加え、学校の宿題や、場合によってはクラブ活動や習い事もありますね。

そんな中、どう日々を過ごせば学習サイクルがうまく回るか考え、そのために優先順位を決めたり課題の取捨選択をしたりするのは、受験を成功させるために非常に重要です。

しかし、小学生本人だけでそれを行うのは無理がありますから、ここではぜひ親御さんが力を貸してあげてください。

ただし、「親が組んだスケジュール」というのは、往々にして本人のやる気を削いでしまうものです。

あくまでも計画はまず子ども自身に考えさせ、本人が「私(僕)が作ったスケジュール」と思えるようにサポートしてあげてくださいね。

その上で本人が見落としている内容や、効率的でない部分など気になる点があれば、

「国語の漢字と言葉のテストは火曜日にあるよね。それならいつ、その勉強をするのが良いかな?」
「水曜日はピアノがあるね。他の曜日と同じ量のドリルができるかな?」

というような具合で声がけしつつ、一緒にスケジュールを作り上げていきましょう。

このようなやり方を繰り返すことで、やがて本人自身が自らスケジュールを考えられるようになっていきますよ。

スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

スケジュールを組む際、具体的な中身については、次の2つのことを意識しましょう。

ひとつは「逆算すること」です。

漢字と言葉のテストが火曜日、計算テストが木曜日、隔週に確認テスト……などというように各塾の固定した予定をリストアップし、「いつまでに何を済ませれば良いか」を考えて組み立てていくのがポイントです。

もうひとつは「欲張り過ぎない」ことです。

やる気満々のこの時期に組むスケジュールは、ついつい張り切って詰め込みがちです。

学校の宿題や突発的なイベント・体調不良など、少々負荷が増えたときにも無理なくこなしていけるよう、余裕を持って組むことがうまくいくコツです。

また、一度組んだら絶対にそれを守らなければならないわけではありません。

塾に入ったら最後までそこに通わなくてはならない訳では無いのと同様、初めに作ったスケジューリングで家庭学習がうまく回らない場合は適宜見直し、より良いものに作り変えていきましょう。

また、わたしたち大人も決めたことがうまくやりきれない日があるように、まだ小学生である本人たちには、なおさらそんな一日がたくさんあるでしょう。

親御さんは、お子さんがうまくいかなかった日にも、就寝前にはぜひ「よく頑張ったね」「明日はもっとうまくいくよ」などと笑顔で励まし、労ってあげてください。

叱咤激励もときには必要ですが、親御さんの笑顔こそが、長く険しい受験勉強に挑む子どもたちにとって何よりの心の支えになるはずです。

【中学受験】 大手各塾の“四大模試”を活用しよう!

目次

4月から始まる各塾の公開模試
SAPIX
四谷大塚
日能研
首都圏模試センター

桜の優しい色合いが心を和ませてくれますね。

千鳥ケ淵で毎年行われる“さくらまつり”は、4月2日までの開催予定を7日までに延長したそうです。
今年の桜は暖冬でボケた、とも言われており、開花がまばらで例年より長くお花見が楽しめるようです。

新年度で余裕がなかった人は、この週末にぜひお散歩に出かけてみてくださいね。

4月から始まる各塾の公開模試

さて、中学受験の各大手塾では4月から模試が始まります。

中学受験界隈では「4大模試」と呼ばれる代表的な模試があるのですが、それがSAPIX(サピックス)、四谷大塚、日能研、首都圏模試センター主催によるものです。
今月前半では以下の日程で予定されています。

SAPIX/4月14日(日)第一回志望校判定SO(サピックスオープン)
四谷大塚/4月7日(日)第一回合不合判定テスト
日能研/4月7日(日)実力判定テスト
首都圏模試センター/4月14日(日)合判模試
(いずれも6年生対象)

模試は受験生にとって非常に大切です。

自分の学力の到達度や、志望校との距離感が現在どれくらいなのか(同じ志望校を目指す受験生の中でどの辺りに位置しているか)の指針になります。
また、データをよく分析することで苦手な科目やそのジャンル、学習の抜けが明確になり、課題の把握にも役立ちます。

それぞれの模試で特徴やレベルが異なりますので、今日はその活用法についてお話しします。

SAPIX

こちらの「サピックスオープン」が、SAPIXの名物模試です。

いわゆる御三家や最難関校受験を見据えた模試のため、非常にレベルが高いです。
志望校が御三家や最難関校である場合は必ず受けておきましょう。

母体(試験を受ける生徒)の成績が高めなので、偏差値が低く出ることも特徴です。

サピックスオープンには主に、前期に実施される「志望校判定」、後期に実施される「合格力判定」、そして志望校の傾向を反映させてタイプ別に作成された「学校別」があります。

