中学受験

【中学受験】面接試験② ~当日の服装・これだけは気をつけたいポイント~

目次

自分の軸となる部分を確認しておこう
最低限のマナーを守ろう
面接時の服装について
親子面接の注意点は?
最後に

朝の冷たい空気が、新たな一日をスタートする私たちの心身を清めてくれるような、冬らしい気候になりましたね。

さて、前回の記事では、中学受験の面接にまつわる基本的なことをお伝えしました。
今回は、面接の際「これだけは気を付けたい」ポイントや、当日の服装についてお伝えします。

自分の軸となる部分を確認しておこう

面接は、目の前にいる面接官(先生)の目をしっかり見ること、丁寧な言葉遣いで、落ち着いて真摯に受け答えすることが第一です。

前回もお話ししたように、嘘をついたりつくろったり、何十ものパターンをシュミレーションして解答を丸暗記しておいたりする必要はなく、基本的には聞かれたことについて「その場でよく考え、自分の言葉で素直に返答」すれば問題はありません。

ただし、やはり最低限の準備として、自分がなぜこの学校を志望しているのか、入学してどんな生活が送りたいのか、自分の長所や短所は何か、など、自分の軸となるような部分は、当日までに改めて確認しておきましょう。

最低限のマナーを守ろう

<やってはいけないこと、避けたいこと>

・ノックをせずに入室する
・勧められる前に勝手に座る
・初めと終わりに礼をしない
・携帯をいじったり、着信音を鳴らしたりする
・学校の方針を批判する。(たとえばキリスト教を重んじる学校の面接で、その宗教の考えを否定したり、それにまつわる教科を否定すること)
・通学ルート・通学にかかる時間について答えられない。

形式張る必要はありませんが、最低限のマナーは守りましょう。
学校の方針と自身の考えがあまりにかけ離れている場合は、あらかじめ志望校を再検討するのが良いでしょう。
学校に通う方法や時間を自身で把握できていないと、志望の本気度が低いことや、普段から親任せである生活態度が伝わってしまうので気をつけましょう。

面接時の服装について

最も簡単なのは、卒業式や入学式などの式典をイメージすることです。

まずは、学校側の指示をよく確かめましょう。
普段の服装で、とある場合も多いですが、さすがにカラフルなトレーナーやジャージ、ジーンズでは周りの受験生の様子とあまりに違い、自分自身が落ち着かなくなる可能性があります。

特別な自身のこだわりがない限りは、黒や紺のブレザー、ワンピース、私立の小学校に通っているならばその制服などが良いでしょう。

髪が長い場合は、ゴムやピンで押さえておくと、お辞儀の際に都度髪を整えるわずらわしさもなく、清潔な印象を与えることができます。

また、学科試験と面接試験が同日の場合、合間に上から下まで着替えるのは難しいです。
学科試験中はブレザーなどの窮屈な上着を脱いでおき、寒さ対策としてカーディガンやセーターを中に着たり持参したりしておくと良いでしょう。

室内は暑すぎるのに、控えの廊下は寒すぎるなど、校舎内でも色々な状況があり得ます。
セーターやカーディガンは分厚いものを1枚着るのではなく、薄手のものを重ね着しておくのがおすすめですよ。

寒さが心配な場合は、使い捨てカイロや膝掛けも重宝します。

親子面接の注意点は?

親子面接は年々減っており、2026年度は頌栄も中止となりましたが、今年度も慶應中等部(一次試験合格者のみ)など一部の学校では引き続き実施される予定です。

その際、親御さんは紺、黒、グレー系のスーツ、ジャケット、膝の隠れるワンピースを身につけ、ネイルは磨くのみ、もしくは控えめなカラーにとどめる方が多いようです。

個人面接の注意点と基本的に変わりませんが、親子面接では、問われたことに全て親御さんが答えてしまうことがないように気をつけましょう。

また、家族関係や、志望動機などに関する発言が皆さん自身と親御さんであまりにも食い違っていると、家族関係が良好ではないのではないか、親が強要した受験なのではないかと疑われてしまう可能性があります。

事前にお互いの意見や考えをあらためて確認し合っておくと安心ですね。

最後に

本番前に、改めて学校のパンフレットやホームページで、その沿革や教育方針を熟読しておきましょう。
面接時間や人数、方式を確認し、親御さんや塾・家庭教師の協力を得て予行演習をしておくことも、皆さんの熱意や自信をいっそう高め、かつ、落ち着かせてくれる良い方法です。

面接当日、中学受験生の皆さんそれぞれの個性や魅力、入学への熱意や真摯さが、余すことなく試験官の先生方に伝わることを祈っています。

【中学受験】面接試験① ~何を見られる?面接で大切なこと~

目次

面接試験の合否への影響
面接試験で何を見られるのか
面接の返答内容に、正解はない

冬休みに入り、受験シーズン間近となりましたね。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、中学受験では引き続き面接中止の傾向が続いています。

近年はこれを一つのきっかけに面接を完全に廃止する動きが広まっており、2026年度には頌栄女子学院※、白百合学園、フェリス女学院も面接試験を行わないことを発表しました。

しかし、全ての学校がこの流れにあるわけではありません。
たとえば白百合学園に関しては、2月1日が日曜日となるサンデーショックの今年、多くの受験生が併願しやすくなるよう、今年度のみ面接不要としたという可能性も考えられます。

また、実施は約3分のみで中学校生活の抱負等を問う『雙葉中学校』、今年度から保護者面接を廃止しグループ面接のみを行う『女子学院』、口頭から記述へ方式を変更した『桜蔭学園』のように、『withコロナ』時代や、理想の生徒像の変化に合わせて新しい形を模索しながら、長年重きを置いてきた学科以外の部分(生徒の資質等)のマッチングを、引き続き問う姿勢の学校もあります。

※頌栄女子学院は面接に代えて、受験生の学科試験時間内に、出願内容の確認や簡単なアンケートを同校ホールにて対面で(保護者と)行うとしています。

そこで今日は、中学入試の面接では何を見られるのか、どんな準備や心構えで臨めば良いかをお話ししたいと思います。

面接試験の合否への影響

まず、面接による合否への影響ですが、多くの場合、確かなことは受験生側には判りません。

配点は殆どの学校で設けられておらず、どのような部分を確認したいかという目的も明確には発表されていないことが多いからです。

一般的には、学力試験とは違って参考程度だろうとか、小学校の成績や出席状況、生活態度、面接時のマナーやふるまいによほど問題がない限り合否には影響がないであろう、と考えられています。

しかし、過去には、面接で試験官の先生たちに伝えることができた内容(明確で強い将来のビジョン、スポーツや勉学での目覚ましい活躍、海外経験など)が合格に一役買ったとしか思えない、といった合格者も確かにいます。

学力試験ほどは重視されないにしても、その得点が合否のボーダーライン上に複数人並んだ場合には、面接の内容が大きな決め手になることは間違いないでしょう。

面接試験で何を見られるのか

次に、面接では何を見られるのかということです。
多くの学校では、以下の内容がよく確認されています。

・志望動機(家庭や本人の方針・考えと学校の教育方針がかみ合っているか)

