目次
効果がない漢字学習のやり方
漢字をしっかり定着させるのに有効なやり方
おすすめ教材の一例
不安定な気候が続いていますが、中学受験生の皆さんは夏風邪をひいたりせず元気に過ごしていますか?
西日本は梅雨明けから真夏並みの気温にさらされており、ジメジメと梅雨前線が停滞する東日本はカンカン照りとゲリラ豪雨を繰り返す毎日です。
中学受験生の皆さんは、「まだ夏本番ではないから」と油断をせず、意識して水分やミネラル、適度な休息を取って過ごしてくださいね。
さて、皆さんもご存知の通り、中学受験界隈において、夏休みは「受験の天王山」と呼ばれています。
そして、以前もお伝えしたように夏休み前の6.7月こそが、それを万全な状態で迎えるための大切な準備期間です。
特に大手中学受験塾に通っている場合、夏休みの過密スケジュールの中で自分が自由に使える時間は案外少ないですから、夏休みに過度な期待をして学習を先送りしたり積み残ししたりしないように気をつけましょう。
特に理科・社会の暗記事項や国語の漢字・語句など、コツコツ身に付けなければならない知識分野はできるだけ今のうちから少しずつ手をつけ、可能であれば夏休み前に一巡しておくのが理想的です。
そこで今回は、そのような知識分野の中でも、特によく相談が寄せられる「漢字の学習方法」についてお話しします。
もしも皆さんの中にも、「漢字が上手く覚えられない」「必要なタイミングでは覚えられるけれど、その後すぐ忘れてしまう」という悩みを抱えている人がいたら、ぜひ以下のような覚え方をしていないか確かめてみてくださいね。
効果がない漢字学習のやり方
×知らない漢字や熟語の意味を確認せず、ひたすら何度も書く。
×答えが隠れる赤シート等が付いた問題集や単語帳で覚える(目だけで覚える)。
×漢字の問題集を解き終えたら、すぐまた別の問題集に取り掛かる、という具合に何冊も解く(同じ問題集を一度しか解かない)。
×テスト直前に覚え、テストで間違えてもそのままにする。
これらはどれもその場しのぎのやり方です。
漢字を定着させる工程が踏まれていないので上手く覚えられず、覚えたようでもすぐに忘れてしまうのです。
もし上記のやり方に心当たりがあった皆さんは、今日からぜひこのようなやり方に切り替えてみてくださいね。
漢字をしっかり定着させるのに有効なやり方
◯漢字、熟語の意味を理解しながら覚える。
◯間違えたものは必ず直しを行い、手を動かして(書いて)反復する。
◯自分だけの間違いノートを作り、テストや授業でミスが発生するごとに更新する。
◯(漢字学習に)できるだけ毎日取り組む。
漢字を学習する際、意味もわからず書きまくるだけでは記憶に残りません。
英文を覚えるときに単語・言葉の意味や文法、和訳、を理解している方が覚えやすいのと同じで、漢字・熟語も部首や成り立ち、意味を理解している方が覚えやすく、きちんと定着させることができます。
また、答えが隠れる赤シートや単語帳を用いた「目」だけの学習は、やった気にはなるものの、あまり効果はありません。
特に、読みの暗記は出来ても、なかなか書けるようにはならず、いざテストに書き取りの問題が出ても、トメハネの記憶が曖昧であったり、送り仮名を間違えたりしがちになってしまいます。
ですから、これらのやり方は通塾のスキマ時間などに補助的に用いるのは良いのですが、基本的には漢字は書いて覚える=身体で覚える、ということを、よく覚えておいてください。
そして、漢字学習の際、問題集を1度解いただけで終わりにして、次々と新しいものを解くやり方はおすすめできません。
漢字は「完璧に」覚えなければならないので(記述と違い、トメハネや送り仮名など、ミスが一つでもあれば得点にならないので)、そのやり方では、どんなに素晴らしい問題集も効果を最大限に活かすことができないのです。
まずはこれと決めた1冊にとことん向き合い、その1冊が完璧に仕上がったら、さらに難度の高い問題集に取り組む、という進め方をする方が、ずっと効果的ですよ。
漢字は「急がば回れ」です。
面倒で回り道のようでも、漢字や熟語の意味をきちんと調べてよく理解し、「目」だけではなく、実際に「手」を動かす演習を繰り返してみてください。
毎週のテストでも、効果は抜群のはずです。
そして、それでもテストで間違ってしまったときは必ず間違い直しをしましょう。
ミスしたものは漢字そのものだけではなく、問題文や例文とともにきちんとノートに記録し、万が一再度その漢字を間違えた場合にはそこに印をつけていきます。
そうすることで、自分が間違えやすい漢字や、そのタイプが判ってきますよ。(例えば「保証・保障・補償」のような〈同音異義語〉や、「秋刀魚」「心太」のように簡単だけれど間違えやすいものなど)
朝食前の5分間でも十分なので、この時期から毎日取り組めると良いですね。
おすすめ教材の一例
6年生で漢字が苦手な場合は『漢字マスター1095題 6年』(日能研)、基礎が身についている場合は『中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2606問』(旺文社)などが取り組みやすいです。
参考書としては、小学校で習うすべての漢字が学年別に収録されている『SAPIXの漢字学習字典 SAPI漢』(サピックス)も良いと思います。
イラスト付きで、漢字学習が楽しくなる知識も紹介されているので4年生でも使えます。
サピックスの校舎だけでなく、ネットや書店などでも購入できますよ。
『小学漢字 1026字の正しい書き方』(旺文社)はポケットサイズで持ち歩きやすく、書き順が一画ずつ示されている上、熟語も豊富です。
すべての漢字に添えられた、文字の成り立ちに関するコラムも、漢字の理解に大変重宝します。
漢字学習は読み書きだけでなく、熟語・対義語・類義語などの知識や語彙力のアップ、ひいては国語力そのものの底上げに繋がります。
夏休みまでに終えておくと特にメリットが大きい知識学習の一つであり、心の余裕と自信にも繋がるので、ぜひトライしてみてくださいね。
中学受験生の皆さんが心も身体も元気に充実した夏を過ごし、コツコツ取り組んだ暁には大きな結果がついてくることの楽しさ・喜びを体感できるように願っています。
受験相談・体験授業お申込み
必須の項目は必ず入力してください。