志望校判定は志望校・併願校の選定、合格力判定は志望校の決定・併願校の調整にも大いに役立ちます。
学校別は同じ目的を持つ生徒が集まるため、高い精度で結果が出るので、自分の志望校向けの模試がある場合はできるだけ受けるようにしましょう。

例年実施されている学校別模試
男子:麻布・栄光学園・開成・慶應藤沢・慶應中等部・慶應普通部・駒場東邦・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・聖光学院・筑駒・灘・武蔵・早稲田・早稲田実業・早大学院

女子:桜蔭・慶應湘南藤沢・慶應中等部・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・豊島岡・フェリス・雙葉・早稲田実業
※2024年度の詳細は7月頃、SAPIX公式ホームページに掲載予定です。

四谷大塚

こちらの代表的な模試は全6回実施される「合不合判定テスト」。
設立70年近い大手塾による、約50年も前から実施されている模試です。

受験生で受けない人はいないと言われるほどの、首都圏随一の模試であり、受験生が7000人程度にとどまるサピックスオープンとは異なり、幅広い成績層の1万2000人程度が受験します。

御三家・最難関校を強く意識したサピックスオープンとは異なるため難度はやや下がりますが、一問一問が多少易しくなる分、問題数が多く、特に算数はその傾向があり、スピードが鍵になります。
国語も文章はやや易しいものの記述量が多めなので注意しましょう。

時間配分に気をつけながら解く試験の練習や、実践的な判断力や感覚を養う目的としても有効です。

模試の結果は、SAPIXの偏差値より5〜7程度偏差値が高く出る傾向があります。

「採点済み答案」はテスト翌日pmからホームページで順次公開、「結果資料集」はテスト実施後の水曜日夕方から、ホームページで閲覧可、「個人成績表」はテスト実施後8~10日後に自宅に届きます。
解説IT授業があるので、弱点補強がしやすいのも特徴です。

またサピックスオープンと同様、試験会場は日本全国にある本当の中学校の教室を選べるため、こちらの模試を受験することで入試本番に近い緊張感や環境を体験でき、本番に向けた「会場慣れ」も期待できます。

※国公私立中学向けの合不合判定が有名ですが、年に2回、公立中高一貫校対策実力判定テストもあります。
公立中高一貫志望の場合はぜひ受験しましょう。
本番同様「適性検査」となるため、明確な科目ごとの試験ではありません。

日能研

日能研の全国公開模試は、6年4月は実力判定テスト、5・6月は志望校選定テスト、7月は志望校判定テスト、9月〜入試直前は合格判定テストと名称が異なりますが、大きな違いはありません。

SAPIX、四谷大塚よりも易しい標準レベルの出題内容です。
いわゆる中堅校を志望している場合は最適と言えるでしょう。 

結果はSAPIXの偏差値より6〜8程度高く出る傾向があります。

R4(ほかにR3・R2)という、独自のデータや入試結果から算出した、合格率80%(R2・3はそれぞれ50%・20%)を示す偏差値を用いており、入試の試験日・定員・入試科目の動きと「合格判定テスト」の結果から合格可能性(R4)を予想してまとめた一覧表があるのも特徴です。

「会員用Webサイト」では最短で試験日翌日に情報が掲載され、成績情報はもとより、学校情報、弱点の処方箋等、「志望校合格」がより具体的になるためのきめ細かな情報が得られます。

また、日能研の模試も現在は実際の中学校での受験が可能です。

首都圏模試センター

こちらの合判模試は標準よりかなり易しいレベルです。

小学校の授業をきちんと学習していれば満点とは行かずともある程度の成績が取りやすく、御三家・難関校志望の場合は結果が参考になりにくいと言えます。
中堅校〜偏差値がやや低めの学校を志望している場合は受けてみましょう。

塾が主催する模試ではないので受験者数は非常に多いです。各大手塾に比べて偏差値がかなり高めに出るため、そのままSAPIXや四谷大塚の偏差値と置き換えて考えないように注意しましょう。
具体的には、SAPIXよりも15くらい高めに出る傾向があります。