・自己紹介(性格、長所・短所、得意なこと)

・家庭での様子(親子関係、家庭での役割)

・入学後の生活や将来への意識の高さ(夢、抱負)

・通学方法やかかる時間(自覚・熱意)

・小学校の思い出(先生や友人たちと平穏にコミュニケーションを取り、調和しながら学校生活を送れそうか)

・態度、マナー、言葉遣い

また、学校によっては、最近気になったニュースや現在起きている社会問題について自分の考えや意見を求めたり、2~5名ほどのグループで簡単なゲームや発表をさせたりする場合もあります。

大学入試改革やグローバル化に伴い、中学入試の面接においても思考力・表現力、協調性などがより重視されるようになっていることがうかがえますね。

面接の返答内容に、正解はない

面接では、どのような答え方をすれば正解、合格、ということはありません。

面接官はさまざまな質問を通じ、結局は受験生の皆さんの本質を見ています。

大切なことは「こう聞かれたらこう答えよう」と暗記練習することではありません。
目の前にいる面接官(先生)の目をしっかり見て、あわてず、丁寧な言葉遣いで、真摯に受け答えすることです。

そして忘れないでおきたいのは、嘘をつかないこと。

もちろん必要のないことまで何でもかんでも馬鹿正直に言うことは得策ではありません。

例えば、
「他の学校も受けましたか」
と聞かれたとき、本当は他にも受験しているのに
「いいえ、ほかには一切どこも受けていません!ここ一本です」
などと嘘をつくことはやめましょう。

日々子どもたちに接している面接官(教師)たちに嘘は簡単にバレてしまいますし、嘘をつく姿は決して好印象ではありません。

ただし、
「はい!これまで午前午後とできる限り受けてきて、合計10校です。本当は◯◯中学校が第一志望ですが、こちらも滑り止めに受験しています!」
などと、聞かれてもいないことまで言う必要もないのは判りますよね。

面接官に聞かれていることは何なのか。
どのように答えれば良いのか。
しっかり集中して話を聞き、よく考えて答えましょう。
早押しクイズではないので、即座に返答せず、一呼吸おいて考えても構わないことを覚えておいてくださいね。

当日、たとえ緊張の中にあっても、皆さんが自分らしく落ち着いて面接に臨み、合格したい熱意をしっかり伝えられることを願っています。

次回は、面接で「これだけは気を付けたいポイント」、当日の服装についてもお話ししますね。

【中学受験】この時期の眠気対策、どうしたら良い?!

目次

受験生の眠気、主な原因は?
6-13歳は大切な成長期
睡眠と休息は堂々と、しっかり取ろう!
★オマケ★ 自分で押せる!眠気に効くツボ

12月も半ばを過ぎ、一段と寒くなりましたね。

東北では雪の日が増え、関東でも日中からダウンを着ている人が増えてきました。

12月は最高気温と最低気温の差が1カ月を通して10度以上あり、日中暖かくても夜はグッと冷え込むことがあります。

帰りが遅くなる受験生の皆さんは、体調管理にますます気をつけていきましょうね。

さて、このように季節が大きく変わる時は、ホルモンの関係で眠気に悩まされやすくなります。

授業中やお家での勉強中にウトウトしてしまい、先生に怒られたり、目が覚めたら何時間も経っていて後悔したり……というのは誰しもが経験する事だと思いますが、眠気は必ずしも「やる気のなさ」など、本人の気持ちが原因ではありません。

そこで今日は、受験生の眠気を引き起こす主な原因と、その対策についてお話ししたいと思います。

受験生の眠気、主な原因は?

特にこの時期、受験生が眠くなってしまう主な原因は大きく分けて4つあります。

①ホルモンや自律神経の乱れ
②慢性的な睡眠不足や疲れ
③精神的な問題
④食事に関する問題

①は前述の通り。
季節の変わり目(特に秋から冬至の頃にかけて)は日照時間がドンドン減っていく事もあり、睡眠をうながすメラトニンの分泌が日中も抑制されにくくなるため、一日を通して眠気を感じやすくなります。
また、激しい気温差により自律神経が乱れる事も原因となります。
➡︎体温調節がしやすい薄手の重ね着を心がけ、いつも快適に過ごせると良いですね。
「◯時間続けて勉強できた!」ということにこだわらず、細めに息抜きを取り入れましょう。
部屋の温度を少し下げるのも、眠気対策には効果的です。

②受験生に限らず、前の日に深夜まで起きていれば、翌日は昼間でも眠くなってしまいがちです。あるいは、常日頃の受験勉強の慢性的な疲れがたまってしまっている場合も眠くなりやすいでしょう。
また、睡眠時間そのものは長くても、眠りが浅いと、やはり睡眠不足になります。
➡︎ 翌日に影響しない時間までで勉強は切り上げましょう。
パソコンやスマホを就寝の直前まで見ていると、液晶画面から強い刺激が脳に伝わって、眠りが浅くなります。
就寝直前は見ないように心がけましょう。
慢性的な疲れには睡眠が一番ですが、身体を捻って血流を良くしたり、一旦教室や部屋から出て冷たい外の空気を吸うだけでも効果があります。

③日照時間が減少していくこの時期は、メラトニン同様、幸せホルモンと呼ばれる脳内物質のセロトニンも分泌されにくく、気分が落ち込みやすくなり、気力も失われ、眠気を感じやすくなります。
➡︎朝起きたら朝日を浴び、冬休みも朝の散歩を取り入れるなど光を浴びられるよう工夫しましょう。
また、学習も苦手なことや単調なことばかり続けていると、疲れたりモチベーションが下がったりしやすくなります。
眠気を感じにくくするには、学習の順番を自分の好きな科目や内容と交互にするのも効果的です。

④食事の問題で眠気に悩んでいる受験生が、この頃意外と多いようです。
食後は血糖値が変化するために、誰しも眠くなりがちですが、特に血糖値の急上昇は強い眠気を引き起こします。
➡︎食事の時間も惜しい気持ちは分かりますが、砂糖や精製された炭水化物(特に菓子パン、清涼飲料水、甘いジュース、お菓子など)を食事の代用とするのはなるべく避けましょう。
これらは糖質が多く消化吸収が速いため、血糖値を急激に上げてしまいます。
コンビニなどでは1本のスティックやドリンクで十分なカロリーが摂取できると謳っているものも多々ありますが、それらを食事とする場合は、栄養素もしっかり網羅されているものを選びましょう。
糖質だけが多いものは、同じ現象を引き起こしてしまうので注意が必要です。
また、食事の順序としては、サラダなどの野菜、メインのたんぱく質(肉や魚)、主食の炭水化物(ご飯やパン、麺)の順に口にする様にしましょう。
ゆっくりよく噛んで食べるのも効果的です。

6-13歳は大切な成長期

中学受験生は宿題や課題に追われ、どうしても睡眠時間が短くなりがちです。

けれども連日睡眠不足でウトウトしながら授業や課題に取り組んでいるようでは集中力が保てませんし、学習効果も半減してしまい、本末転倒ですよね。

そして、中学受験に臨むための数年間は、皆さんの心と身体を育む大切な成長期でもあります。

6~13才の成長期に必要な睡眠時間は約10時間と言われており、睡眠不足がその一因と考えられている「キレやすい」子どもが増えていることも問題になっています。

受験勉強ももちろん「今しか出来ないこと」ですが、皆さんの心と体の健康のためにも、睡眠はしっかり確保しましょう。

睡眠と休息は堂々と、しっかり取ろう!

