【関西中学受験情報】浜学園 希学園 6年生の合否判定テストについて

           都関近影            

都関靖治 関西統括

浜学園で算数科の中軸として長年活躍し、6年生男子最難関クラスから4年生の下位クラスまで全クラス帯の幅広い指導経験を持つ。 灘中、甲陽中、洛南中、神戸女学院中、東大寺中、星光中、洛南中、洛星中、白陵中など関西の最難関中に、多数の合格者を輩出してきている。

名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

■6年生が対象となる合格可能性を判定するテスト

今回のコラムでは、6年生が対象となる志望校の合格可能性を判定するテストについてお話ししたいと思います。

6年生になる以前でも、浜学園の「小5 志望校判定模試」や希学園の「小5 合否判定テスト」などのように、中学受験の合格可能性を判定するテストは行われていますが、本格的な判定テストが実施されるのは6年生になってからです。

「灘中オープン模擬入試」や「プレ星光・洛星・六甲・西大和中入試」のように中学校名をつけた「冠テスト」が年に何回もありますし、より多くの中学校について合格可能性を判定する「浜学園 小6合否判定学力テスト(4月・6月・8月・10月)」や「希学園 小6合否判定テスト(3月・6月・9月・11月)」もあります。

6年生が始まって間もない3月や4月から志望校の合格可能性を判定するテストを行うことができるのは、この2塾の学習カリキュラムに理由があります。

首都圏を中心とする大手進学塾が5年生から6年生の夏前までの1年半をかけて受験に必要なことを指導することが多いのに対し、関西エリアの主な大手進学塾は5年生の1年間で一通りのことを終える学習カリキュラムとなっているため、6年生のはじめから志望校の合格可能性を判定するテストを行うことができるのです。

■合格可能性を判定するテストの出題範囲

従って、6年生の春先に行われる1回目の合格可能性を判定するテストから、出題範囲は「全範囲」となっています。

具体例として、2019年4月28日に行われた浜学園の「第1回 小6合否判定学力テスト 算数」の出題分野を見てみましょう。

出題分野  算数  算数 
数の計算  (1)(2)(3)(4)(5)  1-(1)(2) 
数の性質  (6)(7)  23 
単位と量    1-(3) 
割合  (9)(10)   
速さ  (14)(15)  6 
2量の関係     
平面図形  (12)(18)(19)  57 
立体図形  (13)(16)(20)   
文章題  (8)   
その他(場合の数、推理・論理)  (11)(17)  4 

※浜学園の「合否判定学力テスト 算数」では、1行問題形式の算数Ⅰと大問形式の算数Ⅱの2つのテストが行われます。

上記の表のように、6年生の4月に行われるテストでもほぼ全ての分野からまんべんなく出題されています。

■合格可能性を判定するテストの対策

では、このようなテストの対策はどのようにすればよいのでしょうか。

はじめにしておくことは、どの分野について対策をするのかを決めることです。

「数の計算」については、「小6 計算&小問 完全マスター」(浜学園)のように毎日取り組めるような塾教材で練習をしていますので、まちがえやすい問題は分かっていると思います。

また、「数の性質」は6年生の2月・3月に塾で学習したばかりですので、どのような問題が苦手なのか、マスターコースやベーシックの復習テストを見ればわかります。

また、希学園の場合は春期講習で「数の問題」と「平面図形」(除:灘コース)を、浜学園でも「平面図形」と「立体図形」を春期講習で取り扱いましたから、テストにむけてすべきことがはっきりしているでしょう。

しかし、「割合」や「速さ」、「場合の数」などの問題は取り組む機会があまりありませんでしたから、忘れかかっていることもあるでしょうし、具体的にどのような問題が苦手だったか分からなくなっているかもしれません。

5年生の教材や復習テストは量が膨大なため、これらを利用してすぐに振り返りを行うのは難しいでしょうが、この2月と3月の「公開学力テスト」や「公開テスト」を活用すると、比較的短い時間で確認することができます。

というのも、6年生の「公開学力テスト」や「公開テスト」も出題範囲が無制限となっていますので、「割合」や「速さ」、「場合の数」の問題が出されているからです。

そこで、これらのテストをチェックして対策が必要な分野を絞り込みます。

分野が決まったら、次は取り組む優先順位です。

西村が提唱する「○△×方式(○:必ず解けると思える問題 △:自力で解くには自信がない問題 ×:よく分からなかった問題)」を応用しましょう。

対策をする時間は限られていますので、つい気になりがちな×の分野はいったん保留にして、△の分野=もう一息で解けるような分野や問題を優先順位のトップにします。

その際、同タイプの問題だけでなくその周辺知識となる問題も含めることがコツです。

例えば、2月の希学園の6年生の公開テストの問題3-(1)は「順列」に関する問題でしたが、この問題の間違い直しが解説を見てできた(=△)のであれば、「順列」とその周辺知識である「組み合わせ」の復習をする、といった具合です。

浜学園の4月の合否判定学力テストは目前なので厳しいかもしれませんが、6月の「合否判定学力テスト(浜学園)」や「合否判定テスト(希学園)」まではまだ少し時間があります。

お通いの塾の先生にアドバイスをいただくなどして可能な範囲の対策をしておきましょう。

       

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