首都圏模試センターは合判模試のほかに、適性検査型模試も実施しています。
公立中高一貫校志望の場合は模試の機会が少ないため、四谷大塚の模試と併せてぜひ受験してみてください。

本番までに受けるべき模試の回数というものは特にありませんが、たくさん受ければ良いというものでは決してありません。
模試は基本的に土日祝日に実施されます。
基本的に受験するとなると1日がかりになってしまうので、その分勉強時間が削られることを忘れないようにしましょう。

受験後に分析や復習、浮き彫りになった課題の対策・演習を行う時間をきちんと確保できるよう、計画的に受けることが大切です。

5年生頃からは少なくとも受け始め、6年生では前期に少なくとも2〜3回、後期は月1回程度受けるのが平均的です。
ただし、模試どころではない状況の場合は、貴重な1日を模試より学習に割くべきケースもあります。
時期や一人一人の学習状況によりその判断は異なるので、迷ったらよく塾の先生や家庭教師に相談してみてください。

また、公立中高一貫校の場合は私立と問題傾向が大きく異なり、基本的に2科目や4科目といった試験ではありません。

文章力や思考力、科目を横断した総合力が求められるため、模試もそちらに特化して作られたものが必要です。

例年では以下のような模試が実施されているため参考にしてください。

四谷大塚:公立中高一貫対策実力判定テスト
日能研:公立中高一貫校適性検査テスト
首都圏模試センター:適性検査型模試
ena:都立中学校別合格判定テスト
早稲田アカデミー:適性検査対応力判定模試など

また、色々な模試を受けた方がよく実力が分かると思ってしまい、毎回あえて別な模試をチョイスする人もいますが、基本的には自分の志望校のタイプや偏差値のレベルに合わせ、どの模試を主軸にしていくのかを決めておくのがおすすめです。
学習到達度や現在の位置(合格可能性)の変化は、基本的に同じ模試を続けて受け、その中で結果がどう推移して行くかを追っていく方が正しく把握出来ますよ。

前述の通り、模試はたくさん受ければ良いものではなく、大切なのは受験後にそれをどう活かすかです。
結果に一喜一憂せず、冷静に自分の現状を受け止め、得意科目・ジャンル、苦手科目・ジャンルをよく分析してください。
そこから、志望校に向けて何が足りないか、どこを伸ばすべきかよく考え、本番までの時間を逆算して対策していきます。

復習をしっかり行い、1か月〜3か月後に再び同じものに取り組むのも良いでしょう。
この作業により復習の完成度が上がり、繰り返しやることで知識も記憶にしっかりと定着させることができます。

テストの分析〜志望校に向けた対策・本番までの計画を自分1人の力で行うのはなかなか難しいので、その際は塾の先生や、中学受験指導の経験豊富な家庭教師の手も借りるのがおすすめですよ。
毎日がんばっている皆さんの努力が最大限報われるよう、いつも応援しています。

2・3月は新しい学習サイクルの構築を目指して

目次

1年でいちばんつまずきやすい時期
ポイントはこれまで「余裕」があったか
もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