睡眠不足は、百害あって一利なし。

学習の関係で時々就寝が遅くなるくらいは問題ありません。
しかし、たとえ追い込み期であろうとも、睡眠をしっかり確保して学習に取り組む方が実は効率的だということは、ぜひ覚えておいてください。

また、受験生には睡眠と同様、休息もとても大切です。

大人にも休息が欠かせないように、身体も心も幼い10代前半の皆さんには、なおさら適度な休息が欠かせません。
過度なストレスや疲れにより、集中力にも体力にも精神力にも悪影響が出てしまう前に、少なくとも2時間に1度はしっかり休息をとりましょう。

勉強の合間に家の周りを散歩したり、お茶を飲んだり、ストレッチをしたり、15分ほどの仮眠をとるのもおすすめです。

睡眠や休息は恥ずかしいことでも、悪いことでもありません。
蓄積しきってからではなく、そうなる前に、こまめに息抜きや睡眠を取りましょう。

中学受験生の皆さんに必要な睡眠時間は、一般的には前述の通りですが、ひとりひとりに合った時間はそれぞれです。
皆さんにちょうど良い睡眠時間を確保できるよう、起床時間から逆算し、なるべく毎日決まった時間に布団に入るようにしましょう。

受験勉強に励む皆さんが、12月を元気に乗り切れるよう心から応援しています。

★オマケ★ 自分で押せる!眠気に効くツボ

◯耳(ほぐす)
◯中衝(ちゅうしょう。手の中指の爪の生えぎわから3mmほど下の部分。指で上下から挟んで押す)
◯清明(せいめい。目頭の内側、鼻骨の上あたり。つまむ様に優しく引っ張る)

これらは眠気に効くと言われているツボです。

眠いけれど、すぐに場所を変えるなどの対策が取れないときは、これらのツボをその場で軽く刺激してみましょう。

中衝にはリラックス効果、清明には目の疲れを解消する効果もあるので、ぜひ試してみてくださいね。

【中学受験】合格を引き寄せる6年生の冬の過ごし方は?

目次

冬休み直前 準備期間としての大事さ
冬期講習・冬休み期間 「受けっぱなし」では終わらせない
学習計画は「小さな勝利」の積み重ねで
メンタルと生活管理 「合格力」は学力だけじゃない
「取捨選択」の勇気 ― すべてを完璧にしようとしないい
最後に〜親子で歩む「戦略的な冬」を

6年生の冬休み。それは、多くの中学受験生にとって「合格力を底上げする最後のチャンス」です。

けれど、ただ講習を詰め込むだけでは効果は限定的。時間には限りがあるからこそ、「どこに力を入れるか」「どのように使うか」を子ども自身とご家庭でしっかり設計してほしいと思います。

ここでは、私が日ごろ子どもたちや保護者の方にお願いしている「冬休みの過ごし方」の考え方を、率直にお伝えします。

冬休み直前 準備期間としての大事さ

冬休みが来る直前のこの時期、まずやってほしいのは「自分の現状把握」と「戦略の再設定」です。

たとえば、塾の最近のテストや授業内容を振り返り、「ここは割と理解できている」「ここが弱い」という弱点と強みの棚卸しをお子さん自身にやらせてみてください。

もし「現在、かなりいい出来」(志望校の合格可能性が目に見えるレベル)であれば、その分野は冬休み、「穴埋め」程度でいいでしょう。苦手分野の最終チェックと修正に集中。

逆に、まだ不安が残るなら、無理に全項目を完璧にしようとせず、「自分が得意な分野」「安定して得点できる分野」をあらためて伸ばすことが現実的かつ効果的です。

この準備を怠らずにやっておくことで、冬休みと冬期講習の効果がぐっと高まります。

冬期講習・冬休み期間 「受けっぱなし」では終わらせない

冬期講習は、志望校別入試対策や過去問演習など、非常に濃密な時間です。ただし、受けるだけでは十分ではありません。

私がお勧めするのは、講習で扱った内容を「その日のうち、あるいは翌日までに復習」するサイクルを作ること。それにより、講習内容が一過性の「詰め込み」ではなく、しっかり「自分のもの」になります。

もし講習後に分からなかったところや弱点が出てきたら、帰宅後または夜に「補強プラン」を立て直す、これが本来の冬期講習の使い方です。講習を「きっかけ」にして、自分の弱点と向き合う。これが合格力アップの鍵です。

また、冬休みにどんどん問題を解くのもいいですが、ただ量をこなすのではなく、「分析」を伴う演習にしましょう。間違えた原因(知識か、ケアレスミスか、時間配分か、読み間違えか)を分類し、それに応じて再学習。

この「分析 → 修正 → 再演習」のサイクルこそが、入試直前の実力を確実に底上げします。

学習計画は「小さな勝利」の積み重ねで

冬休みはたくさんのことができそうに思えますが、実際にはあっという間です。だからこそ、日々の学習プランは「短くても達成しやすい目標」に分割するのが大事。

たとえば「今日は算数の標準問題を 2〜3 問」「国語の読解を1題」「理科の重要語句確認を10語」といった具合に、小さなタスクを毎日クリアする。その積み重ねが、自信にもつながりますし、精神的な安定にもつながります。

そして、たとえ「もっとやりたい!」という気持ちになっても、睡眠を削らないこと。実は1時間多く机に向かうより、1時間よく眠る方が、正確さや思考力が上がることが多いのです。

入試直前期には、むしろ睡眠と休息が大きな差を生みます。

メンタルと生活管理 「合格力」は学力だけじゃない

受験直前の冬から年末年始、気が焦ったり、不安になったり、イライラしたり。これは多くの子が通る道です。でも、そんな時だからこそ大切なのは、「心の安定」と「生活リズムの維持」です。

私はよく、親御さんにこうお伝えしています。子どもの頑張りや努力、今できていることに目を向け、「大丈夫だよ」という安心感・信頼感を保つ声かけをしてほしいと。

「がんばれ!」でも「まだ足りないよ」でもなく、「よく頑張ってるね」「今日はゆっくり休もう」〜そんな声がけが一番効果的です。

また、夜型・不規則な生活を続けるのではなく、「朝型」に戻すのがこの時期の鉄則。体調管理と睡眠の質が、当日の出来を左右します。

「取捨選択」の勇気 ― すべてを完璧にしようとしない

私が受験指導を通じていつも思うのは、「すべてをやろう」とすると逆に効果が低くなる、ということ。冬休みや直前期ほど、時間は有限です。だからこそ、何に時間とエネルギーを使うかを慎重に選ぶべきです。