1年でいちばんつまずきやすい時期

各塾共に、受験が一段落し新年度の授業が始まりました。

新小5生にとっても新小6生にとっても、この2月から3月が大切な時期になりますね。

そして、今が1年で一番つまずきやすい時期でもあります。

それは、学習内容、レベルが一段階高まることで、これまでの学習スタイルが通用しなくなる危険性がある時期だからです。

この時期につまずく子が多い一方で、軽々と一段高くなった学習内容をクリアしていく
子どもたちもいます。

その見分け方は意外に簡単です。

ポイントはこれまで「余裕」があったか

これまでの生活に、じゅうぶんな余裕の時間があったかどうか。
これまでの生活に、豊かな気持ちの余裕があったか。

この2点から、これまでのお子さんの生活を振り返っていただきたいのです。

気持ちの余裕は、知的好奇心を育てる基盤になります。

いつもいつも勉強に追いまくられているという脅迫感を持っている子どもには知的好奇心が育たず、目先のテストの点数だけにこだわってしまうことになります。

「点数を取りたい」という気持ちは非常に大切です。

その気持ちが、お子さんを

「次のテストで点数を取るために、とりあえずやり方を丸暗記してしまおう」

という行動に向かわせるか、

「自分自身の頭の中で、納得いくまで考えて理解する」

ための行動に向かわせるかで、結果は大きく異なってきます。

もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

「もう既に、目一杯になってしまっている」というお子さんは要注意です。

学年が上がれば、学習内容は一段難しくなり、しかも、学習しなければならない量は、1.5倍程度に増えます。

今すでに目一杯になっているという自覚があるなら、勉強量を減らして、その上で成績を上げていける勉強方法を見つけ出してあげる必要がありますね。

学習すべき内容を上手に取捨選択することで、一つ一つの問題に向き合う集中力が高まり、結果的に少ない学習量で成績を上げてきた子どもたちを、私は数多く見てきました。

もし、お子さんの日々の学習が、「あたふたとした、丸暗記学習」になっていると感じられたら、ここ1・2ヶ月の間に対策を取ってあげてください。

ポイントの1つに、4・5年生までは、できれば日曜日を丸一日空けた状態にしてほしいということがあります。(模試などの日を除く)

6年生になると、どうしてもやるべきことが多くなり、また特訓(早い塾では2月から日曜の特訓が始まります)などにより、日曜日の学習量が多くなります。

それは仕方がないことなのですが、4年生・5年生の段階で日曜日を学習で埋めてしまっていると、6年生になると破綻してしまうのです。

ぜひこの2ヶ月で、新しい学習サイクルの構築を目指してみてください。

春休み前に一度、振り返りができればいいですね。

中学受験 2024年の軍配は? ~新年度、塾との相性を見極めよう~

目次

2024年度入試 ふるわなかったサピックス
今一度、塾の選び方について考えてみる時期
お子さんの進路も進学先も多様化している

暖冬もそろそろ終わりかという今日この頃、突然の大雪には驚きましたね。

当日関東では、跡見学園など受験最終日だったご家庭も少なくなかったようですが、皆さんは無事試験を終えることが出来ましたでしょうか。

多くの生徒さんが進学先も決まりホッとしているところかと思います。

受験生の皆さんはもちろん、様々な形で御本人をサポートされていた親御さん方も本当にお疲れ様でした。

2024年度入試 ふるわなかったサピックス

さて、2024年中学受験、蓋を開けるとその結果は今のところ早稲アカがやや躍進、SAPIXがふるわず、むしろ例年にない残念な結果、といった感じです。

特に開成や桜蔭など御三家の合格者数では、SAPIXが男女ともすべての学校が昨年から減少しており、聖光学院や渋幕などの人気校も同様の結果でした。

こちらのメルマガやコラムでもいつもお伝えしている通り、SAPIXの御三家・難関校対策やテキストには素晴らしいものがありますが、「SAPIXに入れば安心」では決してないということを、この結果も踏まえ、改めて認識していただければと思います。

入塾・転塾の最良のタイミングは新年度スタート(2月〜)ではありますが、どちらの塾を選ばれたご家庭も、塾とお子さんの相性に違和感を持たれている場合は無理して通わせ続けることなく、ぜひ一度、中学受験の経験豊富なプロ家庭教師や塾の先生によく相談なさってみてくださいね。

今一度、塾の選び方について考えてみる時期

長年SAPIXは御三家合格占有率でトップを走り続け、「御三家ならSAPIX一択」「SAPIXに入れば安心」と言われ続け、近年では受験学年での確実な通塾(席の確保)のため、低学年からの入塾・席の取り合いや、それに伴う各教室の生徒募集停止が話題になっていました。

しかし、今年のこのような結果を受け、優秀な成績の生徒さんたちが早稲アカなど今年合格率を伸ばした他塾への入塾・転塾を希望されることも大いに予想されます。

その場合、数年後には「サピ一強」と言われた時代も終わりを迎えることがあるかもしれません。

これを機にというわけではないですが、御三家や難関校を目指されているご家庭の皆さんは、どの塾が良い・悪い等の巷のウワサに流されず、お子さんの資質や性格・成績・志望校と、通われている塾の相性が本当に良いかどうか、私が主任相談員を務めるサイト「中学受験情報局」に書いたこちらの記事も参考に改めて見直してみてください。
(もちろん塾を使わない受験も、お子さんによっては選択肢の一つです)

お子さんの進路も進学先も多様化している

また、そもそも志望校や憧れのチャレンジ校が御三家・難関校ではない、というお子さんも今は増えていますね。

グローバル教育に熱心な学校に通わせたい、中高一貫で伸び伸びすごせる学校が良い、アクティブ・ラーニングで学べる授業を受けさせたい等々……

志望校自体の多様化に合わせ、多くの塾で、中高一貫校用の適性検査対策・作文対策など、以前より様々な対策や講座が用意されています。

我が子の志望校に特化した対策を行っている塾はどこか?合格実績が良い塾はどこか?

そんなことも、ぜひ各塾に問い合わせたり、調べてみたりして比較検討していただけたらと思います。

日々奮闘する中学受験生の皆さんに、この記事が少しでも力になれたら嬉しいです。

【新6年生のご家庭へ】新しい学年に備えて1月下旬にしておきたいこと

目次

正しいテスト結果の検証方法とは
6年生でどのクラスを目指すのか
範囲のない実力テストの解き直しを大事にしよう

1月も下旬、すでに新学年の組分けテストが行われた、という塾も多いと思います。

結果はどうだったでしょうか。

親御さんにはぜひ、結果を正しく検証していただきたいと思います。

正しいテスト結果の検証方法とは

テストの検証を「正しく」というのは「点数が足りない」「偏差値が下がった」といった結果だけでなく、間違った問題に関して、きちんと原因を確認しておいてほしいのです。

テストでの失点の原因は、大きく分けて次の5つがあります。

1. ミス
2. 知識不足・理解不足
3. 時間配分
4. 問題文の読み取り
5. 作業が雑など

1. のミスに関しては、本人や親御さんがミスだと思っていても、実は2.の「知識不足」ということが多くあります。

理科の計算、思考系の問題などで、問題文に示された条件を表のように整理してから解かなければ混乱して間違いやすい、という問題があります。

このような問題を頭の中だけで考えて解いているお子さんは、2.のように「表にすればいいということを知らなかった」というケースと、5.のように「わかっていたけど端折った」というケースでは、次のテストへの対策は大きく違ってきます。

ぜひ時間のある1月末〜2月初旬(6年生の受験時期は塾が休みになることも多いと思います)に、組分けテストを上記の1.〜5.に照らし、確認してみてください。

6年生でどのクラスを目指すのか

新6年生になる5年生のお子さん、親御さんは、ぜひ「新学年でどのクラスを目指すのか」を確認しておいてください。
もちろん「上のクラスほどいい」とも言えるのですが、志望校に合格するのに最低限度のクラスを目標にすればいいかを意識していただきたいのです。

お子さんの志望校に、どのクラスなら合格できる可能性が高いのか。
これは塾で教えている先生なら感覚的に知っていると思います。

ですから塾の先生に単刀直入に質問してみるのもいいですね。
また、新学年の説明会でデータを公開する塾もあると思います。

目指すところがわかれば、あとは現状とのギャップを確認しましょう。

ただギャップが大きいと、まず何に取り組めばいいかわからないし、目標があまりに離れていると感じると、モチベーションも下がります。

まずは「クラスを1つ上げるには、あと1つ、何ができればいいか」を考えるようにしましょう。

目標は、6年生の前期(7月まで)に目標のクラスに入ることです。
夏休み以降は、本格的な志望校別の対策に入っていくからです。

範囲のない実力テストの解き直しを大事にしよう

これは各学年共通なのですが「習ったばかりのときには覚えているが、時間がたつと忘れてしまう」というお悩みはよく聞きます。

もちろん過去のことを忘れていくのは自然なことなのですが、塾で目まぐるしくいろんな単元を習っていると、眼の前のことに忙殺されがちです。
こうなると、以前に習ったことを振り返る時間が取れなくなっていくのです。

そこで大切なのが、範囲のない「実力テスト」です。
もちろん、実力テストで結果を出せるといちばんいいのですが、テストは結果だけでなく内容もしっかり活用したいですね。

間違った問題に関しては全部解き直すのではなく、正答率表を活用し、一定以上の正答率で間違ったものを解き直しの対象にしましょう。
解き直しに関しては、上記の1.〜5.の項目を参考に「なぜ間違ったのか」「どうすれば次回のテストで得点できるか」を考えましょう。

テスト直しを嫌がるお子さんも多いのですが、間違った問題や点数、偏差値などの結果でお子さんを責めず「知識不足などが今見つかってよかった」「次に得点できればいいね」というアプローチでお子さんに接することができればいいですね。