苦手な単元すべてを無理に克服しようとして、かえって中途半端になるより、今安定して点が取れる分野をさらに伸ばす。あるいは、ケアレスミスを減らすための復習や、時間配分の練習を優先する。こうした 「勝負どころ」 の見定めが合格を左右すると、私は考えています。

つまり、「この冬、やるべきこと」と「清算しておくべきではないこと」をハッキリさせ、「合格に直結する力」を着実に伸ばす。それが私の提案です。

最後に〜親子で歩む「戦略的な冬」を

冬休みは、ただ単に「詰め込みの場」ではありません。戦略を立て、自分の弱点と強みを見極め、小さな目標を積み重ね、体と心のコンディションを整える。

大切なのは、お子さんもが自分自身で「今、自分は何ができていて、何をするべきか」を把握すること。そして、ご家庭がそれを静かに支える。

さあ、冬休み、子どもの本気を引き出す「戦略の時間」にしましょう。






12/17セミナー&相談会

新6年生のご家庭対象

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『2027年受験に向けて、新6年生が偏差値45から難関校合格を実現するにはどうすればいいのか?』
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本当に逆転合格を希望される方だけに向けてお話をし、ただ知るだけで終わらず、
実際に対策を打っていくにはどうすれば良いのか?までをじっくりプロの家庭教師と考えていただく機会です。

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【中学受験】感染対策にも有効なリビング学習のススメ~高学年のポイントは?~

目次

リビング学習のポイント(高学年の皆さん)
リビング学習は絶対ではない

立冬を過ぎ、少しずつ冬の気配を感じる頃になりましたね。

今年は一足飛びに寒くなってしまったので、衣替えもまだ不十分、という人も多いのではないでしょうか。

巷ではインフルエンザ感染者数が注意報レベルを超え、例年より早い流行が報じられています。

中学受験生の皆さんは通塾などでどうしても外出が多くなりますから、こまめな手洗いなどの感染対策をいっそう徹底していきましょう。

さて、普段は周りの頑張りが励みにもなる図書館や自習スペースですが、咳やくしゃみをしている人が多いこの時期にはこれらを避け、なるべくお家で勉強することも一つの感染対策です。

そこで今回は、以前からおすすめしているリビング学習のポイントについて、特に高学年の皆さんに向けてお伝えしようと思います。

リビング学習のポイント(高学年の皆さん)

①机や椅子の高さ

まず大切なのは、机や椅子の高さが合っているかどうかです。

塾や学校の机と同じく、リビング学習でも、机や椅子の高さが自分に合っていることが、集中力を維持する大事なポイントです。
足が床につかずブラブラしてしまう、机が低過ぎて前屈みになってしまうなど、無理な体勢で学習に取り組んでいると学習の効率が下がってしまううえ、姿勢が悪くなったり、疲れやすくなったりしてしまうので気をつけましょう。

また、正しい姿勢は呼吸がしやすいので、不安やイライラが起こりにくくなるメリットもありますよ。

②照明

次に大切なのが、照明です。

ひと昔前からタスクアンビエントといって必要な所だけを強く照らし、周囲を控えめにすることで落ち着き感・没入感を演出する照明作りを好まれる家庭も増えていますが、これは子どもの学習には適していません。

細かい文字を読んだり書いたりする作業に不向きなのはもちろん、リラックスできる空間でありすぎると勉強に集中しにくく、眠たくもなりやすいので気をつけましょう。

逆におすすめなのは、部屋全体を明るくすることや、昼光色の照明を利用することです。
今ではボタン1つで様々な色に変えられるLED照明もありますから、勉強、食事、リラックスタイムと、用途に合わせて色を変えてもいいですね。

③空間に変化を取り込む

長時間、勉強に集中できるのは良いことですが、気分転換も必要です。

リビングの空気を入れ替えたり、温度を変えてみたりと少し変化をつけるだけでも気分転換になります。
変化がない空間に長い時間いると、身体感覚が育ちにくくなるデメリットもあり、精神的な疲れ方も変わってきます。

時には窓を開けて外気や風を感じたり、空気を入れ替えたりしましょう。

学習スペースのそばに水槽を置いて生き物を飼うことも、情操教育の面でも、生物の体のしくみや生活を知れるという面でもとても良いと思います。
気分転換に窓の外や水槽を眺めたり、散歩に出かけたりすることで、理科の学びにつながる発見や、命について考える機会もたくさん得られるはずです。

④兄弟のケア

低学年や未就学の弟や妹がいて、すぐにちょっかいを出してしまったり、大騒ぎをして集中できないケースもあると思います。

そういう場合、学習している間はお家の方に弟や妹のお世話をしてもらったり、同じ空間にいるのは仕方がないとしても、物理的に邪魔ができないような小さなスペースを作ってもらったりできると良いですね。

弟や妹が小学校3.4年生などの場合は、同じタイミングでドリルや宿題をやったり、読書をしたりするのも一つの方法です。

⑤机はできればガラス製を避ける

ガラス製の机は鉛筆の音が響き過ぎてしまうため、できることならば木製のテーブルを使用しましょう。

木の素材など温もりを感じるデザインのなかで学習しているお子さんは安心感があるためか理解が早かったり、鉛筆の音が気にならないために集中力も続きやすかったりする場合があります。

リビング学習は絶対ではない

主に高学年の皆さんに向けたリビング学習のポイントをお伝えしてきましたが、これまで自分の部屋でも効率良く、集中して学習を進めてこられたという人は、必ずしもリビングで学習する必要はありません。

特に6年生の夏頃からは、実践演習が増え、毎日過去問を解くようになるため、基本的には自分の部屋での学習でも構いません。

過去問は正確に時間を測って解かなくてはいけませんし、親子共々ピリピリしやすい時期なので、ちょっとしたことでトラブルが起こりやすいリビングは避けておきたいというご家庭もあるでしょう。

過去問や学習は自室で、採点や解き直しはリビングで、などと使い分けるのも良いと思います。

いずれにせよ、皆さんそれぞれのニーズに合わせた学習環境を整えておくことは、効率的な学習をするためには非常に有効な手段です。

ぜひ、本格的なインフルエンザの流行や自宅学習時間の増える冬休みを迎える前に、取り組んでみてくださいね。

中学受験生の皆さんが、心も身体も健やかに日々の学習に臨めるよう願っています。

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2026年度中学入試の時事問題対策、ベストタイミングは今!