新しい学年が始まる目前の1月後半、ぜひ組分けテストの解き直しを通して、新学年のテスト直しの「予行練習」をしてみてください。

【新5年生・新6年生のご家庭へ】塾での新しい学年を前に 親子で備えておきたい学習の準備

目次

4年生〜6年生、塾の負担の違い
学年が上がることによる、学習内容とレベルの違い
塾の授業の受け方にもアップデートが必要

1月、塾での新しい学年が迫っています。

特に新5年生、6年生のご家庭には、2月からの学習の変化を予測し、備えていただければと思います。

学年が上がると通塾日や塾での拘束時間が増え、学習量が多くなるというのはよく言われることですが、具体的な例を上げながら対策を考えていきましょう。

4年生〜6年生、塾の負担の違い

「学年が上がると塾の負担が大きくなる」と聞いたことがあると思います。
お子さんの塾での「学年がわり」をすでに経験されたご家庭のみなさんは、すでに身をもって体験されたのではないかと思います。

学年が上がるとどのくらい塾の負担が増えるのか、具体的に見てみましょう。

サピックスの場合、4年生は通常授業(デイリー)の授業は180分×週2回=360分。
5年生になると、180分×週3回=540分となります。
また1授業の長さも4年生が60分なのに対して、5年生は90分になり、1回の授業中の集中力も求められることがわかります。

これが6年生では、240分×週2回=480分と、平日の負担はぐっと減ったように見えますね。
しかしサピックスの場合は「土特」と呼ばれる特訓が毎週土曜、ほぼ必須となり、土曜の拘束時間は300分。
5年生のときに、平日の学習時間の不足を土曜になんとかしていたというご家庭は、時間のやりくりが苦しくなります。

他塾でも概ね同様で、日能研では4年生は週2日、5年生は週3日、6年生になると週3日に加えて2月から前期の「日曜特訓」が始まります。

いずれの塾でも、学年が上がるにつれて通塾時間や日数面での負担が増えます。

時間や日数の負担が大きくなるということは、塾でこなす問題量も多くなるということ。
したがって、家庭学習として指定される課題もどんどん増えるということです。

学年が上がることによる、学習内容とレベルの違い

見逃せないのが、学年が上がることで毎回の授業で習う内容も、当然レベルアップしていくということです。

4年生では1つの単元を2週に渡って学習していたものが、5先生では1週で、しかも4年生で学習した内容は「習得済み」という前提で授業が進められます。
たとえば日能研では、4年生の小数に関する学習は4週にわたるのですが、5年生ではたった1週しかありません。

国語の読解問題でも、扱う素材文の長さ、選択肢問題のそれぞれの字数も多くなっていきます。
同じ「長文読解の問題1問」でも、こなすのにかかる時間も労力も大きくなる、ということです。

このように、通塾日数が単純に週1日増えたというだけでなく、1回1回の授業で扱う内容も幅広く、レベルも上がっていきます。

この変化に対応するために、授業への取り組み方にも変化が求められることになります。

塾の授業の受け方にもアップデートが必要

学年がわりを控えた今、ぜひ授業の受け方に関しても、お子さんに「アップデート」を促してあげていただきたいと思います。

意識していただきたいのは、次の3点です。

1. 先生が話しているときにはノートを取らない

先生が説明をしている間も、黒板をノートに写すのに夢中になってしまって説明が聞けない・・・
これは、授業がわからなくなる子によくあるケースの1つです。
こういったことを防ぐために「先生が説明を始めたら、書いている途中でも手を止めて聞くんだよ」というアドバイスが、改めて必要なお子さんも多いと思います。

2. 先生の顔を見て話を聞く

先生の説明を聞くときには、ぜひ顔を上げて聞くように、お子さんにアドバイスをしてあげてください。
「話を聞くときには、人の目を見て聞きなさい」とはよく言われますが、やはり音声だけを聞くより、その人の身振り手振りをあわせて見たほうが、情報が多く入ってきます。

3. 先生に自分の顔を見せながら授業を受ける

授業中に先生を見るのも大切ですが、自分の顔を先生に見せるのも、とても大切なことです。
先生は、授業をしながら常に生徒たちの反応を見ています。
説明したときに反応が悪いようなら「今の説明ではちょっと分かりづらかったかな。ではもうちょっと噛み砕いて説明しようか…」と、より多くの子どもの理解度が上がるように工夫しているのです。

だから、お子さんが顔を上げて授業を受けていると、意識せずとも先生にメッセージを送ることができるんですね。

新学年を迎えるにあたり、上記のようなことを、あらためてお子さんに伝えていただければと思います。

「言われているようなことはやってみたけど、家庭ではどうにもならない」というご家庭もあるかもしれません。
オンライン相談などご相談の窓口を我々もご用意していますので、必要であればご連絡をいただければと思います。