目次

今年の重大ニュースを振り返ろう
入試に出るのは9月頃までの出来事
こちらの話題もチェック
自分なりの意見を持とう

朝夕ずいぶん冷え込むようになりました。

空気が乾燥しているのでインフルエンザも流行る時期ですね。

中学受験生の皆さんは体温調節しやすい重ね着を心がけ、外から帰ったら、いつも以上に入念に手を洗うようにしましょう。

【今年の重大ニュースを振り返ろう】

さて、夏の終わりは重大ニュースの振り返りに最適なタイミングだと以前お伝えしました。

そして、11月の今こそは、その本格的な対策のベストタイミングです。

今年上半期は国内だけでもたくさんのニュースが有りましたね。

たとえば米価格の高騰・備蓄米放出・減反政策の見直し、大阪・関西万博(EXPO 2025)、みちびき6号(準天頂衛星)の打ち上げ成功、線状降水帯の大雨(石川県など)、最低賃金の過去最高額更新、出生数が初めて70万人を下回る、などなど。

また、今年は超高齢化社会の転換点であり、団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が2025年に全員75歳以上の「後期高齢者」となることや、阪神・淡路大震災の発生から30年、戦後&国連設立80年、昭和(昭和元年から) 100年の節目であることも話題になりました。

さらに夏以降にも、石破首相の後任を決める自民党総裁戦、高市早苗首相選出、公明党の連立政権離脱、自民党・日本維新の会の連立政権樹立に向けた正式合意、大阪大坂口志文特任教授らのノーベル生理学・医学賞受賞、京都大副学長北川進副学長らのノーベル化学賞受賞など、大きなニュースが目白押しでした。

中でもみなさんにとって身近であったのは、昨年から続く“令和の米騒動”ではないでしょうか。

皆さんのご家庭でも、2.3年前よりパンやパスタ等が食卓に上がる頻度が増えたり、お米にもち米や雑穀を混ぜたりと、その影響が出ているのではないかと思います。

私たち日本人にとって米は主食であり、これまではスーパーやコンビニで当たり前に手に入るものでしたが、今年も新米が出回るまではお米売り場が何度もすっからかんでしたね。

ちなみに、1918年にも日本では切迫した米不足により、軍隊が出動するほどの“米騒動”が起こりました。

当時そのような事態はなぜ起きたのでしょうか。
(ヒント:1917年にはシベリア出兵がありました)

また、昨年から続く“令和の米騒動”の原因はなんなのでしょうか。

私たちの文化や食習慣に深く関わる「コメ」問題は、2026年度の中学入試でも多くの学校で問われると思います。

日本の米どころの位置や、米づくりに欠かせないその周囲の「川」についても、これを機にぜひ確認してみてくださいね。

入試に出るのは9月頃までの出来事

ここから入試本番までもさらにニュースは増えていくと思いますが、入試で出題される時事ネタは以前お話しした通り、前年の9月頃までのものなので、試験対策としてはそこまでの題材を特に良く理解しておきましょう。

また、今年も11月6日(木)に、中学受験の時事問題対策問題集の「決定版」と言っても過言ではない『2025年中学入試用サピックス重大ニュース』(サピックス小学部編)が発売されます。

ぜひそちらも参考にしてくださいね。

もちろんサピックスに限らず、毎年大手各塾が同様の参考書を発売しますから、本屋さんで実物を手に取って、自分が読みやすいものや、理解が弱い部分の解説が詳しいものを選ぶのがおすすめです。

いずれを選んでも、予想問題や資料が充実していて効率的に時事問題対策が出来ると思いますよ。

こちらの話題もチェック

・ここ数年、国内外で地震が頻発しているので、『南海トラフ地震』もよくチェックしておきましょう。

発生した際には火山の噴火や津波被害が出ることも懸念されていますから、海や川の位置や地形などの地理的な知識、(海岸線の長さと津波被害の大きさの関連性など)データの読み取り・分析力も求められることが予想されます。

地理や歴史、公民に絡めてしっかりおさえておけると良いですね。

・今年は高市早苗氏が日本初の女性首相に就任したこともあり、性別に関するテーマにも一層注意が必要です。

日本の政治史における象徴的な出来事として国内外で大きく報じられた一方で、これが実態を伴うジェンダー平等社会の実現につながるかについては、引き続き注目されています。

共学・男子校に比べると女子校の方が(女子の方が二次性徴はやや早く訪れるという理由もあり)性別に関するテーマが扱われやすい傾向がありますが、共学・男子校でも、今年は性に対する多様な考え方に関する出題が例年より増えると思われます。

ジェンダー・性に関する主要なニュースにはぜひよく目を通しておきましょう。

自分なりの意見を持とう

社会のニュースはただ見たり読んだりするだけでなく、それぞれの話題に対して、自分なりの意見を持っておくことも大切です。

いきなり自分の意見と言われても……という人は、自分以外の様々な人の意見(各新聞の記者たちの考えなど)をぜひチェックしてみてください。

そうすることで自分なりの考えや意見も少しずつ出てくると思います。

自分の考えや意見がつかめてきたら、ぜひそれらを書き出したり、機会があればお家の方や家庭教師、塾の社会科の先生などと話したりしてみましょう。

このような作業は手間も時間もかかりますが、要点把握の読解力や、自分の考えを端的にまとめる記述力を磨くなど、国語の鍛錬にも直結します。

なにより、より深く世の中を知り、自分なりの意見を持つことは、必ずや小学生の皆さん自身の大きな成長と自信に繋がります。

受験のためというよりも、むしろ自分自身のために、ぜひ日頃から私たちを取り巻く世の中の状況に関心を持ってもらえたら嬉しいです。

そしてゆくゆくは皆さんが、国内外の様々な課題に対して自ら考え、責任を持って行動できる頼もしい大人に育ってくれることを、今から楽しみにしています。

**********最後に、2025時事ミニクイズ!**********

3問全て正解を目指してレッツトライ!

【問題】

①80回目の終戦記念日、全国戦没者追悼式の式辞にて、石破首相が13年ぶりに先の大戦への「◯◯」に言及し話題となった。「◯◯」に入る漢字二字の言葉は?

ヒント:それだけならサルでもできる……?!

②高市早苗首相による内閣のスローガンは?

い:幸福と平安の内閣
ろ:決断と前進の内閣
は:納得と共感の内閣

ヒント:自民党と日本維新の会による連立政権が衆・参ともに過半数に達しない現状で実現出来るかな?! と疑問の声が上がりました。

③日本の一人あたりの名目国内総生産(GDP)は先進7カ国(G7)の中で何位?
※1〜7の数字で答えましょう。(2023年時点)

ヒント:かつては経済大国と呼ばれた日本。ファイト!

【答え】

①:反省   ②:ろ(「は」は石破首相が命名した自身の内閣の名称。)
③:7(残念ながら最下位。)

結果はどうだったかな?

・全問正解/バッチリだね!
・1〜2問正解/凡人だね!(←よめる?)
・正解なし/本屋さんに走れ!(今ならまだ間に合う!)

*************************

それでは、11月も皆さんの毎日が、健康で充実したものになりますように。

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【中学受験】6年生11月・12月の過ごし方:「塾ソムリエ」西村則康が考える勝利への最終戦略

目次

最終ステージの心構え:新規学習からの脱却と「絞り込み」
1. 「穴」の補強・知識の「インプット」から「アウトプット」へ徹底転換
2. 志望校に合わせた「取捨選択」の徹底
「過去問」と「弱点補強」の黄金比
1. 「穴」の補強・知識の「インプット」から「アウトプット」へ徹底転換
2. 志望校に合わせた「取捨選択」の徹底
最後の砦:「メンタル」と「体調」の管理
1.受験生の「生活リズム」の確立
2. 親御さんとお子さんの対話と距離感

長きにわたる受験勉強もいよいよ大詰め。小学6年生の11月以降、つまり「秋の陣」から「冬の陣」にかけての数ヶ月間は、合否を分ける非常に重要な時期となります。

これまでの努力を確実に点数に結びつけ、最高のコンディションで本番を迎えるために、この時期に何が大切なのかを、今回は具体的にお話ししたいと思います。

最終ステージの心構え:新規学習からの脱却と「絞り込み」

11月以降、学習の目的は明確に変わります。これまでは知識の積み上げでしたが、この時期は持っている知識を使いこなすための訓練が中心です。

1. 「穴」の補強・知識の「インプット」から「アウトプット」へ徹底転換

この時期に新しい単元や知識を無理に詰め込もうとするのは、悪手です。消化不良を起こし、定着している知識まで揺らぎかねません。

知識や解法の「穴」の補強:大手塾のカリキュラムは、おそい塾でも夏休みまでに全範囲が終了しています。秋以降は、過去問演習で見つかった知識や解法の「穴」を手持ちの教材(塾の平常教材:サピックスならデイリーや基礎トレ、四谷大塚なら予習シリーズなど)に立ち返り、しっかり補強していくことに集中してください。

「使える知識」のチェック:知識は「知っている」だけでは意味がありません。問題文を読み、すぐに引き出せる状態にあるか、正確な手順で再現できるかを常にチェックしてください。

2. 志望校に合わせた「取捨選択」の徹底

この時期の最大のテーマは「絞り込み」です。全ての問題を解こうとする完璧主義を捨て、志望校の合格最低点を超えるための戦略的な学習に切り替えます。

「捨てる勇気」:志望校でほとんど出題されない分野や、過去問でも誰も正解できていないような「超難問」に時間を費やすのは非効率です。「頻出分野を確実に取る」という戦略を徹底し、苦手で点数効率の悪い単元は思い切って「捨てる勇気」も必要です。

出題傾向の分析:過去問や模試の結果を分析し、「必ず取らなければならない問題」(基本・標準問題)と「差がつく問題」(応用問題)を明確に区分します。現状で過去問演習の結果が合格ラインに達していないのであれば、まずは前者を100%確実に解くための訓練に力を入れましょう。

「過去問」と「弱点補強」の黄金比

11月・12月は過去問演習の量がピークを迎えますが、単に数をこなすだけでなく、その「質」を高めることが極めて重要です。

1. 過去問演習の「戦略的運用」

過去問は模擬試験ではありません。志望校が「どんな能力を持つ生徒を欲しているか」を教えてくれる最強の教材だと考えましょう。

時間と点数の分析:必ず本番と同じ時間・形式で取り組み、採点後、単元別の正答率だけではなく、時間配分のミスや集中力の途切れなど、プロセス面での反省点を詳細に記録してください。

解き直しノートの活用:過去問で間違えた問題は、2〜3日後に必ず解き直します。その上で、間違えた原因(知識不足、計算ミス、読み間違い)を明記した解き直しノートを作成し、入試直前まで繰り返し見直します。同じ間違いを二度としないためのデータベースとして活用しましょう。

2. 個別弱点克服のピンポイント補強

過去問や直前模試で浮き彫りになった弱点は、即座に、集中的に潰します。

分野別集中演習:例えば、算数で「速さ」の応用問題に不安があるなら、その分野に特化した問題集や塾のテキストを引っ張り出し、5日間程度、他の科目の時間を少し削ってでも集中して取り組みます。穴を空けたまま年を越さないことが重要です。

理社の暗記確認:理科の「植物・動物・地学」や社会の「地理の産業」「歴史の文化史」など、知識量がそのまま点数に直結する分野は、朝の15分、寝る前の15分といったスキマ時間をフル活用して暗記の最終確認を行います。

最後の砦:「メンタル」と「体調」の管理

どんなに学力が上がっていても、本番で実力を発揮できなければ意味がありません。11月以降は、心身のコンディション作りが、勉強そのものと同じくらい大切になります。

1. 受験生の「生活リズム」の確立

入試本番は午前中に実施されます。

「朝型」への切り替え:できれば12月からは、朝7時には机に向かえる生活リズムを確立したいところです。脳が最も働く時間帯を「午前中」に持っていく訓練です。入試1週間前から急に変えようとしても間に合いません。

睡眠時間の確保:夜ふかしは厳禁です。7〜8時間の睡眠を確保し、脳の疲労を確実に回復させましょう。睡眠不足はミスを誘発し、せっかくの努力を台無しにします。

2. 親御さんとお子さんの対話と距離感

この時期の保護者の役割は、伴走者であり防波堤です。

不安の言語化と共感:この時期の子どもは、不安や焦燥感を抱えていて当たり前です。それを否定せず、「大変だよね」「よく頑張っているよ」と共感の言葉をかけるだけで、子どもは安心します。不安を言葉に出させることで、問題が整理され、心が軽くなります。

過干渉に注意:この時期は、親御さんも神経質になってしまいがちです。成績のことで小言を言ったり、志望校の過去問の点数について過度に口出ししたりするのは、あまり子どもにいい影響を与えません。やるべきことはもう決まっていて、それを確実に実行する自立心を試されています。信頼して見守る姿勢が、子どもの自信につながります。

11月以降は、不安と期待が入り混じる時期です。しかし、お子さんたちががこれまで積み上げてきた努力は決して裏切りません。戦略的に学習を絞り込み、体調管理を徹底し、自信を持って本番に臨みましょう。

私たちは、受験の日まで皆さんを応援しています。

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【中学受験】4年生・5年生の2学期の学習についてまとめ

目次

4年生・5年生の2学期の重要性
4年生の2学期に注意すべきこと:基礎の土台を固める
5年生の2学期に注意すべきこと:学習量の壁を乗り越える
保護者の方へ:伴走者としての心構え

長い夏が終わったかと思えば、いきなり冬が来るのではという気温になり、お子さん、親御さんも体調管理に気をつけていただきたいこの頃ですね。

中学受験を目指す小学4年生・5年生の2学期の学習について、これまで何回かお伝えしてきましたが、あらためて今回の記事では、特に注意していただきたい点をまとめてお話ししたいと思います。

2学期は、受験学年である6年生に向けて、基礎学力の定着と応用力への橋渡しをする上で、非常に重要な時期となります。ここでつまずくと、後々大きな負担になりかねません。

4年生・5年生の2学期の重要性

4年生の2学期は、中学受験の学習が本格化し、各教科で抽象的な概念や複雑な単元が導入され始める時期です。特に算数では、特殊算や図形などの重要な分野が登場します。

5年生の2学期は、「受験の天王山」とも呼ばれるほど、学習量が最も多くなり、難度も急上昇します。ここで成績が安定するかどうかで、6年生のスタートが変わってきます。

4年生の2学期に注意すべきこと:基礎の土台を固める

4年生の2学期で最も注意すべきは、「基礎の穴」を作らないこと、そして学習習慣を確立することです。

1. 算数:「割合」「速さ」の土台づくり

算数で特に重要なのは、「割合(分数・小数)」と「速さ」の概念です。この時期に導入されるこれらの単元は、6年生で学習する多くのや応用問題の基礎となります。
• 定義や原理をしっかり理解させること:公式を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を親子で一緒に考える時間を持ちましょう。
• 計算力の徹底強化:計算ミスはトレーニングによって減らすことができます。正確な計算力を維持するため、毎日欠かさず計算トレーニングを行う習慣をつけましょう。

2. 国語:読解力の「型」の習得

国語では、「論説文・説明文の読み方」、すなわち「接続詞や指示語の役割」「筆者の主張の見つけ方」といった読解の基本的な「型」を習得することが大切です。
• 本文に根拠を探す習慣:自分の意見ではなく、「本文のどこに答えのヒントがあるか」を意識させるようにしましょう。
• 語彙力の充実:難しい言葉が出てきたら、その都度、辞書で意味を調べ、例文を作るなど、深く理解させる工夫が必要です。

3. 学習習慣の確立:「やればできる」の成功体験

4年生のうちに自分から机に向かう習慣を確立することが、後の成長を大きく左右します。
• 「ルーティン」の作成:帰宅後のスケジュールを固定し、「この時間は必ず勉強」という時間割を親子で決めましょう。
• 褒めて伸ばす:結果よりも、勉強に取り組んだ姿勢や小さな努力を具体的に褒め、モチベーションを維持させることが重要です。

5年生の2学期に注意すべきこと:学習量の壁を乗り越える

5年生の2学期は、受験に直結する重要な単元、分野の学習が増え、内容も一気に難しくなります。ここでは、消化不良を起こさないよう注意すること、苦手分野を放置しないことが鍵になります。

1. 算数・理科:単元間の「関連付け」を意識する

難度の高い単元が次々と出てきますが、重要なのは学習したことを「単発の知識」で終わらせないことです。
• 算数:入試頻出分野の早期完成:「比(割合の応用)」「立体図形」「場合の数」といった入試の合否を分ける重要単元が集中します。これらの分野は、焦らず、「なぜそうなるのか」を考えながら演習して「完全に理解した」状態を目指しましょう。
• 理科:暗記から「原理の理解」へ:理科でも、知識が複雑になる分、「なぜそうなるのか」という原理・仕組みを理解することが重要です。特に「てこ」「滑車」などの物理分野は、自分で図を書いて仕組みを説明できるレベルにすることが理想ですね。

2. 社会:流れを掴む「歴史」と「地理の深い知識」

歴史が本格的に始まり、地理も細かな知識が増えます。
• 歴史:人の営みとして理解する:「いつ、誰が、何をしたか」だけでなく、「なぜその事件が起こったのか」という時代背景や因果関係を、ストーリーとして理解しておくことが大切です。特に近代〜現代に関しては、流れを掴むことを最優先し、年号は後からで構いません。
• 地理:白地図を活用する:単なる地名や特産物の暗記ではなく、産業と地形・気候の関連性など、具体的な場所を白地図で確認しながら、多角的な知識として定着させることが大切です。

3.復習の仕組みを確立する

新しい単元の学習に追われ、復習がおろそかになりがちなのが5年生の2学期最大の落とし穴です。
• 「ウィークリー復習」の習慣:週末に「この1週間で習ったこと」をざっと見直す時間を取りましょう。特に間違えた問題だけをピックアップして解き直すことが効率的です。
• 「苦手分野リスト」の作成:親子で「この単元はまだ不完全だ」という分野を特定し、リスト化して定期的に取り組みましょう。放置は絶対にいけません。

保護者の方へ:伴走者としての心構え

最後に、保護者の皆様にお願いしたいのは、完璧を求めすぎないこと、そしてお子さんの心の状態を見ていただきたいことです。

2学期は、子どもにとって精神的にも肉体的にも負担が大きくなる時期です。親は成績の浮き沈みに過度に一喜一憂せず、努力のプロセスを評価してあげてください。学習の計画を立てるサポートは必要ですが、横について教える場合は、自分で考える力を奪わないよう、答えをすぐに教えるのではなく、どうすれば解けるかを一緒に考えてあげる「伴走者」に徹していただけると理想です。

もちろん、この部分は和屋市たち家庭教師が担うケースも多いです。ご家庭だけで「行き詰まり」を感じていらっしゃるようでしたら、ご相談いただけると対応します。

この2学期を乗り越えることができれば、お子様は大きく成長し、6年生での受験勉強に弾みがつくはずです。一緒に頑張っていきましょう。

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【中学受験】過去問についての3つの質問

目次

過去問についての3つの質問く4年生の2学期
5年生で過去問を解いてもいいの?
併願校の学問は何年分やればいい?

秋らしく高い空が心地よい季節になりました。

中秋の名月もまもなくですね。

10月に入り、6年生は過去問演習を始めたお子さんも多いと思います。

今日は、よくご質問いただく過去問演習についての疑問について、お話ししたいと思います。

過去問についての3つの質問

過去問演習について、よく下記のようなご質問をいただきます。

「過去問っていつからやればいいの?」
「まだ5年生だけど過去問を解いてもいい?」
「併願校の学問は何年分やればいい?」

というようなものです。

まず、過去問にいつから取り組めばいいかですが、過去問のスタート時期については、先生や塾によって方針が違います。

また、早ければ早いほど良いといったものではありません。

サピックスのように、早い塾では夏休み中から過去問を解き始めます。一方で過去問に取り組み始めるのが一番遅いと言われる日能研では、10月〜11月ぐらいから演習が始まります。

進路の早いサピックスのような塾では早い時期から過去問に取り組みますが、進度がゆっくりの日能研では、過去問への取り組み始めもやや遅い時期になるということですね。
早ければ良いというものではないと言いましたが、どうしても心配であれば(受験校の数によっては、「ちょっと急いだほうがいい」というケースもあります)自分の先生にもう取り組んでいいかを聞いてみてもいいと思います。

5年生で過去問を解いてもいいの?

まだ6年生でなくても過去問を解いてみたい、というご家庭があるかもしれません。
憧れの志望校の入試問題を一度経験しておきたい、そんなお声も聞くこともあります。

結論から言えば、5年生であっても6年生の早い時期であっても、一度第1志望校の過去問に触れておくことは悪いことではないと思っています。
(最新の年度のものは避けるようにしましょう)
ただ、意識しておいていただきたいのは、高い確率で点が取れないということです。

全範囲を勉強し終えた6年生でさえ、過去問を解き始めた時にはなかなか点が取れないということがよくあります。
つまり全範囲を学習し終えてない状態で過去問に取り組むと、やはり点数は伸びないことが多いです。

そのことをあらかじめお子さんに伝えてあげた上で、過去問に取り組むことをおすすめします。
早い時期に過去問に取り組む目的は「どれくらい難しい問題が出るのか」「それでは今の力で解ける問題はあるのか」などを体験できることだと考えるようにしましょう。

結果は様々だと思いますが、それでもチャレンジお子さんにとって、その挑戦が良いモチベーションに繋がるように取り組ませてあげたいですね。

併願校の学問は何年分やればいい??

一般には第一志望校の過去問は5年分、併願校の過去問は2〜3年分くらいをやればいいと言われています。
私もだいたいこの意見には賛成で、特殊な事情がなければ上記の年度ぐらいを演習しておけば良いと思います。

特殊な事情というのは、新設校などの場合です。
新設校はそもそも過去問が存在しなかったり、非常に少ないという事情があります。
また男子校や女子校から共学化した学校などでは、前身となる学校の過去問が全く参考にならないというケースがほとんどです。

科目別に考えると、社会科の問題の時事問題やデータは、数年で大きく変わることが多いのであまり過去に遡って問題をやると、そういった弊害が出てきます。
逆に麻布や灘の算数や理科などは、10年以上さかのぼってもいい練習になりますね。

複数回の入試を実施している学校では、お子さんが受ける可能性のある回の過去問を演習すれば良いと思います(もちろんその学校が第一志望で全ての回数を受験する、というのであればそれらを全て演習しておけばいいですね)

過去問の演習には、上記のように第一志望校を5年分、併願校を2〜3年分と考えると、思ったより時間と日数が必要になります。

最も避けたいのは、併願校であっても受験する学校の過去問を一度も解くことなく受験日を迎えることです。
これを避けるため、カレンダー上に「いつ、どの学校の何年度の過去問を演習するか」をプロットしていきましょう。

みなさんが過去問演習によって、入試の得点力を育んでいってくれることを祈っています。

【中学受験】秋、4年生のご家庭に意識していただきたいこと

目次

テキストもテストも難しくなっていく4年生の2学期
平常の勉強で気をつけていただきたいこと
「過去をふり返るテキスト」はありますか?

2学期になってひと月が過ぎようとしています。

今回は、4年生の学習についてお伝えしたいと思います。

テキストもテストも難しくなっていく4年生の2学期

算数に関しては、サピックスでは1学期に和差算やつるかめ算などを学習してきましたが、2学期も平均算や速さ・方陣算など、図形や小数・分数などを挟みながらさまざまな文章題についても学習していきます。

四谷大塚や日能研も、4年生後半はさまざまな文章題や速さの基本など受験算数の基本部分を学習していく内容になっています。

テストでも、前半の小問集合部分に正答率が低い問題が出されていたりと、これまでよりも失点を誘いやすい問題の作りになっていくのです。
この傾向は、学年が上がっていくにしたがって、より強くなっていきます。

国語に関しては、素材文の抽象度が上がってくるのが4年生後半の時期です。

例えば説明文では、これまでは読んで内容・事実が分かれば答えられる問題が多かったのに対し、事実と筆者の主張をしっかりと読み分けなければ答えられない問題などが多くなっていきます。

選択肢問題に関しても、これまでのように「本文の表現そのまま」から、微妙に言い回しを変えた表現の選択肢が多くなってくるなど、これまでよりもやや厳し目に消去法を使う必要に迫られます。

つまり、しっかり「授業で習った読解法」をテストで実践しなければ、高得点が取りにくい問題になってくるということです。

このように各科目、普段の授業、そしてテストの内容ともレベルが上がっていきます。

特に11月に行われるサピックスの実力診断サピックスオープンなどでは、点の取りにくさを意識させられることがあると思います。

平常の勉強で気をつけていただきたいこと

平常の学習で気をつけていただきたいことは、4年生の学習で手が回らない、やるべきことだと考えていることがやりきれないという状況に陥っているご家庭には、今一度「やるべきこととやらなくていいこと」を整理していただくことです。

例えば宿題を3回4回と繰り返させるご家庭があります。
4年生だと通塾も週に2回だけだし、なんとか回ると思います。

また「完璧にしたい」という気持ちはわからなくはないのですが、繰り返しは2回まででその範囲を理解するという方針にし、丁寧な学習を心がけた方が結果としてお子さんの頭に残っている知識の量は多くなるものです。

今の学年で忙殺されていては、5年生6年生になった時にさらに回らなくなることが目に見えています。

意識的に、今週やるべきことが終わったら「過去に習った単元の中で、復習したいものをやる時間」を確保する、というタイムスケジュールを組んでみることもおすすめです。

例えば週あたり塾以外に算数の学習をする時間が5時間あるとしたら、今週の範囲に費やす時間を4時間から4時間半程度として、その範囲内でできる学習を組み立ててみるのです。

週あたり30分から1時間、過去にやった内容を思い出す時間を作れば、実力テストの対策になります。
何をやるかは、過去のテストで気になった問題をストックしておくと、自ずと決まってくると思います。

正答率が高いにもかかわらず間違った、直しでは理解をしたけれども時間が経つと解けるかどうか不安がある、そういった問題に付箋をつけるなどしてストックしておけば、それらをコツコツやり直すだけですね。

「過去をふり返るテキスト」はありますか?

サピックスではこのような作業の代わりになる教材として「基礎力トレーニング」が与えられています。
過去に習ったことを思い出しながら、今週の内容とは違ったものを基礎からやり直す、という目的で毎日取り組む教材ですね。

このような教材がない塾にお通いの場合は、上記のテストを使った学習でもいいですし、市販の問題集の中から使いやすそうなものをピックアップしてもいいと思います。

問題集を選ぶ時の視点ですが「解説が充実しているもの」がいいと思います。
具体的には、問題と解説のボリュームが同じくらいあるものだと、ご家庭でも使いやすいと思います。

書店でお子さんと一緒に問題集を広げてみて、お子さんが「これなら分かりそう」と感じるものを選んでもいいでしょう。

もちろん塾のテキストをさかのぼってもいいのですが、塾のテキストの解答は先生が解説することを前提として作られているため、自学自習で使うにはちょっと物足りないものになっていることが多いのです。

あまりテキストばかりを増やしてしまうのも考えものですが、時には塾以外の問題集などで活用できるものがないか、検討してみるのも特に4年生のご家庭にとっては役立つことがあるのではないかと思います。

もちろん名門指導会では、そのあたりのご相談にもお答えしておりますので、外部の手を借りたいという場合はお声かけいただければと思います。